【Interview / Vol.1】鎌田薫さん 〜駐妻キャリア支援 CAREER MARK 共同代表~
皆さん、こんにちは。今回は、ロンドン駐在帯同の経験者であり、CAREER MARK 共同代表の鎌田薫さんへのインタビューをお届けします。
インタビュアーは、「CAREER MARKリポート部」でボランティア部長として活動する、戸田岸 舞が務めました。今回のインタビューを通して、鎌田さんの経験を聞きつつも、自分自身の経験との共通点を探れる新鮮な時間となりました。皆さんにも、今後へのヒント探しの1つとして、楽しんで頂ければ嬉しいです。
鎌田さんは、CAREER MARK始動以前も、様々なコミュニティやポジションをご経験です。各エピソードにご興味ある方は、最後の各インタビュー記事も合わせてお読みいただくのがオススメです。
●「CAREER MARK」という今の仕事を育んだものは
「CAREER MARK キャリアマーク」は、ママ支援コミュニティHimemamaの海外拠点運営サポートを行なっている株式会社エフケイ・ジャパンとWebメディアLAXICを運営している株式会社ノヴィータが共同で2019年5月に発足させた「駐妻キャリア支援プロジェクト」から事業化され、2020年4月に新たなスタートを切ったばかりです。そこには「駐在帯同はキャリアのブランク期間ではなく、キャリアのブランディング期間」そして「世界の駐在妻がチカラを発揮できる社会」にしていきたい、という想いがあります。
そのCAREER MARKの共同代表である鎌田さんの駐在帯同生活は、2016年からのご家族のロンドン赴任による初めての海外生活、第一子の育休復帰目前での離職後の渡英、という予想もしなかった形からスタートされました。
日本での充実感もあった仕事を退職して、海外で子育てに集中するという生活では、鎌田さん自身のそれまで経験と全く異なり、大きな虚無感から自分の価値が見えない生活も経験されたとのこと。
そんな中でも「自分のやりたいことを周囲に伝える」という姿勢や交流を続けたことで、在英日本人のコミュニティであるHimemama Londonを立ち上げる経験に繋がり、帰国後もHimemamama(ひめまま)の世界戦略チーフを務めておられます。Himemama Londonでは、それぞれがもつ経験やチカラを発揮することでやりたいことが次々と実現できる、ドリームチームが出来ていたとのこと。海外で生活を送ることによる、色々なチカラを持つ方たちと出会うことから、駐妻がもっている可能性に気づいたそうです。
↑Himemama LondonでMANABICIA代表池原真佐子さんを日本からお招きして開催した『未来を切り拓く女性のためのキャリアセミナー』
一方で、鎌田さん自身のやりたいことを考える過程では、帯同期間中のコーチング資格取得やキャリアセミナー企画などを通じて、今までの経験が成功・失敗を問わず糧となる、メンタリングの魅力を感じたとのこと。そういった自己理解を目指した行動の延長線上で「キャリアメンター」という職種へ辿り着き、ロンドン滞在中にメンタリングを学び実際に本帰国後すぐに仕事として活かすことができたという経験も自分にとっては大きかったとのお話でした。
駐在期間を通しての経験の中で、「揺れ動く心境にも何度も向き合いつつ、それを自分の中に留めず、アウトプットする機会を持ち続けること」にも鎌田さんは努力されたのではないでしょうか。駐在帯同開始前からの日本での繋がりが、現地での新たな出会いを得るキッカケとなり、コミュニティ運営を通じて駐妻の様々な可能性を肌で感じた経験そのものが、鎌田さん自身の大きなチカラとなっていったように感じます。
●一生の仕事として考えられるものは
ロンドンでの駐妻生活から大きな経験を得られたことで、2018年の日本への本帰国や再就職も順調に進まれたのかと想像していたものの、そこに帰国後に大きく思い悩む時期があったという鎌田さん。その理由を詳しく聞いていくと「一生の仕事として、何がやりたいのだろう」という想いを抱えていた、との言葉がありました。では、その想いに至った具体的な出来事は何だったのでしょうか?
一生の仕事と考えた時にも、駐妻としての期間での経験に大きなキッカケがありました。鎌田さんより先にロンドンで駐妻として生活中だった、今はCAREER MARKでキャリアコンサルタントとして活動する林眞帆さん。
林さんもキャリアコンサルタントの資格を活かして、Himemama Londonのコミュニティで在英日本人のキャリアカウンセリングを実施していました。そのカウンセリングを通じて、自分の強みを自覚した上で本帰国した人が、再就職活動から魅力的な将来を築いていく姿を、近くで共に見守っていた鎌田さん。
これらの経験から、カウンセリングやメンタリングを活用できる人が増えたら、その人たちがより良い人生を送れるキッカケになる、それを継続的にサポートしていける仕事を、一生の仕事として考えていったそうです。
●思い悩んだ経験から気付き、生まれたプロジェクト
「自分のキャリアを見直して、駐在帯同中の喪失感を回復したい」
「駐妻になってキャリアがリセットされてしまい、中々社会復帰が難しいと感じている」
「駐妻という言葉の世間的なイメージが先行しており、悩んでいる事自体を相談できない」
「帰国後は仕事復帰したいという漠然とした思いはあるけれど、何から手をつけたら良いのか分からない」
「考えの整理や同じ境遇の方とお話しする機会が欲しい」
このようなことを思ったことは無いでしょうか?
鎌田さん自身も、本帰国後に具体的な再就職に向けた行動を考えた時に、思い悩んだ経験をお持ちでした。そして「自分自身で決断しなくてはならない時は必ずある。その時こそ、サポートが重要」ということを強く実感されたとのこと。この想いから2019年5月に「駐妻キャリア支援プロジェクト」がスタート。
「セミナーやワークショップを継続開講することで駐妻の方たちの力になり続けたい」
「駐妻の皆さんが世界中どこにいても、各々のチカラを発揮できる社会にしたい」
という想いと共にプロジェクトをメンバーと共に育て、事業化を目指されたそうです。
↑イギリス、オランダへの駐在帯同から本帰国したメンバーと、女性の復職をテーマに活躍するキャリアコンサルタント、女性の多様な働き方を推進するIT企業代表、Himemama London時代から一緒にキャリア支援活動をしていたメンバー。5名が運営スタッフとして活動中。
そして2020年4月にCAREER MARKとして本格的に始動するにあたり、
渡航前~帯同中~本帰国後 どのステージにおいても、
キャリアに悩んだらいつでも立ち寄ってもらいたい。
駐妻の皆さんにとっての「目印=mark」となる場所でありたい。
との思いを込めて「CAREER MARK キャリアマーク」と名づけられています。
そのCAREER MARKで提供されている様々なプログラム内容は、
・帰国後セミナー(本帰国後の方を対象)
・帯同中オンラインセミナー(駐在帯同中の方を対象)
・企業と駐妻のマッチング(現在は本帰国後の方を対象。将来的に、駐在帯同中の方へ拡充予定)
・キャリアカウンセリング、キャリアメンタリング(プレ駐在期・帯同中・本帰国後全ての方を対象)
・コミュニティ活動(プレ駐妻期・帯同中・本帰国後の全ての方を対象とした部活動)
↑コロナをきっかけに対面で行っていた帰国後セミナーを全面オンラインに切り替え。どこからでも参加いただけるようになりました。
全ての方を対象としているコミュニティ活動では、参加者のやりたい!を叶える場所作りをサポートされています。今この記事を書いている私自身も「リポート部」という部活コミュニティを運営するという「やりたい」を叶えている最中です。皆さんにも、駐妻であることを隠さず「〇〇の経験を活かしてみたい」「シェアしてみたい」「挑戦してみたい」と思うことはないでしょうか?
●今後どのように社会を変えていけるのか
やりたいことを考え、実行に移していく時に「誰と関わりを持ちながら」という点は、キャリア視点で考える時に、継続性にも関わる大きな意味を持ちます。
いま皆さんの周りで、「企業」との関わりはどのくらいあるでしょうか。日々の生活で、企業の提供する商品やサービスを使うという関わり方や、ある企業で勤務形態を問わず働いているなど、様々な在り方があると思います。
駐妻のキャリアを支援していく立場だからこそ、今後CAREER MARKでは、やりたいことを叶えようとする時に「駐妻×企業」という形での実現も目指していきたいと、鎌田さんは考えているそうです。
このインタビューをしている時に、企業から興味関心を持ってもらうには?と考えながら、私たち駐妻を「すぐ役立つ即戦力」とだけ注目頂くことに違和感を感じて、熱く盛り上がったシーンがありました。
バックグラウンドも様々な駐妻経験者のチカラは、言語や国際感覚といった既に認知されつつあるチカラ以外にもあるのでは…ということに気付きや期待を持ち始めた企業はいま増えており、多様な人材を活用している外資系の企業を筆頭に、上場企業からベンチャー企業まで、紹介の引き合いが来ているそうです。だからこそ、駐妻自身の成長サポートはもちろん、企業側の意識を変え、実行をサポートするアプローチもしていきたいという鎌田さんのお話がありました。
企業へのアプローチとして具体的には、「本帰国後の駐妻経験者を、企業内のどのようなポジションで活かせるのか」を提案する複数企業への合同説明会や、その理解・納得につながるような「新たなコミュニティ活動」のサポートなど、構想はまだまだ拡がっている最中のようです。
このような具体的なお話から、駐妻と企業のWin×Winが増えることで「世界の駐在妻がチカラを発揮できる社会」になっていくのかもしれない、と強く感じました。
そして今後も、CAREER MARKから様々なWin×Winのエピソードが発信され、その主役が今この記事を読んでくださっている皆さんなら、何より嬉しいと感じます。ぜひこの「目印=mark」を目指して、皆さんの一歩を踏み出してみてくださいね。
【CAREER MARK HP】
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https://careermark.net/
【CAREER MARK 公式Facebookページ】
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https://www.facebook.com/careersupportproject
今回の記事以外の鎌田薫さんの過去インタビューも下記からご覧いただけます。
▼【LAXICと編集長時代の鎌田さんを知りたい方にオススメ】
●LAXIC 編集長インタビュー記事
想定外の離職でアイデンティティの危機に陥った“元バリキャリ” 新編集長が語る、これからのLAXICとママの働き方
https://laxic.me/interview/2019/07/vol131
●LAXIC 新・旧編集長対談<前編>
Afterコロナ、私たちの働き方はどう変わる? ワーママのいままでとこれからhttps://laxic.me/interview/2020/06/vol164
●LAXIC 新・旧編集長対談<後編>
働き方を自分で創る時代へ。
LAXICは「ワーママ」を再定義し、働く好奇心を刺激するメディアへ進化します!
https://laxic.me/interview/2020/06/vol165
▼【Himemama Londonについて知りたい方にオススメ】
Fledge インタビュー記事
●母である前にひとりの女性。悩んでいたからこそ出来たママコミュニティHimemama London
https://fledge.jp/article/kaorukamata