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2020.01.17

1.17

私はまだ生まれていなかったが、まさにそれは地元で起こったことで、小学生の頃から毎年この日は学校で集会があって追悼した。

私が通っていた小学校の近くが、壊滅的な状況になっている写真を何度も見た。いま、何事もなかったかのように綺麗な街になっていたので、現実味がないようで、それはとてもリアルだった。

私の母が住んでいたアパートは無事だったが、周辺は全壊していたそうだ。もしも、のことを考えると、私は存在すらしていなかったかもしれないのだ。今、形として存在している自分が、一瞬にして崩れてしまいそうな脆いものに感じてしまい怖くなる。

地元の色んな人の話を聞いて、みんながそれぞれ不安の中を生き抜いてくれたから、私は彼らと出会えたんだと思うと、人との繋がりはやはり偶然的なもののように思う反面、人は誰かと出会うために生きていられるのかもしれないとも思う。

雪になりかけた雨が、小さな雫を落とす夜。こんな寒空の下、恐怖と不安に襲われる夜が25年前にあったと思うと、非常に胸が苦しい。

うまく言えないけれど、私が今日まで私として生きていられているのは、これから出会うすべてのものに出会うためかもしれないと思うと、目の前に映る何もかもが優しく、愛おしいもののように感じる。

だから今日は、とっても寒い。

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