駐在妻インターン生ってどんな人?【第6期vol.3 山下さん(タイ在住)】
2022年10月より第6期インターンが活動中です。第5期から継続の2名を含め8名、アジア、アフリカ、中東、アメリカと世界中から集まった駐在妻。
第3弾は2022年よりタイ・バンコクに駐在帯同中の山下さんのご紹介です。
インターン生同士のインタビューは、自身では“普通”だと思っていた経歴や強みを掘り起こし、頑張ってきた軌跡を棚卸しする機会になっています。インターン生のことを知っていただきながら、皆さんも「自分がインタビューを受けたら」と是非想像しながらお楽しみください。
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はじめに
1歳の小さなお子さんを育てながらインターンに応募した山下さん。
その原動力や前職で培った分析力と遂行力を活かし、現在インターンで活動されています。
子育てをしながら今しかできないことと今後のキャリアについて前向きに取り組む姿勢に迫ります。
誰にでも訪れるもやもやと真摯に向き合ったことで得られた心の変化に注目です。
学生時代からの目標を叶えて「人々の生活を支える仕事」に
ーー渡航前の日本でのお仕事について教えてください。
元々大学で学んでいた建設分野の知識を活かし、日本では建設系のコンサルティング会社で働いていました。
あまりなじみのない分野かもしれませんが、社会インフラを整備する建設事業は、企画から始まり、計画、調査、設計、施工、管理という順で進められています。
私たちは、主に国や地方自治体が行う社会インフラ整備の企画から設計部分の技術的な支援をしていました。
ーー学生時代から希望していた職種に就かれていたのですね。
はい。
大学院時代から専攻していた分野の仕事に就き、やりがいを持って働いていました。
人々の生活を支えている仕事は大変でしたが楽しかったです。
ーー自身のやりたいことを学生のうちに見つけ、若いうちから一つの夢を叶えられたのですね。
キャリアを中断して帯同することに抵抗はなかったですか?
仕事自体は元々やりたかった仕事でもあり、20代のうちは限界まで働いてみようとがむしゃらになって働きました。
ただ月の残業時間が100時間になることもあり、とても忙しかったです。
忙しすぎるがゆえに「そろそろ限界かも」「少し休みたいな」と今後も仕事を続けられるか不安を抱いていた時期でもありました。
夫が海外赴任の希望を出していたことから心構えもあり、赴任が決まった瞬間は「休める!」というポジティブな気持ちでした。
ーー休職を選んだ理由は職場からの提案があったから、と伺いました。
夫の海外赴任を会社に相談したところ、すぐに退職という選択肢ではなく「私の考えを尊重する」というポジティブな反応をいただけ、結果として休職を認めてもらいました。柔軟な対応にとても感謝しています。
そしてこのタイミングで子どもを授かり、育休から休職に切り替えたという経緯です。
やはり訪れたもやもや期、一つではない乗り越え方
ーー帯同してから今まで、ポジティブな気持ちが続いていますか?
うーん、心境の変化がありました。
当初は「休める!」というポジティブな気持ちでしたが、次第に「なんで自分ばかり我慢しなきゃいけないの」という気持ちが生まれてきました。
帯同後も一日中家事と育児だけをしていると「何もせずに過ごしてしまった」と虚しさを感じたり、大学の同期や会社の同僚はどんどん成長しているのに自分は後退しているような気持ちを抱いたりしていました。
キャリア面でも夫の仕事が自分と似た業種・職種なので、「どうして自分ばかりが仕事を我慢して、家事と育児をしなくてはならないの」と悶々とする時期がありました。
ーー複雑な要因により蓄積したもやもやを乗り越えることができたきっかけについて教えてください。
夫と話し合う機会が一つ目のきっかけになりました。
話し合いの結果、子どもをナーサリーに入れるなどして生活に変化が生まれました。
英会話に通う時間やまとまって家事を行う時間ができたことで時間的な余裕ができたことは大きかったです。
それでも、もやもやが完全に晴れなかったんです。
ーー時間に余裕が生まれることは山下さんにとって一番の解決策ではなかったと。
他にもきっかけがあったのですね?
このタイミングでCAREER MARK主催のセミナーを夫が見つけてくれたことが二つ目のきっかけです。
バンコクコラボセミナーに参加したことで「こんなのがあるんだ」とCAREER MARKについて知りました。
当日イベントに参加して「自分とは程遠い、違う世界の人たちの話」という印象を最初は受けました。
ーーキラキラしている人を見て「自分は違う」と一線を引いてしまうことはありましたか?
実はそうでもなかったんです。確かに登壇されている方々は私よりもステップがだいぶ上の方々でキラキラしているなと感じました。
でもそこから得たポジティブな影響が大きかったんです。
セミナーに参加している人の多さから、同じように悩んでいる人がこんなにもいることがわかり、もやもやは駐在妻の共通のステップであることが実感できた瞬間でした。
また登壇された方々も最初からキラキラしていたわけじゃなく、「今の自分たちと同じように悩みを抱えたタイミングを乗り越えて、ステップアップしてきたんだ」と気がつくことができ、励まされました。
駐在妻からのキャリアアップの実例を知ることができたことは大きな契機になりました。
もやもやが晴れかかった時に子どもの体調不良、それが転機に
CAREER MARKに出会い、もやもやが少しずつ晴れてきたころ、子どもが体調不良になりました。いつもと異なり療養期間を取らないと治らないと思い、1ヶ月ほどしっかり休むことにしたんです。
ーーネガティブにも聞こえる出来事が、もやもやを晴らしてくれるポジティブな契機になったのでしょうか?
家事も最低限にし、自分の予定も全てキャンセルして、子どもの体調を復活させることだけに時間を使う、という過ごし方をしました。その時に「これでもなんとかなるんだな、これでいいんだな」と思えたんです。
今、現実を生きているという感じがして、もやもやが抜けきったような感覚でした。
ーー「今、現実を生きている感じ」・・・?
20歳頃に出会った友人が「今を生きる」というワードを人生のテーマにしていたのですが、当時は「生きてるじゃん今を・・・」とピンと来ず。その本当の意味がこの時にようやくわかった気がしたんです。
今までは将来ばかりを見据えて、現在を頑張ってきていました。
自分の傾向や性格上、何事も早め早めにやらないと後から苦労するから、と癖になっていたみたいです。
今日一日を豊かに過ごすこと、今を大切にすることを考えられるようになり、ネガティブな気持ちで子どもと接することもなくなりました。今、楽しく過ごしているのであればそれでいいなと。子どもの「ほんの少し」にも気づくようになり、以前よりももっと愛おしく思うようになりました。
この心境の変化がもやもやを解消をできた一番のきっかけで、今はとてもすっきりとした気持ちです。
育児をしながらインターンに参加し、起きた心境の変化
ーーインターンに応募したきっかけは、帯同中のとある目標がベースにあると伺いました。
帯同期間を自分のキャリアを考え直す時間としてあてたいという目標がありました。同じような職種で復帰するのか、異業種に転職するのか、フラットに考え直したいと思っています。
他の女性がどのようなキャリアを積んできたのか、自分の知らない職種はどんなものがあるのかを知る機会になればいいなと思い、インターンに応募しました。
ーーCAREER MARKとの出会いで山下さんに何か影響はありましたか?
運営の方やインターンメンバーは仕事も物凄く速いのに雰囲気が良いですね。
時間の関係で誰かが出来ないことだったりミスだったりをみんなでカバーしつつ高め合っていく雰囲気があるというのが第一印象です。
小さな子どもを育てながら働くのも「私だけの悩み」じゃなく、同じ境遇で効率よく働いている先輩がアドバイスをくれるので、その方法を取り入れて活動しています。
こんなメンバーのいる会社で働けたらストレスなく、カバーし合いながら働けるんじゃないかなと、理想の職場の雰囲気を見つけられました。
ーー徐々に新しい自信をつけて、もやもやがほとんど晴れてきているのをインタビューからも感じます。
インターンに参加して新たな目標も見つけたと伺いました。
まずインターン期間中に「これを頑張った」という何かを残したいと思っています。達成感はもちろん結果や実績を残したいというのが一つ。
また今回CAREER MARKのインターンに思い切って応募してみて「他のインターンにも参加したい」と思えるように。知人を辿ってタイの日系企業のインターンに応募するなど、更なる意欲も湧いてきました。
せっかく海外に居るので「今しかできないこと」「海外でしかできないこと」をやった方がいいなと、時間の使い方を前向きに考えられています。
ーー友人の言葉「今を生きる」が滞在中の基盤となり、子育てをしながらも次なる目標ができたのですね。
最後に記事を読んでくださっている方々へメッセージをお願いします。
多くの方が帯同を機に悩んでいるかもしれないけれど「それは自分だけじゃないということ」「ずっとそういう状況じゃない」ということをこの記事で伝えられたら嬉しいです。
そしてその悩みはいつか吹っ切れるし、一気にではなく徐々に晴らして行くのでも良いと思います。
私自身も少しずつ参加していくことで気持ちに変化が訪れたので、CAREER MARKのセミナーやインターンでもいいですし、それ以外の活動でもいいので何か色々なことにチャレンジしてもらえたら嬉しいです。
子育てをされながら働く方も時差を悩みにされている方も、理解してもらいながら働ける環境がきっとあるので見つけて欲しいです。
あとがき
仕事にも育児にも、もやもやにも真摯に向き合う山下さん。セミナーの登壇者をみて「キラキラした人」「自分とは違う世界の人」と切り離して終わりにしなかったことは、多くの駐在妻の方が真似したい考え方ではないでしょうか。「何か一歩踏み出すことで自分もそこへ到達できるかもしれない」と、ポジティブに捉えて動けたことが本文中に記したきっかけに加えて大切なポイントだと感じています。
また筆者をはじめ「滞在中に何か一つ」と考えている人も多い中、「一つできたらまた一つ」と自身の可能性に限界を決めないこと、更なる向上心を持ち自身のフィールドを自ら切り開いていく姿に私も背中を押されました。山下さんありがとうございました!
インタビュー・文:
CAREER MARK 第6期インターン 長谷川
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