人間　最終章:　「中治り現象」　＜ー　知っておいた方が良い現象

今回は「中治り現象」について見て行きましょう。

とりあえず、知っておいた方が良さそうな内容です。

「中治（なかなお）り現象」:  　死を間近にした人の容態が一時的に回復する現象です。意識がもうろうとしていた人が、突然目を覚まして元気になったように見える、食欲が回復したように見える、歩けるようになったように見えるなどの症状が見られます。

中治り現象は、欧米では「last rally（ラスト ラリー）」と呼ばれています。日本語に訳すと「最後の回復」とでもいえるでしょうか。

中治り現象の原因は、まだ完全には解明されていませんが、以下の3つの説が有力です。

• 脳内麻薬の分泌

人が死に近づくと、脳からドーパミンやセロトニン、オキシトシンなどの脳内麻薬が分泌されます。これらの物質は、幸福感や意欲を高める働きがあり、一時的な回復を促すのではないかと考えられています。

• 体内のエネルギーの蓄積

人が死に近づくと、体内のエネルギーが蓄積されることがあります。このエネルギーによって、一時的に回復したように見えるのではないかと考えられています。

• 死への準備

人が死を迎える前に、心身を整える準備をすることがあると考えられています。その一環として、一時的に回復する現象が起きるのではないかと考えられています。

中治り現象は、必ずしも回復の兆しではありません。しかし、家族や医療従事者にとっては、患者さんと過ごす最後の時間を大切にするきっかけとなる重要な現象と言えるでしょう。

なお、中治り現象は、人間だけでなく、動物にも見られる現象です。猫や犬など、死期が近づいたペットが、突然元気になったように見えることがあります。