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プロ宣言≠フリーランスはじめました
どんなプロを目指すか考えよう
長い時間をかけて並々ならぬ努力をしたにもかかわらず、せっかく身につけた専門性が将来廃れるようなことがあったら、泣くに泣けません。
あるいは、とても良い専門だが、どうしても本気になれない、努力がつらくて仕方ないというのではうまくいかないでしょう。
自分に合った将来価値の高い専門性をいかに選び取るか。
多くの人は目下の仕事や、現在自分に与えられた仕事が自分の専門であると勘違いするものです。
自分で選ぶのではなく、自分に与えられた仕事に自分を合わせようとします。これが一番危険です。
もちろん、ビジネスパーソンとしては駆け出しの20代の頃は、それも必要でしょう。
まだ自分の可能性も、将来性のある分野もわからないはずですから、与えられた役目を必死にこなして、自分を磨き、鍛えていくのが先決です。
あくまでも自分磨きのフィールドとして現在の仕事を捉えるのです。
ですから、極論を言えばなんでもいいわけです。
将来、自分の人生を賭けるような専門領域に巡り合った時に、それをものにできるような基礎力を身につければ良いのであって、20代の時の仕事を生涯の専門にする必要はありません。
しかし、30代はそれではダメです。
なぜなら、30代は将来、花を咲かせたい自らの専門領域を定め、そこにのめり込んでいくべき段階だからです。
では、どのようにして自分の専門性を見定めればよいのでしょうか。
たとえば「営業のプロになる」。これはどうでしょうか。
一見よさそうなのですが、もう少しイメージを明確化する必要があります。営業とは何でしょうか?プロの営業マンとアマチュアの営業マンはどこが違うのでしょうか?
自分の描くプロフェッショナルのイメージが明確でなければ、努力のしようもありませんし、その専門に将来価値があるかどうかも判断できません。
どんなプロを目指すのか?
では改めて、「営業のプロ」について考えてみましょう。
まずは将来、自分が「営業のプロ」と言われて嬉しいかどうかと考えるところから始めるべきだろうと思います。
「今、営業と名の付く部署にいるけど、どうも、この職種が自分に合っているとは思えない。
好きになれそうにない」と思うのであれば、真剣に次の一手を考えなければいけません。
もちろん、たまたま今、営業成績が振るわなくて苦しんでいるので、営業から逃げたいというだけであれば、逆にもっと頑張ることによって真のプロになれるかもしれません。
今の業績は棚に上げて、自分に営業が合っているかどうか、成績さえ向上したら好きになれる仕事かどうかを考えてください。
とび職の青年と営業の青年が自販機を挟んでベンチに腰掛け、お互いの仕事を想像し、「自分にはできない。お前、偉いな」と心の中で語る缶コーヒーのコマーシャルがあります。
なかなか素敵なコマーシャルですが、まさしくこれをやってみてほしいのです。
たまたま今は営業成績が振るわないけれど、本当は営業に向いていて、好きかもしれない――そんな可能性まで考えてみてください。
専門性選択の一番目の観点は、意外にも本質的な“好き嫌いと向き不向き”なのです。
自分に向いていないもの、自分が嫌いなことはそれがどれほど魅力的(儲かりそう、格好いい)に見えても選択してはいけません。なぜなら絶対に継続できなくなるからです。
次に、二番目の選択の観点です。同じく営業のプロを目指す、という例を引きながら考えてみましょう。
「営業という仕事がどうやら自分に合っていそうだ、自分は営業が本質的に好きそうだ」ということの上に立ってさらに専門性選択を考えます。
「営業のプロ」を目指すとしても、現在の事業分野、今の会社なのかということについても熟考する必要があるでしょう。
さて、ここではコンサルティング営業を選んだと仮定しましょう。
コンサルティング営業に必要とされるものは何でしょうか。
誰よりもお客さんを洞察する力があって、お客さん自らが気づいていないような問題点について答えが出せることです。
「ソリューション営業」という言葉がありますが、少し違います。
ソリューション営業は、お客さん自身が自らの問題を知っていて、それをヒアリングした上で解決策を提示する、あるいはその問題を解決する営業を言います。
コンサルティング営業はその上を行きます。お客さんに「そうか!そんな問題があるのか!」とうならせて、さらに「その手があったか!」と感心させなければいけません。
上記のように感心されるプロになれれば、人はあなたのことをどう呼ぶか。
「彼は誰よりもお客さんのことを知っていて、洞察力(=インサイト)がある」などと言われます。
それこそが必要な旗印なのです。
旗印を掲げる必要性は前回以来繰り返し説いていますが、小さくレッテル張りをされるのとは大違いであることを認識してください。
「あいつはしょせん御用聞き営業さ」と言われるのと、「彼には鋭い洞察力がある。本物のコンサルティング営業だね」と言われるのでは全然違います。
同じ“営業”とラベリングをされるのでも、前者は小さくてダメなレッテル、後者は本物の旗印です。
言葉を選ばなければ、専門バカとプロフェッショナルは違うという意味なのです。
さらに展開すると、同じコンサルティング営業のプロでも、ある事業領域だけに通用する方と、領域が異なっても通用しそうな方がいることはわかると思います。当然、領域が異なっても活躍できそうなイメージを持ってもらうことが大切です。
ここが難しいところです。旗印は必要ですが、その旗印が小さくて陳腐なものであれば、誰からも注目されないどころか、かえってマイナスです。
また、その旗印の意味するところが狭いと選択の幅が狭まり、先がなくなるわけです。
だから、どれだけ注目度の高い旗印を選ぶことができるか、あるいは、応用範囲の広い旗印を選ぶことができるかが重要なのです。
選び取るべき価値の高い専門性は、何かの技術領域とか職能領域を核としながらも、これを超える汎用性を持ったものである必要があります。○○技術の専門家であると同時に、プロジェクトマネジメントに長けている、といった具合です。
むしろ、「プロジェクトマネジメントのプロ」といった専門性のほうが高く評価されることになると思います。
すなわち専門性選択の二番目の観点は汎用性です。これは特に会社を辞めることを想定するととても大切になります。
これから求められるプロとは、多能工スタイル
産業界におけるファンタジスタとも呼ぶべき存在がプロジェティスタです。
最初からプロフェッショナルであったわけではありません。
まずは企業の中でスペシャリストとして育ちます。
しかし、大半が中小零細企業です。そんなに人材が豊富なわけはありません。
そこで、少し優秀で見どころがある人材には、ありとあらゆるそれまでの専門を超えたアサイン(割り当て)がなされます。
好き嫌いにかかわらず多能工化を志向せざるを得なくなるわけです。
最初は何かの分野の狭いスペシャリストもいろいろな経験を積むうちにマネジメントや経理、企画などさまざまな知識と能力をも磨き、超多能工になっていきます。
自己完結的にいろいろなことができるようになった有能人材であっても、家族経営の中ではそう簡単には経営者になれません。
そうなると、どこかの時点で会社を飛び出して独立ということになるのです。
そしてプロジェティスタという旗印を掲げ(ファンタジスタ同様、自分で名乗るわけではありません。周りがそのように尊敬を込めて言うだけです。本人は普通に“コンサルタント”を名乗る例が多いようです)、企業が求めるさまざまなプロジェクトを請け負い、人を集め、創造力を発揮して、そのプロジェクトを成功に導くのです。
彼らはそもそも技術者ですから、得意な分野というものがあります。
しかし、単なる技術者ではなく、プロジェクトマネジメントを仕切るリーダー人材として育つわけです。
たとえば、こうした存在になるのはどうでしょうか。必ずしも会社を辞めて独立する必要はありません。
組織の中にあっても、事を企てそれをやり切るプロフェッショナルとして、「プロジェティスタ」という旗印は何物にも代え難いものになると思います。
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