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carewillのオーダーメイドで要介護5の母が一輪の花になった話(介護四姉妹寄稿記事)

オーダーメイドで服を依頼された介護四姉妹さんが、2021年7月、寄稿という形で感想等を寄せてくださいました。

四姉妹と介護のブログ

先日のパートナーセッションの時点では製作を依頼したきっかけ等をお話しています。まだご覧になっていない方は、ぜひこちらもご覧ください。

こんにちは。介護四姉妹を代表して、三女もよから寄稿させていただきます。

5月には、母のためにオーダーメイド服を作っていただき有難うございました。

今回は、オーダーメイド服を作った一つの事例として、着用時のストーリーやオーダーの過程についてお伝えしたいと思います。オーダーメイドのケア衣料を検討される方のご参考になれば嬉しいです。

◆父の葬儀の日に母は「一輪の花」になりました


私のツイートを見てください。

carewillのオーダーメイド服を着た母は、本当にきれいでした!

なんと、パートナーセッションの後、5月下旬に、進行性核上性麻痺で在宅介護していた父が他界しまして、、、ちょうど笈沼さんから出来上がったとの連絡をいただいたのが「葬儀の前日」でした。

母は施設にいるため普段は外出できません。でも、ちょうど父の葬儀に参列するための外出許可が出ていたんです。たまたまとはいえ、運命的なタイミング!

笈沼さんは、「検品が終わったので宅配便で送りますね」とご連絡くださったのですが、「発送は待ってください!母に着てもらえるか分かりませんが、手渡しで受け取れますか?」と無理を承知でご相談。

有難いことに、日曜日にもかかわらず快諾いただき、無事に東京駅で待ち合わせして、服を頂戴することができました。

服のパッケージにはお母様からのメッセージカードが。

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お母様はうちの父が亡くなったことを知って、敢えて短いメッセージを書かれたそうです。多くを語る必要はない、服が役割を果たしてくれれば・・・と服に思いを託してくださったのだと感じました。寄り添っていただけていることに、涙がぽろりと出てきました。

◆服の仕上がり具合は?


どうですか?ステキでしょう。
姉妹で服を広げてみた時は、一目見てすぐ「わぁ、お母さんの服だね!」と歓声を上げました。

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後ろ姿はこんな感じです。ハリのある素材ですが触り心地は柔らかいですよ。

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タグには「Tomoko Elegance」の文字が。
智子さんとは、製作者である笈沼さんのお母様の名前です。

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素材も、メッセージカードの裏に記載くださっていました。

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生地はイタリア製!?
地直し(布目をきれいに整えて、ゆがみを戻す作業)もされていて、シルエットが綺麗に出るように、また、縮みや型くずれが起こりにくくなっているようです。認知症で要介護5の母が、こんなにもエレガントな服を再び着られる日が来るとは思ってもみませんでした。

◆母に着てもらったときのこと


実はお葬式の時は、母にはレンタルの介護用の「喪服」を着ていました。(母なら式典の時は喪服を着たいと言うと想像し、喪服にしました)

その後、葬儀の待合の時間で、母にピンクのオーダーメイド服に着替え。四姉妹で母を取り囲んで、車いすに座ったまま、ささーっと着せることができました。母の腕はほとんど上がりませんが、そで下と脇、前の合わせの部分が全てスナップになっているので、「着る」「着せる」「着ている」が全てノーストレス。この写真のように、展開図のようになっています。

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8人の孫たちも含め、皆が「きれいだね~」と口ぐちに言っていました。
まるで一輪の花のよう。母らしい母が戻ってきた感じでした。父も喜んで見守っていたと思います。きれいな母を囲んで、親族で集合写真を撮りました。葬儀の場ではありましたが、とても温かな記念となる時間になりました。

◆オーダーの過程は?


今回のオーダーは、こんな流れで進みました。
※ケースバイケースだと思いますのでご参考まで

1.メール(ツイッターDM)で簡単なイメージを伝える

2.製作者であるお母様にオーダーを通していただく(喜んで!)のお返事♪

3.文章と写真のやりとりをするためメールアドレスを連絡

4.Web上のフォーマットに希望を入力
(着るシーン、頻度、希望の服の形、素材、袖丈、好きな色、デザインなど。現時点で分からないことは簡単でOK。採寸は母の介護に携わっている施設の人に依頼しましたが、既製服で現在ぴったりのものの寸法でも可)

5.希望の服に似た服の写真を送付

6.Webミーティングで笈沼さん、お母様と口頭での確認会

7.笈沼さんとお母様が日暮里の繊維街に生地を選びに行ってくださる

8.製作開始
丁寧に時間をかけて対応いただき、感謝しかありません。採算が取れていないのではと思うほど・・・(;'∀')

◆結局どんなオーダーに落ち着いたのか?


最初はこちら側で明確なイメージができていなくても、メールやWebミーティングで会話をしながら、徐々に納得いく形でスタイルが決まっていきました。結局どんなオーダーに落ち着いたのか、簡単に書かせていただきます。

<具体的なオーダー内容>
・母が施設から帰宅した時に着てもらうための「お出かけ着」
・近所の人に会っても恥ずかしくない「きちんと感」
・記念写真が撮れるレベルの「エレガント」
・イメージは母が好きだったサーモンピンクのブラウス
・母の身体の状況でもムリなく着脱できるもの
・季節感はオールシーズン
・生地はハリ感があるしっかりしたもの
・首周りはゆったりめ、でも襟はしっかり
・丈は短めでウエスト位(車いすでもお尻に敷きこまない)
・柄は無地かシンプルなもの(柄がはっきりしていないもの)


かなりわがままなオーダーでしたが、イメージ通りの服に仕上げていただき大満足です!
作っていただいて本当によかったと思います。

◆さいごに


父の旅立ちの日に一輪の花のようにきれいになった母。
母自身は状況を認知できていなかったと思いますが、その場にただよう父の見守りは確かに感じられ、家族全員で「最高の時間」を過ごすことができました。これからも帰宅のチャンスを狙って何度も着てもらいたいです。

これから検討される方には、まず気軽にご相談されてみてはいかがかと思います。

改めまして、心から御礼申し上げます。


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