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美術館・博物館めぐり~その1    奥田元宋小由女美術館熊田千佳慕の世界展―愛するからこそ美しい

博物館や美術館を見かけると、一期一会と思って、
極力入るようにしています。
今年からは、みたものをカウントしていきたいと思います。

今年第一号は広島県三次市の
奥田元宋小由女美術館
「熊田千佳慕の世界展―愛するからこそ美しい」
第二号は
奥田元宋小由女美術館
「常設展」です。

2025年1月訪問

この美術館はリニューアルが終わったばかりで、
とてもきれいな美術館です。

筆者撮影



熊田さんの名前は、初めて知りました。「日本のプチ・ファーブル」と呼ばれて、自然の姿の観察を通して描く昆虫や植物のリアルな細密画で知られる熊田千佳慕(くまだ ちかぼ)さん。だそうです。写真では完全に伝わらないかもしれませんが、びっくりするくらい精密な絵でした。

筆者撮影


筆者撮影

 美術館のホームページによると、驚異的な細密描写のため、ひとつの作品を仕上げるのに大変な時間を要して生活は大変だったそうですが、70歳で著書の「ファーブル昆虫記」の作品がボローニャ国際絵本原画展に入選し、一躍脚光を浴びた、ということで頭の下がる努力です。その後も、98歳で亡くなるまで制作を続けられたそうです。

長年にわたって自然と向き合い続けた熊田は「自然は美しいから美しいのではなく、愛するから美しいのだ」という境地に達したということで、本展のタイトルになっています。

筆者撮影

写真のコメントをみても、熊田さん、そしてご夫妻はすばらしい人たちだとわかります。
「千佳慕の60年以上続いた埴生の宿での制作人生におい て、そのあまりの細密描写に1点仕上げるごとに膨大な 時間を要することなりました。そのため生活は楽ではあり ませんでした。しかし、埴生の宿は多くの虫や花に囲まれ、 千佳慕の絵画世界とを繋ぐ美しさに満ちていました。その 環境を長年にわたり保ってきたのが妻のすぎ子です。す ぎ子は小さな庭のたくさんの鉢植えや緑の世話を一手に 担っていました。千佳慕にとって大切な空間であることを 深く理解し支え続けたからこそ、千佳慕は信念を曲げずに 創作に没頭することができたのです。」

筆者撮影
筆者撮影

他にも不思議の国のアリスの絵本のイラストを描いたり、すごく活躍しておられました。1月13日で三次での展示は終わってしまうようですが、大変貴重な展示をみせていただいたと思います。

続いて、第2号として、常設展をみました。日本で初めてご夫婦ともに文化勲章を受章された奥田元宋氏、奥田小由女氏の展示です。奥田元宋氏は三次市吉舎町の出身、奥田小由女氏は三次市吉舎町に移りすまれたということで、三次市と大変縁の深いお二人です。

ここの元宋展示室3は、代表的な大作である《紅嶺》と《白嶂》が展示されています。その迫力はすごいものがあります。

この落ち着いた雰囲気、来てよかったと思いました。

2025年訪問した美術館・博物館リスト
1.奥田元宋・小由女美術館
  「熊田千佳慕の世界展―愛するからこそ美しい」
2.奥田元宋・小由女美術館 
  「常設展」



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