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【採用の向こう側】即戦力という幻想

誰が決めた!?即戦力ということ

エージェント時代から言われてきたのが、即戦力として活躍できる人を紹介してほしい。
即戦力の定義を聞いても、教育研修にかける時間が少なく、売上が立てられる人、実績を残せる人というばかり。

一言で言うのであれば教育研修にかける時間がないから、同業他社から横滑りでいいから、紹介してくれといっているようなものです。
会社がリストラをして最少人数でやっているが仕事量が減ることはありません。

長時間労働が当たり前となり、納期に間に合わせるのであれば会社に寝袋を持ち込んででも間に合わせることになります。
そうすると疲弊してチームから1人、1人と退職をしていく時代でした。

電通事件以降、政府主導で働き方改革が進む事になりました。
長時間労働をやめて、生産性の向上に急激に変化をしていくことになりました。
現場にしてみれば、残業時間規制が強化されることになり、結果を残すためには日々の業務を見直す時代になっています。

この後、解雇法案が成立すると今まで以上に格差が広がっていくことになります。
人材の流動化が進むことになれば、これまで以上に採用活動は厳しくなっていくのと、1人に人気が集中することも考えられます。

面接ではスキルが見抜けない!?

1時間の面接が2〜3回やったところで、スキルの有無、今回の求人案内にあっているかどうかを見抜くことができるのかと言われれば、はっきりいうと半信半疑です。

よくあるのが…

「新規事業を立ち上げました」と言われたら、
どんな内容でどんなポジションでやってきたのか?
それを通して学んだことは何か?
求人案件に活かせる経験はあるのか?ないのか?その理由とは?
ナンバーワンになりましたと言われたら
どれぐらいの規模でなったのか
どれぐらいの売上でなったのか
どんな状況下でなったのか
ナンバーワンになって気づいたことは

などと深掘りをしながら色々聞いているけど、年齢を重ねたり、面接なれをしているとそこについては推測の範囲に入っている可能性があるので、流暢に話しを作ることもできてしまう。

なぜ、見抜けないのかというと、面接官の原体験が判断基準となっていること、前任者や類似しているスキルを持っている人とのスキル比較になるため、完全に感覚に頼っていることが問題なんです。

例えば、決済権者が合格、人事がNGだったとします。
そうすると、決済権者に優先権があるため内定という流れになります。
人事は意見をいうことはできますが、決済権者には勝てないのが現状です。

そうして入社した人が面接で聞いていたスキルより劣った時に問題が発生します。
採用をしたのは決済権者ですが、責任については人事に回ってくるのです。
あの時辞めておけっていったじゃないですか?といったとしても後の祭りです。

なぜなら、試用期間で雇い止めをする場合でも、客観的な事実が必要となり、スキルについては経歴詐称とかと違うため、なかなか証明ができないというのが現状です。
客観的に劣っている事実があるのであれば、それが解雇事由になるのですから問題ありませんが、思い込みや先入観から判断をしてしまうと、後々問題になるのが目に見えています。

即戦力とは!?どういうことでしょう

即戦力を定義するとしたら次の3つです。

1:環境適応能力が高いこと
2:素直さと謙虚さをもっていること
3:フォロー体制をしっかりしておくこと

どんなに大企業で実績を持っている人だとしても、上記の3つが揃わなければ転職先ではお荷物になってしまっています。
働く場所が変わればやり方も変わる。
やり方が変われば方法も変わる。
潤沢な資金や多くの人材がチームにいるとは限りませんから、他のチームから借りたり、自分もプレイングマネージャーとして動かなければならないこともあります。
ときには知恵を絞って戦わなければなりません。

はっきり、いってしまうと即戦力の採用はできない!
即戦力人材というのは市場に存在をしないのだから。

入社後すぐに実力を発揮してもらうためには…
1:チームの人間関係を整え、場合のよっては調整役になる
2:心理的な安全を確保すること
3:裁量権をもたせて、仕事に遊びをもたせる

この3つについては、人事が入社をする人に対してできることが多く、上司に根回しをしておけば、3についてはできること。
環境になれるまではいろいろな不安が大きいので、不安を取り除き、結果を出せるように介入をしていくことがポイントになります。

そのためには定期的はフォローが必要になり、1日目、1週間、2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月と定期的にフォローをするだけではなく、いつでも相談できる窓口をあけておくことが必要です。

転職する人で活躍をするパターンは3つ

1:すぐに社員の名前を覚えてしまう
2:裏方さんの事務職の人やアシスタントに気を使うことができる
3:イベントの幹事をちゃちゃっとやってしまう

環境適応能力が高いこともありますが、素直さと謙虚さをもっています。

こういう人を見抜くことができる面接官はいませんので、要件定義、採用定義をきちんとすり合わせをしておくことが必要になります。
人事が主導権をしっかりと握って採用へ参加をしていかないといけない時代になっているのは間違いありません。

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