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リファラル採用と縁故採用の違い!?

リファラル採用と縁故採用の違いとは

リファラル採用と縁故採用の違いについて、きちんと言語化して明文化できる人事はほとんどいない。

なぜなら、この2つの単語の意味をごちゃごちゃに捉えてしまっていると本質が見抜けなくなる。

私もつい最近まで、ごちゃごちゃに考えていたが、ある経営者との会合で意味の違いをはっきりと理解できるようになりました。

referralという英単語は「委託、紹介、推薦」という単語の意味で、直訳をすると社員の紹介、推薦による採用のことを指すので、「縁故採用」をイメージされる方が多く、コネ入社と誤解されることが多い。

決定的な違いというのは、リファラル採用は必ずしも採用をしなくてもいいということ。

縁故採用はなんらかの力が働いたり、忖度をすることによって必ず採用しなければならないこと。

言い換えれば、圧力、しがらみがないのはリファラル採用、圧力、しがらみがあるのが縁故採用ということである。

違いとして認識していただきたい点は、現在主流である、求人広告や人材紹介会社の代わりに、会社の幹部や社員の方々が頑張り、母集団を形成をしていくということです。

リファラル採用はグローバル化の流れ

アメリカでこの「リファラル採用」の利用が増えてきており、約7割の会社が重要な採用戦略として使っているといわれています。

シリコンバレーでは、会社の採用の約50%以上がリファラル採用でないと人事責任者がクビになるそうです。

それぐらい、シリコンバレーのベンチャー企業ではリファラル採用が当たり前なんです。

社長と幹部、社員全員が協力しながら「私の会社って素晴らしいから一緒に働いてみない?」と、いうようなやり方で採用をしているのが当たり前の世界になっています。
 
2012年のデータによると、アメリカの採用経路は第1位がリファラル採用で28%、第2位が求人サイトで20%になっています。

また、アメリカは求人広告の費用が日本の約10分の1といわれています。
 
なぜなら、アメリカでは広告を使わなくても人が集まるので、広告というものに価値を感じていないのかもしれません。

このアメリカの現状がソーシャルメディアの発展とともに、日本でもリファラル採用という言葉を耳にするようになりました。

日本企業でも23.4%がリファラル採用で就職、転職をしているデータがあります。

実に4人に1人は友人、知人の紹介によって入社をしていることになり、意外とリファラル採用が根付いていることがわかります。

たとえば、友達との会話で「お前どこで働いてんの?」「俺?●●って会社だけど」「あ、そうなんだ? どんな会社?」といった会話が重なり「お前の会社いいな、俺も受けて見ようかな」みたいに、求職者が積極的に友達の会社をヒアリングして転職を考えているんですよね。

アメリカ人だけでなく、日本人も意外とリファラル採用が向いているのではないかと感じました。

人事界隈ではいろいろな思い込みや先入観で、有名企業やマスコミで取り扱われる会社がリファラル採用に有利といわれていますが、実際のところは大手、中小、ベンチャーであったとしても、社員の協力を得られるような仕組みをつくっている企業が成功をしている特徴があります。

業種、業界を問わず、リファラル採用にチャレンジしてみる価値は、どの企業にもあるのではないかと思います。

リファラル採用を成功させる3つの条件

リファラル採用を考えていくと、7つのメリットがあります。

1. 採用コストが大幅に下がる
2. 社長に合う人材が採用できる
3. 採用後の定着率が高まる
4. 会社の魅力と課題の見える化ができる
5. 会社の魅力を継続的に向上することができる
6. 採用という名前を借りた経営変革の実現
7. 社長と会社を好きな人しか会社にいなくなる

つまり、リファラル採用は、自社に合った優秀な人材を低いコストで採用でき、入社後の定着率が高くなるだけでなく、働きがいのある魅力的な会社へ変貌するきっかけづくりにもなるのです。

では、どうすればリファラル採用を成功に導き、リファラル採用のメリットを実現することができるのでしょうか。

リファラル採用は3ヶ月で1人の採用目標からスタートをすることをすすめています。

リファラル採用は大量採用ができるわけでもありませんし、採用の母集団を形成する上で必要な手段ですから、通常の広告掲載より通過率が高くなっているとはいえ、選考フローは変わりません。

無理な採用目標を立てて社員を追い込むのはやめましょう。

「リファラル採用成功の3つの条件」を満たした上で取り組めば、必ずリファラル採用の成功に導けると私は考えています。

その1:社長と会社が大好きな社員との連携から始めよう

私がリファラル採用をお手伝いする際に最も重要視していることは、「社長」と「会社を好きな社員」だけでプロジェクトメンバーを構成していくことです。これが究極の肝です。

5〜10人ぐらいの単位からはじめて、徐々に拡大をすることをすすめています。

自分の会社がすごく好きだから知人に対して会社の魅力を紹介できるんですよね。

その2:嘘はつかない

2つ目の条件は「嘘をつかない」ことです。私たちがリファラル採用のお手伝いをする際には、必ず「嘘をつかない」ことを社長に約束していただきます。
 
たとえば、さまざまな求人サイトの企業情報には年収モデルが「27歳466万円、35歳610万円」というような表記をされています。

あくまでも年収モデルなので厳密にいうと嘘ではありませんが、35歳の求職者の視点で見ると「私も610万円もらえるのかな」という誤解を招く可能性があります。
 
このような年収の表記方法は、社長や人事の方にやめてくださいと私たちはお願いしています。

その代わりに、同年代の社員の中で一番低い収入、一番高い収入、平均の収入の3つを開示してもらいます。

求職者が本当に知りたいのはこの「嘘のない情報」なんです。
 
「嘘をつかない」は年収だけの話ではありません。入社したらどの道ばれる「課題」は先に求職者に開示するということです。

リファラル採用のプロジェクトメンバー会議では、会社の魅力をまとめるだけではなく、会社の課題をまとめることが重要になります。
 
会社の課題を求職者に伝えることができていなければ、紹介をした知人との信頼関係が入社後に壊れてしまうことになります。

会社の課題を隠して魅力だけを語っていると、入社後に「こんなはずじゃなかった」と言われてしまう可能性もあります。

なので、社長にとっては耳の痛い課題も多くあるかもしれませんが、きちんと向き合うことが大事です。
 
給料が安い、固定賞与がない、定着率がよくない、管理職が少ない、成長が鈍化している、そういった恥ずかしい課題を書き出せるようにしましょう。

そうすることで入社後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐことができます。

また、課題を正直に、誠実に伝えることに加えて、そうした課題に対する具体的な改善プランも合わせて求職者に伝えることができれば「本気で会社を改善しようとしている!」ということが伝わり、内定承諾への動機付けに繋がることもあります。

その3:社長が耳が痛いことに対しても真摯に向き合うこと

プロジェクトチームで課題の洗い出しをして、社長に対する課題が出ることも時にはあります。

社長からしてみれば耳が痛い話で「なに言ってんだ!そんなわけねーだろ!」と、思ってしまうかもしれません。

しかし、そうなってしまった瞬間にリファラル採用は成功しなくなります。

なので、私がお手伝いをする際には、耳の痛い課題に対してもきちんと向き合うことを必ず社長に約束していただきます。
 
社員がリファラル採用に動き出すと「社長、会社の魅力が知人に刺さりませんでした。もう少し改善しましょう」といった提案がされるようになります。

課題や提案を聞いて、改善できるところは改善する。

そうすれば自然と、会社の魅力が徐々に上がっていきます。

以上の3点が「リファラル採用成功の条件」です。
リファラル採用とは、自分の大切な人に自社で働くことをおすすめすることなので、会社、社長のことを好きな社員でないと務まりません。

まずは5〜10名程度、または1人でも良いので、社長と会社が好きな社員を中心にプロジェクトをスタートさせましょう。
 
そして何より重要なのが、会社のトップである社長をはじめ経営陣が、会社の課題に対しても、嘘をつかずに伝え、改善に向けてしっかりと向き合うという「覚悟」です。
 
この3条件さえ満たせれば、業界や企業規模など一切関係なく、どんな会社でも必ずリファラル採用を成功に導けると思っています。

求人広告や人材紹介での採用が厳しい中小企業ほど、リファラル採用のメリットは大いに活かせるので、ぜひリファラル採用の導入を積極的に検討してみてはいかがでしょうか?

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