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認知症の母から学ぶ、トラウマリリース

母が認知症になって
あふれ出す母の感情のパターンがある。

認知症になってから出たと言うより、
認知症になる前は、必死に抵抗して隠してきた
認めたくない感情だったんだろうと思う。

母の実姉は、地元でも有名な才女だったそうだ。
勉強もできる、コミュニケーション能力も高く、
美人で運動神経もそこそこ良かったよう。
地域の書道の大会のようなところで、
賞を頂いて、地元の新聞に載ったりすることも
よくあったそう。

いつも比べられてきたんだと思う。
いつも人の目が「お前は劣っている」「お前は不細工だ」と言っているように感じたんだろうと思う。

実は私の母はどちらかと言うと美人タイプ。
子供ながらに、
「うちのお母さんは綺麗らしい。」
と授業参観の時などに、クラスメートたちに言われて
気がついた。

気が利かない、鈍感なところはあるものの、
いわゆる「おバカ」キャラと思ったことはないし、
絵もそこそこ上手。

だけど、他の人がどう思っているのかは関係なく、
本人がずっと思い込んでいる。
80を迎えたこの歳になっても。

「私は姉ほど利口ではない」
「私は姉ほど美しくない」
って。

だから、例えば何かの使い方を母に説明した時に
「だから、そうじゃなくって、こうだよ」とか
言うとすると、自分が理解力がない馬鹿だと扱われたと
取り違って、「私は馬鹿じゃありません」と感情的に
言い返すようになった。

きっと子供の頃に、
何度も飲み込んできた言葉なんだと思う。

母よ、あなたは立派にやってきたと思うよ。
ほとんど家にいなかった父だったのに、
まるでシングルマザー並みのオペレーションだったのに、
独りで3人の子供を立派に(笑。私も含。)育て上げたじゃないか。

私は見てたよ、勉強の出来は知らないが、
賢母であったあなたのことを。

そろそろ許してあげよう、
その感情を天に還す時がきた。



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