駐在妻インターン生ってどんな人?【第4期vol.3 桑平 彩子さん(ドイツ在住)】
2021年11月より新たに参加した第4期インターン生5名。
イギリス、ドイツ、カンボジア、中国、タイから集まった駐在妻。
神田彩さん、加藤朋子さんに続き、
第3弾では、ドイツ ミュンヘン在住の桑平彩子さんをご紹介します。
※CAREER MARKについてはこちらをご覧ください。
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【桑平彩子さん/プロフィール】
・大学卒業後、SEやシステムコンサルタントとして基幹業務のシステム提案や導入、海外展開にも携わる。
・結婚と同時にご主人の転勤によりアメリカへ。趣味の習い事やアルバイトも経験した後、業務コンサルタントとして日系企業の現地法人で就労。
・帰任の1年後、イギリスへ。双子のお子さんを出産後、子育て中心の生活を送りながら、翻訳や現地企業の日本語サポートに携わる。
・その後、帯同3か国目となるドイツへ。引き続き子育てに忙しい日々を送りながら、日本企業でのサポート業務を経験する。
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私たちインターン生の中では最も長く、10年以上の年月を海外で過ごされている桑平彩子さん(以下「彩子さん」)、その間にどんな経験をされたのか、どんな変化があったのか、ぜひお聞きしたいと思い楽しみにしていました。
1. 駐在帯同・子育てを通して意識した「働く」ことへの想い
大学を卒業後に勤めた会社では、システムコンサルタントとしてサービスの海外展開にも関わっていた彩子さん。ご結婚とほぼ同じタイミングでアメリカでの生活をスタートすることになりました。(以下「」彩子さん)
「当時、結婚しようとしている人が、たまたまアメリカで働くことになったんです。アメリカなら何かすることがあるだろう、と思っていたし、学生時代から海外に住んでみたい、おもしろそう、と思っていました。でも、渡米して1ヶ月ぐらい経った頃、夫が家に帰ってきて、今日何してた?と聞かれたことがあって。その日は本当に何もしていなくて、家の前を流れる川や空を見て、ただ船や飛行機や鳥が自分の前を通り過ぎていくのを見ていた、と答えたんです。さすがに夫もこれはまずい、と思ったみたいです。」
少なからず日本での生活とのギャップを感じた時期もあったのですね。アメリカでは習い事やアルバイトをしたり、日系企業の現地法人で働いたりもしていました。帯同期間中に働くということは最初から決めていたのでしょうか。
「どこにいても働く、という価値観が前提としてありました。振り返ると、自分が育ってきた過程ではこれからは女性も働く時代だ、という情報が溢れていて、ずっと働くものだと思って大学に入り、社会に出てからも働き続けることを前提として仕事をしたり人脈を作ったりしていたように思います。そういった価値観がもともとあったので、アメリカで働くことも、あまり特別なことだとは感じていませんでした。」
▼当時のニューヨークの様子。常に勢いがあり動き続ける街、どんな景色になっているか再訪を楽しみにしているそうです。
日本へ帰国した1年後、今度はご主人がイギリスへ赴任することになりました。イギリスでも働くことを考えて仕事を探していたところ、お子さんを授かり、子育て中心の生活に突入。彩子さんの気持ちにも大きな変化が。
「すごく焦っていたんです。これまで自分はずっと働くものだと思っていたし、社会の中で自分がどう貢献できるか、ということをいつも考えていたのに、それができなかった。目指しているものが遠ざかっていくような、何も貢献できていない、役に立っていないという感覚がありました。とにかく子育て以外に息抜きできる場所が必要だったこともあって、常に何かを探していたと思います。近所のママが勤めている会社で、日本語のサポートをしてくれる人を探していると聞いて手伝ったり、翻訳の仕事を頂いたりして、知り合いを介して少しずつできることを見つけました。幸い、イギリスでの子育てそのものについては、地域のボランティアや近所の人たちにも助けられて乗り越えられたと思っています。」
▼2人のお子さんのお誕生日会をよく遊んでいたお庭で。ケーキは近所のお友達が焼いてくれたそうです。
2. 新しいことを求める気持ちとインターンへの参加
イギリスでは6年間を過ごし、その後はドイツへ。3か国目となる駐在帯同で、再び気持ちの変化が訪れます。
「ドイツへ来てしばらくしてからは、リモートで日本企業のサポート業務をしていました。資料の誤字脱字チェックやアンケート集計から競合調査、論文検索やインタビューに至るまで、いろんなことを経験させてもらいました。ただ、会社が大きくなってきて、どう貢献できるか考えていた時に、何か新しいことに挑戦して成長したいとも思い始めていました。」
そんなときにCAREER MARKがインターンを募集していることを知ったそう。なんとなく、新しいことをしたくてモヤモヤする気持ちに風穴をあけられるのではと思ったそうです。
「自分の持ちネタでやっていくことに限界を感じて、成長の機会が欲しいと思っていました。イギリスにいた時は帯同期間を穴と捉えて、それを埋めるために手当たり次第やってきた感覚でした。これからはそうではなくて、これから先の人生を考える上での「今」にしたい、と思いました。今までやっていなかったものを得たい、と思ったんですね。」
実際にインターンに参加してみてどう感じたのでしょうか。
「いろんな人がいて、いろんなことをしていて、とても刺激を受けています。まず、フィードバックをもらえることが新鮮で。自分がしていることが役に立っているかもしれない、と感じることができます。広報の活動は、自分が携わったものが世に出るので、成果も見えるし、達成感が得られますよね。みんなで認め合う空気感もあります。もともと、何か具体的にやりたいことがあったというよりも、インターン活動を通して、自分の強みを見つけられたら、という期待がありました。活動が終わった後は、自己肯定感が上がっているような気がしています。」
▼2019年のドイツ、オクトーバーフェストのビアガーデンの様子。その後2年連続で開催されておらず、皆待ち遠しく思っているそうです。
3. これからの人生をどう進んでいくか
これまでの駐在帯同中も、家族が増えたり、住む場所が変わったり、すでに様々な変化を経験してきました。これからのことはどのように考えていますか。
「じつは、最初アメリカに行った時は、駐在は1回だけ、3年間だけでその後はずっと日本で生活するものだと思っていたんです。それが次はイギリスに行くことになり、3年だと思っていたら、5年になり、結局6年になり。今も、いつ帰るかはっきりしているとは言えません。そこで考える自分のキャリアなり生活なりは、最初に帯同した時に想定していたものと全然違うもので、これからも変わると思っています。
なので、「駐在帯同が終わったら」「次はどうしようか」ということはあまり考えないようにしている気がします。イギリスにいた時は、穴を埋めようとして、そのときにしかできないことをやってきたつもりだったけど、振り返ると、ちょっとその場しのぎだったような気もしていて。これからは、長い人生のうちのたまたまいる今ここ、として今を捉えないと、自分が成長しないのではないかと思っています。まだ何をしたらいいかはわからないけれど、そこを目指すための今、という生き方をしたいとは思っています。今後の人生をどう進んでいくかを考えて、模索している途中です。」
あとがき
一口に「駐在帯同」と言っても、想定される期間や回数など、状況はそれぞれです。彩子さんの場合は、いつ日本に帰国するかはっきりしていない、というご自身とご家族の今の状況を受け止めた上で、「長い人生の中の今」として「帯同中の今」を捉えようとしている姿勢がとても印象的でした。あらためて、駐在帯同生活が、人生そのものについて考えさせられる期間であるということを感じました。
また、私はいつも彩子さんの、自然と効率よく活動を進めることを考えているところ、視野広く情報収集できるところが強みだなと感じていました。今回のインタビューを通して、もともとのシステムコンサルタントとしての経験はもちろん、双子のお子さんを育ててきた経験や、何度も新しい土地で生活基盤を整えて来た経験から培われたものなんだろうな、と納得しました。その間、キャリアへの意識を持ち続け、そのときにできる範囲で行動を起こすということは、誰にでもできることではないと思います。
「働く」ということへの想いを大切にしながら、これからの人生をどう生きようか、と模索を続ける彩子さん。その姿勢から、私も学ばせてもらうことの多い時間でした。彩子さん、どうもありがとうございました。
インタビュアー:
CAREER MARK 第4期 インターン
栗橋 由佳(イギリス エディンバラ在住)
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