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偽りの成長神話よ、さようなら。
クリエーターさんにお願いしていたプロフイラストが届いた。
canvaでコラージュしてヘッダーを作ったら,記事に貼る分にはいいのだけどヘッダーでは見事にボケボケだった。
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せっかく美しく実物以上の「発達∪心理学オバさん像」を作って頂いたのに本人がボケているからこうなるのだわ。まぁいいや。
ボケ上等!
というのも,ここのところ,いやコロナ禍になってから気づいちゃったのだ。
「成功!」「達成!」「成長!」と息巻く自分ではもうないことに。
35歳を過ぎた頃からくっきりと「老い」の輪郭が見えてきた。
「まだまだ現役ですよ。産めますよ」
「すわ!更年期か?」
栄養療法もやってくれる産婦人科を探して,電車で1時間かけて行った病院の院長はわたしにそう言って,励ましてくれた。
いやいや,もう3人産んでますから十分です。やっと,末っ子が自分の足で歩いて自分で食べられて,自我も芽生えた2歳になったというのにもう更年期かよ…。
医師がホルモンの値ではそうではないとおっしゃるけれども,間違いなくプレ更年期の自覚があった。
寝れば何とかなる。無理がきいたのは30代までで,40代に入ると坂道を転げるようにして身体機能が劣化していくのを感じた。
「すばらしい感覚と感性ですね」
わたしは,身体感覚を使ったトラウマ療法の学徒なのだけど,トレーナーの博士や精神科医の先生に感心されるほど,わたしは身体感覚が人よりは良い方だ。
心理士はこの感覚が鋭くないと仕事にならないから敢えて磨いてきたところもあるけれど,プレ更年期とコロナ禍が同時にやって来たあたりから,意識して身体感覚を呼び覚ましてきた。
それと同時にこんなに身を粉にして働いて,<獲得>することばかりに躍起になっている自分に疑問を持つようになった。
疲れたらアロマテラピーに行き,整体に行き,他人の力を借りて癒してもらう。そして,また自分を追い込む仕事に向かう。
そんなに自分を追い込んで無理してたどり着く先は幸せなのだろうか。
そう思って,ベリーダンスの個別レッスンを週1で励むようになり,徹底的に自分のからだの使い方を鍛えることにしたし(今は月2回になったけど続いている),女性らしいからだの使い方の姿勢教室に1年前から通っているし,神楽舞を習っているし,この間はサムライ修行も始めた。
そうやって自分で自分のからだの使い方を整えることができるようになってきたら,月に4か所くらい何か所も同時に通っていた,鍼や整体の予約もいつの間にかそんなに頻回にいらなくなってきた。
同時にどんどん自分の身体感覚,神経生理学用語でいうと「内受容感覚」が鋭くなって来て,先生たちに褒められるようになったのだった。
無理を重ねて,アドレナリン全開にするハッスルカルチャーがたどり着く世界は「成功疲労」を生む。
注意引きカルチャーに暴露され続け,自分を鼓舞して追い込むから神経系が痛めつけられて,自律神経系を病む。こんなに神経発達症の発生率が増えたのも,ニューロビジネスと関連があるのだろう。
成功疲労のモデルは,新自由主義という行き過ぎた資本経済主義が根底にある。
そしてその綻びが今の経済,政治の瓦解に繋がっているし,わたしたちは常に変動する有機体だから,環境の変化を直にうけている。
この動画でもお話しているけれど,その姿はまるでぐるぐると回転車を走り続けているラットみたいだ。
終わりのない成功ラットレースは,自分で降りられるのだけれど,脳の報酬系回路はいったんその回路ができてしまったら走り続けることになる。
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