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端山茂山奇譚(拾壱)
端山茂山奇譚(拾壱)
ちびちゃんたち、面白い話を聞かせてあげましょう。
わたしが おばあさんから聞いた話よ。
おばあさんは、遠い北から渡ってきた鳥から聞いたそう。
その鳥が言うには、北の空には、空全体を透明な幕がはためく夜があるそうよ。
それはそれはきれいな翠色の光の幕だそう。
何の音もなく、しんとして、ゆらりゆらりと形を変えてはためくんだって。
そして時々、激しく動いて、そういう時は、紅色や黄色に光ることもあって、
それはそれは、神秘的なんだそうよ。
おばあちゃん、ぼくは、北の方の空に真っ赤な大きな鳥の尾が見える話をきいたよ。
やっぱり北から来た鳥から聞いたんだ。
まあ、それはどんな話なの?
晴れた夜、北の方の空が紅く光るんだって。
それがまるで、水平線の向こうで、紅い大きな鳥がいて、尾羽根を広げているんだって、
すごいな。遠い北には、大きな紅い尾羽根の鳥が住んでいるのか。
翠の光の幕は、何なんだろうな?
さあさあ、ちびちゃんたち。そろそろ眠る時間ですよ。
よくおやすみ。