あきらめない!人はいつからでもいつ迄も変われる
YouTube動画をアップしても,待てど暮らせど響かなかった❝魔の6月❞が過ぎた。
❝陰極まって陽となす❞転換点の夏至を過ぎたあたりから,エネルギーが変わったようで,YouTubeの再生数がまた回り始めた。
❝いつからでもいつまでも人は発達し続ける❞という,発達心理学の大前提をわたしはたくさんの女性と子どもに伝えたくて,YouTube発信をスタートした。
祖先が生きていた太古の昔に比べたら,上下水道などインフラは整っているし,衛生状態も栄養状態も格段に安全で安心でこの上ない最上級な環境なのに,どう考えても今の社会は,生きづらい。
特に社会的弱者と言われる❝おんなこども❞は,雇用の調整弁だったり,我慢させたり,しわ寄せをくらいやすい。
最高のシスターフッド朝ドラの今朝の『虎に翼』なんて,首がもげそうなくらい共感の嵐だったし,その後の『あさイチ』の「小1の壁特集」で立命館大の先生が「女性や子どもが男性中心に合わせざるを得ない働き方」のおかしさをドンズバで指摘してくださった。ブラボー!
女性や子どもが生きやすい社会は,男性にとってもまた生きやすい社会だから,男性だって無理してマッチョな世界にいなくて済むから,世界が一気に平和になることこの上なしだと思うんだけど。
そもそも,いつまでも人は発達し,変われる。
だから,人が創るこの社会だって変われる。
発達心理学の中でも,マザーグースでいうところの❝ゆりかごから墓場まで❞(命が宿ってから亡くなるまで)の生涯の発達心理学は,ライフスパン,ライフコースという分野。
なんてニッチな所をほじったところで,研究者以外はどうでもいい話だと思う。だけども,でも「人の人生って伸びしろしかない」って知っているとなんだか楽しくなってくる。
ここで注意がある。
変化,発達とは,赤ちゃんから幼児,そして成人へと年を重ねるごとに「能力を獲得していく上り調子」だけではなく,成人から老年期へゆるやかに下り坂を下るような「失っていく」こともまた,発達なのだ。
「老人心理学」を専門にしている教授の授業でこのことを教えられた時,「ふーん」くらいしか思わなかった。
人生なんて永遠に思えるくらい,平凡な毎日の繰り返しでドラマチックなことなんて何一つなかったあの頃に戻りたいなんて思わない。
自分にはキャリアも実績も何もなくて,あるのは「若さ」だけだったから苦しかった,なにものでもない自分。
今は,あの頃,喉から手が出るくらい羨望していた資格もキャリアもそれなりに積めた。
ある意味,獲得ばかりしてきた。
でも,ちょっとずつちょっとずつ,自分の老いも感じ始めたのは,末っ子を産んで数年後だった。
「この数値ならまだまだ産めます。現役ですよ」
産婦人科でホルモンの検査を受けて,担当医にそう笑って言われたけれど,「そう言われても……」と気色ばむくらい,疲れが取れないし,明らかに30代とは違う体調から更年期の到来を感じた。
「先生はまだ若いからわからないと思うけれど,35歳を過ぎると階段を踏み抜くみたいに1年ごとにドーンと落ちていくよ」
職場の先輩保健師さんや看護師さんに20代の頃,そう言われた。
そんなもんかと思っていたけれど,本当だった。
でも,わたしは知っている。
確かにからだの機能は衰えるけれど,メンタルはおばさんになるにつれて繊細さが薄れて図々しくなれて,どうでもいいことが増えた。
明らかに生きやすくなっているのだ。
若い時のみずみずしい感性やあの焦燥感はもうないけれど,なんかアホみたいに楽だ。
何より「見た目偏差値」で値踏みされたり,下駄を履かせてもらえたアドバンテージがもうないから,単純に「中身」というか「たたずまい」というか「ええもう,まるっと全部」みたいな総合的な評価に変わったような気がする。
枯れていくのも悪くない。
人はいつからでもいつまでも変化し続けるイキモノなのだ。