数字は嘘をつかない!KPI指数から原因を読み解く!
面接合格率
面接に対しては多くの学生を落としすぎていないかどうかを検証する必要があります。
多くの人には面接で適正に判断をすることができないからです。
個人面接では学生のパーソナリティがわかるようになり評価をしやすくなりますが、面接の採用基準というのが存在をしていないからです。
面接官のフィードバックを聞くとそのことがよくわかります。
面接官Aは、「去年の新卒の◯◯さんに似ているからいいでしょう」
面接官Bは、「Aがいっていることもわかるけど、うちに合わないんじゃないの?」
面接官Cは、「うちに合わないんじゃないの?何であがってきたのかよくわからないんだけど。」
ここからわかることは面接官によって、学生の印象が全く違うということ。
採用基準でこういう学生を集めていきましょうという打ち合わせをしていたとしても、その基準は不変的なものではなく、個人の感覚と思い込みと決めつけから判断をされています。
よく言われているのが、事前にどういう学生を採用したいのかという人物像をしっかり打ち合わせをしてから、
採用活動を始めることや面接に関わる人事以外の部門にもしっかりとした共有意識をもつことをいっている。
しかし、個人の価値観や過去の経験からブレてしまうということが起きている。
採用のミスマッチが起こる原因の1つである。
ほとんどの人が絶対評価にはブレが出るのですが、相対評価ということになると正確に判断をすることができます。
例えばグループ面接をしていく中で、相対的に評価をしていくことになりますので、「この学生がいいかも」という評価をすることができる。
間違えてはいけないのがグループ面接をすることで面接の精度があがるということではありません。
例えば、100人の学生の面接をする際に面接官は3人から4人で十分です。
人が把握できるのが30〜50人と言われていますので、100人であれば3人または4人で十分なんです。
面接官が10人、20人と多くなると面接の採用基準が下がってしまう可能性があり、グループ面接の場合、全員通過、全員不通過、3人通過など判断がバラバラになります。
そうすると数合わせの採用になることが多くなり、優秀な学生を落としている可能性もある。
面接官を少なくすることによって、担当した25人から30人が全員不通過ということは、天文学的な数字になるわけですから、面接通過率を30%あげてくれという経営陣の指示にも精度が上がります。
グループ面接は小分けにすればするほど精度が下がり、面接官の基準もブレが出る事になります。
面接の通過率は30%の理由
この数字にはきちんとした理由があります。
4回の面接を行うと合格率は全体の1%に近い数字になるからです。
30%×30%×30%×30%=約1%という数字がでます。
30%の通過率というのは新卒採用では平均的な数字であり、
いろいろな企業で使われている1つの指針となる数字になります。
もし、30%を下回るのであれば面接で落としすぎていることになるので、
面接官とのコミュニケーションを取ったり、採用基準を見直してみたりする必要があるでしょう。
将来の幹部候補を見つけられるか
将来の幹部候補を見つけることは新卒の必須条件であるといえるでしょう。
どういう学生がそうなるのかということを見極めることは採用を何年もやり続けることで身につきます。
ハンターの嗅覚に近いものはあるのですが、いろいろな要素をしっかりと持っていることがあります。
いい意味で何かを持っていそうだな、コイツは化けるかもしれないという期待感もありますが、しっかりとしたエビデンスがない学生が多く、見分けることができるないというのは致命傷になります。
面接を担当していると、1年に数回に出会う可能性がある学生を見極めることがあり、「一度会ってみていただけませんか?なんか持っていそうで、ダメ元なんですけど、どうしても一押ししたい学生なんですよ。
感覚的なことでお願いするのは失礼なんですけど、面接を通して感じるものがあったので、一度お願いします。」とよくいったものです。
なんとなくですが、直感で電気が走る学生については、通常のルート以外にも選考フローを考える必要あります。
また、上位の面接官とのコミュニケーションのとり方、信頼関係もポイントになります。
経営陣がしっかりとしたエビデンスを持っている学生しか合わないということになると、優秀な人材を採用することができないといってもいいだろう。
面接の段階に合わせて面接官を選定する
新卒採用に関する会議をしていると面接担当官になる社員に対して、
人事から「学生のパーソナリティーが当社が求めている人物像と比較してマッチするかどうかを判断してください。」
という指示が一方的に伝えられることがある。
1次面接、2次面接を担当する面接官については、パーソナリティーの判断をすることを求めるのではなく、役割をわかりやすく伝え、判断をしてもらうことが必要になってくるだろう。
学生の基本的なスキルであったり、マナーであったり、話している内容がわかりやすいか、プレゼンテーションとしての話し方はどうか、質問に対してきちんと求めているものが返ってくるのかなど、基本的なことで判断をしやすい内容で面接を依頼するのが筋ではないだろうか。
3次面接以降になると人事や管理職が面接担当になることになりますので、
経験からパーソナリティー診断ができることになります。
最終面接については人のジャッジができる感覚を持っている人が担当をしなければなりません。
それなりの数をこなしながら、きちんとした判断をしなければならないので、経験とセンスを持ち合わせた人物が担当するのが理想的です。
例えば肉食系の学生なのか、草食系の学生なのかを判断することは簡単ですが、肉食系については、猫レベル、ハイエナレベル、ライオンレベル、ロールキャベルなのかという見極めは、経験が浅いとしっかりとした見極めはできません。
私も体育会系枠で全国大会優勝をした学生や、おもしろ採用枠で世界一周をしてきた学生、ホスピタリティ枠でスタバ、マクドナルドのマネージャー経験者などいろいろな学生と、年間2000人以上のいろいろな個性をもった学生とあってきました。
それでもだいたい仕事のできる学生とそうでない学生の区別ができるようになりました。
このように経験を積んでいくことによってできることもあるのですが、そうなるまでには専門性が必要になります。
面接の初期の段階から学生のパーソナリティーを見極めることについては、難題だと認識をしています。
途中離脱率
これは非常に重要なファクターでもあり、この数字を見逃している企業が9割。
この数字を見ることによって、全体的に採用の戦略を考え直す必要があり、
早く対応することによってその傷は小さくて済むというのが現状である。
ここで定義をしている途中離脱率というのは、選考を受けている学生が不採用と内定辞退以外で離脱する学生のことを示します。
そこに関わった面接官や説明会の人員数から途中離脱者を表した割合になります。
この辞退率をKPIの指針に入れて、採用戦略を考えることが必要になります。
たいていの人事の場合、1次面接から2次面接、2次面接から3次面接とステップごとに離脱率を出し、「えっ!こんなに離脱率が増えている!」ということに気づくことはできます。
点で見るのでは無く、面で見る必要がそこにはあるといえるでしょう。
離脱の理由はスピード感
途中離脱率は平均して30%という数字が1つの基準になりますが、
会社によっては50%を超えている会社も多くあるのが現状です。
一言でいえばスピード感の欠如が原因である。
面接担当官のスケジュールが切れていないことや、学生とのコミュニケーションが上手く取れていないことがポイントになります。
例えば公務員の試験であれば、2ヶ月〜3ヶ月かかる事になります。
もう1つ待てるケースは、超有名企業の場合です。
もし採用に問題を抱えているのであれば、2週間〜1ヶ月以内で結論を出す必要があります。
よくあるのが、面接官の日程が取れていない、合格率以上の学生を残してしまっている時、学生を待たせる滞留が起きてしまっていることが原因になっている。
計算をして置くとそういう事態は避けられるのが現状ですし、
事前に人事が計算をして、スケジュールを切っておく必要があります。
例えば次のような計算が成り立ちます。
1次面接が受験者数100名、合格者50名、合格率50%、面接官5人。
面接官1人あたり、1日5人の面接で4日が必要になる。
その後の電話連絡を2日と考えると、6日間は必要になります。
2次面接は受験者数が40名、合格者20名、離脱率20%、合格率50%、面接官4人。
面接官1人あたり、1日5人の面接で2日が必要になる。
その後の電話連絡を2日と考えると、4日間は必要になります。
3次面接は受験者数が16名、合格者8名、離脱率20%、合格率50%、面接官2人。
面接官1人あたり、1日4人の面接で2日が必要になる。
その後の電話連絡を2日と考えると、4日間は必要になります。
このように各説明会ごとにスケジュールぎりと計算が必要になります。
この計算は随時変更をしていく必要がありますが、初期の段階では有効的な手段になります。
モニタリングをしながら、不測の事態に対応をしていくことが必要とされています。
合格者が多いのであれば、面接の依頼をして会場の手配をしたりしていくことが必要になります。
電話連絡が必要になるのであれば、面接担当をした社員に連絡を依頼するなど、停滞をさせないことが必要であり、内定辞退者を極力出さないために先を読み行動をすること。
面接会場が準備できない、面接官のスケジュールがきれないなどは問題外です。
この時点で学生のリストがあるのであれば、優先順位をきめたうえで、
滞留している学生を全員面接するようにするのが採用担当者の役割です。
途中辞退率を下げるための最善策はスピード感を持って先を読み、
徹底して目の前にあることをやり続けることが必要です。