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昨日まで選ばれなかった僕らでも、明日を待ってる

今日はnoteを書かないつもりだったが、やっぱり編集画面を開いてしまった。



この土日、僕は山梨にいた。

SNS・ブログの運用講座を受講していた。

夜は地元の友人(と言っても僕より10も若い)と飲みにいった。



帰り道。

山梨の田舎道は街灯も少なく暗かった。

空を見上げれば、横浜では見られないほどの満点の星空。

月もいつもより大きい。


時計を見ると、日をまたいでいた。

11月17日を迎えた。


僕は一言

「おめでとう」

とつぶやいた。



11月17日は2月に亡くなった親友の誕生日だった。



数日前まで覚えていなかった。

どうかな。そんなこともないか。

皮肉なもので、彼がこちら側にいた頃は一度も祝ったことなどなかった。



彼は31歳を迎えずに、僕の世界からいなくなった。

そのくせ今でもたまに夢に出てきて、相変わらずでかい態度でゲラゲラ笑ってる。



彼とはよく一緒にライブバーにセッションに行った。

その日集まったメンバーで曲を決めてその場で演奏する。

だから僕らは一緒に演奏しない日もたくさんあった。

でも僕らは演奏が重なると何も言わずによく遊んでいたコード進行を鳴らして勝手に演奏を始めていた。

周りの人は困った顔で演奏についてくる。

でも僕らはやめない。

そんなことをして遊んでいた。



多分、音楽で気持ちが繋がる体験をした最初の相手だったんだと思う。



山梨から横浜まで電車で2時間半ほど。

すこし疲れて帰ってきて、諸々を済ませて、普段滅多につけないテレビをつけると椎名林檎の特集をやっていた。

彼と僕の一番の共通言語だった椎名林檎。

あの曲のどこがいい。

この曲はアルバムでこんな位置づけだ。

今度はあの曲をやろう。

そんなことをよく話していた。



僕が彼と仲良くなるきっかけになったのは大学受験の時だった。

簡単に言えば僕は受験に失敗した。

千葉まで自宅から2時間かかるキャンパス。

そこに通いながら僕は第一志望の学部に編入するために仮面浪人のようなことを一人でしていた。

もちろんプライドの高い僕は周囲にも言わずに一人で勉強していた。

9月に1つ目の編入試験があった。

結果は不合格。

不安でどうかなりそうだった。

次の試験は11月。

僕は勉強をしながら焦りで震えていた。


部屋を暗くしてぼーっと暗闇を見ていた。


経緯は覚えてないが、そんな真っ暗な部屋で彼に電話をした。

そして僕が今、仮面浪人している話をした。


たまたまなのか、次受ける学部は彼の所属する学部だった。

いつも賑やかな彼が珍しく、静かに僕の話を聞いて励ましてくれた。

そんなタイプじゃないと思っていたので驚いたし、始めて家族以外に弱音を吐いた。


合格した時も彼に一番に電話した。


「よかったな。4月からはこっちの住人だな。」


この言葉をよく覚えている。

12月の冬になりかけの寒い日の夕方にそんな電話をした。



彼と僕の共通言語はいつまでも音楽だった。

the pillowsというバンドが彼は一番好きだった。



一緒に仕事をしていた頃はよく夢物語を話していた。

仕事を大きくする話。

お金が入ったらどうしよう。

でも結局僕らは世の中に馴染めないストレンジカメレオンだよな。

そんな青臭い17歳の頃と同じ会話を30になってもしているという事実を二人で笑っていた。



僕の病気のことも彼はよく心配していた。

「またそうなってもよくないからな。」

そんなことを彼はよく言っていた。



それが逆になるとはね。

2月の僕はそんなことを思っていた。



今の僕を見て彼はなんていうだろう。

彼と仕事をしていた頃からちょうど一年。

本当に人生でも大きな節目になった。

絶対に褒めたりはしないだろうけど、昔よりは自分を好きになれてることだけは報告したいな。



あっちでいろんなミュージシャンと演奏でもしてるのかね。

大好きだったカートコバーンもいるしね。



終ろう。



相変わらず僕はストレンジカメレオンです。

でもね久しぶりにこの曲を聞いたらこの歌詞がとても心に残ったよ。



「昨日まで選ばれなかった僕らでも、明日を待ってる」


だから僕はもう少しだけ頑張ってみる。

いつもありがとう。


誕生日おめでとう。

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