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本質を見抜いて自分なりの答えを出していないから


通年採用とは言っても、通年求人を出しているとブラック企業ということをささやかれてしまう時代。

人材紹介会社も常に求人をもらえるのは嬉しい悲鳴かも知れませんが、入社した人がすぐに辞めてしまうとペナルティーでの返還があるので、避けたいところ。

昔、100人入社して100人辞めると豪語していた経営者がいましたが、実際は急速な拡大路線をとってしまったあまりにそういう状況を招いてしまったということに気づくことはなかった。

とある地方の中小企業の経営者からSNSのDMを通じて連絡を頂いたことをきっかけに始まったプロジェクト。

入社、退社の多い企業には実は共通点があったんですね。

人に期待しない

ある地方都市に、老舗の製造業を営むA社がありました。

従業員200名を抱えるこの会社は、創業以来安定した成長を続けてきましたが、近年、深刻な課題に直面していました。

それは、退職者の増加と、それに伴う人手不足でした。

「最近、辞める人が本当に多い。何が原因なんだろう。」 社長のB氏は、日々の業務に追われる中、頭を抱えていました。

人事部からは退職理由として、"仕事がきつい"や"給与が低い"といった声が挙げられましたが、それだけではない複雑な背景があることを感じ取っていました。

B氏はすぐに採用活動を強化する決断をしました。
広告予算を大幅に増やし、大手の人材紹介会社とも契約しました。

その結果、一定数の応募者が集まりましたが、入社後すぐに辞めてしまうケースが続出しました。

新陳代謝が良すぎて…ブラック企業⁉

「新しい人が入っても、すぐに辞めてしまう。このままじゃ意味がない。」

ある日、B氏は信頼しているコンサルタントC氏を訪ねました。C氏は状況を聞いた後、こう指摘しました。

「社長、バケツに例えると、今のA社は底に穴が空いている状態です。その穴を塞がないまま水を注ぎ続けても、永遠に満たされませんよ。」

C氏はさらに調査を進め、退職者が増える要因を浮き彫りにしました。

不適切にもほどがある⁉

その一部は以下の通り。

  1. 一部の管理職によるパワハラ的な言動。

  2. 市場平均よりも低い給与水準。

  3. 過剰な残業。

  4. 社員間のコミュニケーション不足。

そこをカイゼンするには⁉

これらの問題を受け、B氏はまず内部改革に着手することを決断しました。具体的には、以下の施策を実行しました。

  • 管理職研修を実施し、ハラスメント防止やリーダーシップスキルの向上を図る。

  • 給与体系を見直し、業界水準に合わせた昇給を実施。

  • 業務プロセスを改善し、残業時間を削減。

  • 社内のコミュニケーションを活性化させるため、定期的な意見交換会を実施。

これらの改革を進める中で、現場からは「働きやすくなった」「自分の意見を聞いてくれる」といった声が増え、徐々に退職者が減少していきました。

また、社員が会社の魅力を自ら発信するようになり、採用活動においても自然と応募者が増えるようになりました。

最終的にA社は、人材確保だけでなく、社員一人ひとりの満足度向上を実現し、かつての安定した成長軌道に戻ることができました。

やってきて気づいたこととは⁉

採用に力を入れることは重要ですが、それ以上に大切なのは、現状の問題点を見つけ出し、改善することです。

退職者が多い企業では、まずその原因をしっかりと洗い出し、解決策を講じることが欠かせません。

底に穴が空いたバケツに水を注ぎ続けるのではなく、まずはその穴を修理する。

この基本的な発想が、会社の未来を大きく左右するのです。

採用に力を入れるのは、現状の問題点をカイゼンできてから始めることなんですが、現場が疲弊している、残業時間が多くなるなどということから、人を採用して人員を満たすことで生産性をあげようとする経営者が多いんです。

穴の開いたバケツにどんどん水を入れても、漏れていくだけだということに気づかないのが現状です。

耳の痛い事については関心がなく、数字を追ってしまうと人はついてこないんです。

事件は会議室で起きているんじゃない⁉現場で起きているんだ!ということをちゃんと理解して、現場の意見に耳を傾けることからはじめていかないと、社員数が増えるどころか、疲弊していくことになり、生産性が下がる結果となったら、業績にも影響が出てくるので気をつけたいところです。

ちなみにこの企業は、昨対80%割れまで落ち込みましたが、社内のカイゼンが進んでいくと昨対148%まで回復し、見事なV字回復をすることができました。

評価についても抽象的な言葉が並んでいたり、上司の無意識なバイアスと自己評価との差異によって、ボタンの掛け違いが起こるケースが9割を占めており、言語化して共通認識を持っていないといけません。

コミュニケーションについては、常にどんな時でも雑談をするように心がけてみましょう。

業務時間中に関係ないプライベートな話をするのではなく、業務に関連することを意識するだけで十分です。

ちゃんと挨拶する時にはアイコンタクトをとるとか、話しかけられたらその人の方をちゃんと向いて話を聞くとか、当たり前のことをバカにせずちゃんとできることが信用と信頼につながっていきます。

武勇伝、自慢話、説教は絶対にしてはいけません。
「私たちの時代は~」と大演説をされると、心のシャッターが閉店ガラガラ~と音を立ててしまり、もう二度とそのシャッターはあくことはないでしょう。

アドバイス=価値観の押し付けになるので、ついついスイッチが入ってしまってやっちまったなぁ~と反省してもいけません。

相手の立場にたって思いやりのある会話をすることがコミュニケーションではないでしょうか。

パソコンの画面を睨みながら、眉間にしわを寄せて話を聞いていたら、イエローカードです。

ちゃんと話を聞いていますよというサインを出すためには、どんなに忙しい状況であっても手を止めて、相手の顔を見ながら話を聞くようにしましょう。

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