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採用担当がファンベースをつくる時代

人事が主役になる時代

ソーシャルネットの普及に伴い、いろいろな企業が採用ブランディングの一環として会社のホームページの他にページをもつ時代になりました。

会社周辺のランチの話、社員紹介など各企業いろいろな面で採用活動を有利にすすめるためにアピールをしています。

このままでは今後来ると言われている人手不足と言われている時代に差別化ができるかというと難しい時代になっているのが現状です。

なぜかというとホームページでやっていることの延長線上であり、規制の枠の中で行っているため、本音ではなく建前であることがわかり始めているからです。

また、専門のライターや文章の達人がいないと、伝えたいことが伝わらないということがよくあります。

個人のソーシャルネットと違って、ビジネス文書で書かなきゃいけないとか、シンプルな文章にしなければならないとか、読み手が理解力がどれぐらいなのかということを想像して書かなければならないため、意外と失敗し続けなければわからないことも多い。

忙しいビジネスパーソンができないという声をよく聞きますが、やってもいないで批判したり、評論をするのはやめましょう。

ルーティンで忙しいと言っていますが、時間を作ってブログを毎日更新している経営者もいますから。

そういう会社はブログを見ているだけで、ソーシャルネットもファンになってくれて、ゆくゆくはエンドユーザーになります。

人事が人材の墓場であるといわれている理由は、会社に対して従順な犬であると思われているからです。

いわれたことをこなしているだけでは、イノベーションも起きませんし、新しい採用手法も生まれません。

トップダウンで昔ながらの母集団の形成からはじめて、イベントや合同企業説明会などでかき集めてください。

それでは人手不足の時代には追いついていきません。

これからの時代は超属人的なファンを活用する時代へとなっていくことは間違いありません。

ある会社の経営者は面接をしている時に、「あっ、この人と仕事をしたら会社のステージが上がる」と感じたときにしか採用をしないといいます。

経験と直感を信じているからそうしているとおっしゃっていますが、実は応募者が上がってきた段階で、ソーシャルネットを全部見ることにしているそうです。

LinkedInについては履歴書と職務経歴書、facebook、Instagramは思考性や趣味がわかり、Twitterでは日頃の行動がわかるといいます。

今日は人事がファンを作ることについてお話をしていきましょう。

採用における3つの苦戦

エンジニアの採用については、IT系企業、インフラ企業、アパレル、商社など、すべての企業とバッティングをします。

採用スピードが早い企業もあれば、じっくり選考をする会社もあったりします。

エンジニアの争奪戦がはじまっており、エージェントも企業内人事的なポジションで採用活動を手伝っていることもあります。

その他にも中小ベンチャー企業にとっては、新卒の採用については苦戦をしているところが多くなっています。

誰しも当たる新卒採用の3つの苦戦については次の通りです。

1:そもそも会社に魅力がない

これは、学生の優先順位が上がらない、そもそも応募してもらえない、内定を出しても競合他社に行ってしまいます。
有名企業、ライバル会社と比較するとまだまだ人気度は低く、学生はまずそちらに目がいきます。
そうすると弊社の優先順位が下がってしまい、求める人材に振り向いてもらえません。

2:人材マッチングの問題

応募者と会社の求める人材とが噛み合わずに、採用に工数がかかってしまっています。
マッチ度の高い学生をたくさん採用したいのですが、求める人材に会える精度をもっともっと高めていかないといけないと思っています。

3:認知度が低い

商品やCMでは有名だけど会社名は認知されていないこともよくあります。商品やCMに流されてしまって採用したい候補者が集まりにくい傾向もあります。

超属人的な人事になるには

実際の採用手法でいくと、自社のホームページを活用する、就職サイトに掲載する、新卒社員に紹介を依頼する、スカウト、逆求人イベントなどさまざまあります。ただ、母集団形成の数、採用担当にかかる工数、採用単価、学生の質はどうかなど、それぞれ一長一短あります。
 
特にデメリットの部分で一番強く感じるところは、結局、他社と競合してしまうところです。

バッティングすると負ける可能性もあり、できればバッティングしたくないというのが本音です。

そこで仕掛けるのがダイレクトリクルーティングです。
言い換えると自分から狩りに行くハンターリクルーティングがこれから必要になります。

このメリットとしては、超属人的になるためクロージングの時などに有効打になり、内定辞退率を減少させることができます。

デメリットとしては外回りが多くなっていくので、社内の業務ができない可能性があるため、リモートでやらなければいけないところです。

個人的に、採用担当者は「超属人的」になったほうがいいと思っています。

ルーティンワークはシステムを使って自動化していき、人でないと解決できない部分が必ずあるので、そこに注力すべきだと考えています。

「この人だからこの会社に入りたい」と思わせるぐらい属人的になってもいいのではないかと思います。
 
そのために、泥にまみれて採用活動をすべきです。

私は1年間の3分の1を社内ではなく社外にいて活動をしてもいいと考えています。
「自分で探しにいく」という考え方になれば、たとえば「知名度がないなら知ってもらうために、会いに行こう」となります。
さらに、マッチングがうまくいかない際も「自社の求める人材が多くいる所に行こう」と動くことができます。

例えば、学生イベントが行われている会場の近くで、会議室を借り上げ、就職相談、人生相談、何でも相談室を開催しているので来てください。ということでコーチング、カウンセリングをおこなうようにしています。
人気がないのであれば、人事個人に興味を持ってもらうようにしています。

「この人事おもしろい」と思ってもらい、その上で「じゃあそこまで言うのであれば話聞いてみよう」「応募してみよう」と思ってもらえれば多くの学生に自社を知ってもらう機会が増やせます。

マッチングでも、採用したいエンジニアであれば、その研究室をノックしに行きます。
ネットで探せばどの学校にどんな研究室があるのかだいたいわかるので、東大、東工大、京大、阪大、全国どこでも行きます。

「人事は、靴を泥で汚して、履きつぶしてなんぼ」という意識で実施しています。

ダイレクトリクルーティングを成功させるには

まず、覚悟を決めないといけません。
日帰りで関西は当たり前、北海道から福岡まで行くこともあります。
ものすごく疲れるのですが、すぐには効果が出ないこともあります。
2年目、3年目から効果が出てくるものなので、長期的な施策だと覚悟を決めて実行に移すことが重要です。
 
次に、求める人物像や求人情報など、すべてを明確にする必要があります。実際に、弊社で使っている技術は何か、数年後に必要になる技術は何か、ということを考える必要があります。
 
また、居場所を明確にする必要もあります。
たとえば「研究室を攻めるならどこか」「ゲームに強いサークルはどこか」「エンジニアとして意識が高い学生たちにどこにいるのか」を考えないといけません。

接点の作り方としては、メールなのかSNSを活用するのか、OBにツテを依頼するべきかなど、可能な限り考えるべきです。
 
さらにトークスクリプトもつくります。人事がいきなり来て、「こんにちは」と声をかけたとしても、怪しまれて失敗に終わる可能性が高いです。

そのため、相手の心を解きほぐすアイスブレイクからスタートし、短い時間で自分たちの会社に魅力を持ってもらうために何を話すべきなのか、しっかりとつくりこむ必要があります。
 
そうすることで、多くの学生と会うことができます。

また、ダイレクトリクルーティングで会った学生とはすごく仲良くなれます。

FacebookやTwitterでつながることもできるので、気軽に「友だち紹介してくれない?」とお願いができるようになることも多々あります。

「後輩紹介してください」「今度、大学行くから友だち誘ってくれない」などとお願いをしています。

Twitterでも「拡散希望」と書くと拡散してくれるので、このようなことを続けています。
 
最初の1年目は、あまり効果が実感できませんでした。

ただ2年目はすごく効果が出てきて、3年目である今はさらに手応えを感じています。

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