しぶんの教科書をつくって、仮設思考を身に着けてもらう3つのポイント
部下の話をちゃんと聞こう!
部下との信頼関係の構築についてはコミュニケーションが不可欠であり、プロとしての間合いが必要なんです。
あまりにも距離を取り過ぎると部下は信用していません。
逆に距離が近すぎても部下は嫌気が差してしまうことになります。
ちょっとしたことですが、プロとしての間合いを取りながらお互いに信頼関係を築いていきましょう。
コミュニケーションの不足、伝え方が間違っていたりすると、若手はすぐに辞めてしまいます。
自分の時代のやり方は通用しないので、新しい部下の育成方法についてはいろいろと興味をもって、
自分自身のチームで実験をしながら、体現化していくことが求められる時代になっています。
これからの時代は人手不足、人材不足ということが言われていますから、
いかに部下をコントロールできるのかということが管理職には求められる事になります。
傾聴したあとはフィードバックをすることの重要性
年功序列、終身雇用が当たり前の時代には、10年仕事をして1人前の仕事ができるという時代でした。
これはビジネスの世界だけでなく、スポーツやアーティストなどいろいろな世界で不変的に言われている定説です。
10年立てば誰でも1人前になるということではないので勘違いをしないでほしい。
正しい方向で正しい努力をすることによって、熟達する速度も違うし、見えない努力をするのであれば、また、加速度がどんどん上がっていくことになるから、人の育成というのは一度やりだすと面白くなる。
普通に努力をして、普通に過ごしていれば10年で熟達するレベルになるということです。
仕事に対するマインド×モチベーション×努力×才能×上司の管理能力=熟達するレベルとなる。
どこかにマイナスが奇数入ると戦力は減少するし、ゼロが入れば熟達レベルはゼロになる。
よく考えられた仕事というのはある程度の経験と感が必要になる。
どんな仕事に対してもフィードバックをしていくことが、若手にとっては勉強になることが多い。
ロールプレイングをする際には、ちょっとむずかしいレベルの課題を与えることによって、新しい発見であったり、モノゴトの本質を見抜くことができるように鍛錬をすることがポイントになる。
これについては、配属先でいろいろとOJTというかたちでやることが一番わかりやすく、習熟度もアップする。
人事がつくったカリキュラムで研修したり、外部の研修を利用することはあまりススメない。
なぜかというと、当事者以外の部外者がつくるカリキュラムは時代遅れの可能性があり、専門性を持っていたとしても、陳腐化していることが多かったりするから。
また、現場のやり方にそぐわないことが多くあるから、若手は理解するのに時間がかかり、じぶんの教科書にすることがなかなかできないという理由からである。
1つの事例を通していろいろと学ばせる機会をつくる事によって、人は成長をしていく。
やりっぱなし、ヤラセっぱなしでは若手の戦力は上がっていかない。
管理職の役割は自分のルールを教えること、個性を伸ばして戦力値を上げること、チームとしての組織力を上げていく3つであると私は考える。
私が昔やっていたのは1つの事例が終わったら、効果検証をする場を設けていた。
その時なぜそういう行動をしたのか、なぜそう決断をしたのかなど、プロセスをひもといていく。
そこで自分の経験も踏まえて、戦略的に考える習慣を身につけてもらうように話をする。
先輩としての意見を伝えるとともに、いろいろな角度で見直すことによって視野を広げる役割がそこにはあります。
フィードバックをする時のポイントは、2つのルールを守ってください。
1つ目は若手の人格を否定することは絶対にしないでください。
2つ目は結果で判断をすることなく、プロセスを評価すること。
そうすることで、若手が自分で考えて行動をする仕組みをつくるのが管理職のルールです。
どんな些細な事でも質問をするようにする
私の新人時代を思い出すと、なぜかやらされている感が強かったことを思い出します。
企業から目標数値を与えられる、クリアすればヒーロー、クリアしなければコテンパにつめられる。
テレアポ100本とかアポ3本獲得するまでずっと続けろとか言われていて、
完全に受け身になって仕事をしていたなぁーって、振り返るとそう思います。
その考えが打開できたのは、とある経営者さんと釣りをしながら話をしていた時だった。
「まっすぐ直球するのもいいけど、変化球を覚えなきゃいけないよ。どういう球を投げるか考えながらやらなきゃ。」
「つまり、仮説を立てて、それを検証して、原因を探る。そこから次の一手を考える」ということを何気ない雑談から教えてくれた。
若手の伸びる伸びないという分岐点が、仮説を立てられるかどうかである。
これは管理職の能力にも左右される点であるといえる。
放置プレーでやりっぱなし、やらせっぱなしの上司では、自ら考えるようにはならない。
じぶんの教科書をつくる!
プロの間合いを取りながら、適度にフィードバックをしていると、じぶんの教科書がそこにできてくることになり、あの例に近いな、こうしたらいいのかというように、いろいろな戦略的に仮説をたてることができるようになる。
若手に仮説力がつけばそれだけでチームの戦力として活躍してくれることは間違いない。
また、個人の能力もどんどん伸びていくことになるので、管理職としても嬉しいところである。
そこで若手に対して質問を必ず3つ以上するようにしてみましょう。
面接のテクニックにもありますが、なぜを3回繰り返して、深堀りをすることで思考性がかいま見えるからです。
トヨタのカイゼンではなぜ☓5回繰り返すとも言われています。
なぜ顧客がNOを出したのか、商談のトークで相手の同意を取れなかったのか、クロージングが成功した理由は何なのか、などプロセスを分解することでわかることが多くあります。
そうすると若手はじぶんの教科書をどんどんとアップデートすることができるのと、成功しても失敗してもキャリアの糧にすることができるようになります。
原因があるから結果があるわけであり、その要因が自分が関わっている内部的要因なのか、どうすることも出来ない外部的要因なのかということを分析することで、解決策の引き出しが増えていきます。
あの時たまたま売れたな〜、運が良かっただけですから〜ということをいっている以上、修羅場になった時に逃げ出してしまう若手も多くなっているのが今の時代です。
若手が管理職になった時に、自分の経験や成功体験を新しい若手に話ができるようになれば、人的資源管理もラクに出来るようになり、定着率という面においてもカイゼンをすることができるでしょう。