人事が変わらなきゃいけない3つの理由
成長できる土壌をつくる
人はすぐには成長することはありません。
年数が経っていればこれぐらいできて当たり前ということもありません。
育ってきた環境が違うから、個人の価値観が違うから、自分たちの価値観を押し付けることは人の成長を阻害することになります。
多様性を認めると同時に、わからないことはわからない、若手から教えてもらうこともたくさんあります。
成長し続ける人は素直さと謙虚さを兼ね備えており、頭を垂れる事をいとわない人です。
年齢を重ねて、ポジションアップすると評論家、批判家になる人が9割います。
自力で勝負する人材を育成するのであれば、はっきり言ってアウトしてほしい。
組織で評論家、批判家が上司になるということは、必要悪でしか無くチームの中でも顔色を伺いながら、チームメンバーは思考停止状況に入ることになります。
そうすると成績が上がらないこともよくあります。
思考停止になる前にいかにして成長し続ける土壌をつくるかというのが急務である。
経営者と人事が一緒になって考えなければならないことではありますが、できていないのが現状。
バブル崩壊以降の教育研修費の削減やマネージャーとしての資質がない人がマネージメントをやっているという異常事態を黙認してきた時代のつけでもある。
例えば、お客様への貢献度についてアンケートを取った上で上位の社員を表彰する方法やビジコンをおこなうことも成長し続ける土壌をつくるキッカケにはなっていきます。
CS(顧客満足度)アンケートなどというのが区切りの時に送られてきたことはありませんか?
これに記入をすることで、その会社の社員が表彰されていると知っていたらちゃんと答えたり、行動を見たりしちゃいますよね。
私も経験があるのでよく分かるのですが、いい成績をとっているからといって、お客様の満足度が高いかというとそうでもないケースがほとんどなんです。
どの賞よりもこれが一番名誉ある賞という仕立てにしています。
どうしても業績だったり、売上が大きいのが云々というふうに見られがちなので、基本的にはお客様に価値貢献できた人たちが一番偉いんだという文化を浸透させています。
ビジコンについては、今後の新規事業を中心にいろいろと活発なビジネスプランを社員から集めるようにしていきます。
こんなことやりたいんだよなぁ〜とくすぶるアイデアを出してもらうことによって、よりブラッシュアップされることになります。
人事移動についても考えなければなりません。
人事主導の人事異動もありますが、優秀な社員はこれでは満足をしません。
公募制ということになると、直属の上司との面談があり、受け入れ先の上司、人事の面談などステップが複雑になります。
また、入社何年目以降ということで、入社してすぐの人材にはチャンスが巡りにくいというのが特徴である。
社内異動制度ということで、1年以上入社した社員は毎年一定の時期に異動の仕組みがあります。
求人票が社員専用の掲示板にアップされ、自分で申し込めるというかたちになっています。
当然ですが、申し込んだところは自分の直属の上長にはわからないようになっていて、異動が決まらなかった場合はそのまま、決まった場合はそこで発表されるというかたちになっています。
経営方針を浸透させる合宿会議
これは会社によって考え方も違いますし、やり方も変わってくるのですが、成長をしている企業は、年に1回ないし、2回は経営方針を浸透させるための合宿会議を行っているのが特徴です。
幹部、幹部候補生を集めて、数十人から数百人規模にも及ぶものです。
それから「合宿会議」というのは、経営陣、幹部、幹部候補生を一同に集めて合宿を1年に1回してまして、社内の経営課題をどう解決しようかとかいうことをやって、その場で決めきるというものです。
時短社員の人事制度、女性向けの社内報、無認可の手当て、複業規定だったり、成長逃さないデーだったり、全部ここで決議をされています。
ほとんどは現場から「こういう仕組みがあったほうがいいよ」という提案が具体的にあって、ここで決めて実行されるというかたちになっています。
こうしたことから、たぶん若いメンバーたちが、自分が経営に参画している感覚をすごく持つようになっていって、会社に所属することがおもしろくなってくるという循環が生まれているんじゃないかなと思います。
具体的な部分というよりは、想いをしっかり共有をして、多様性のある働き方をしっかりと作って、成長機会を提供する。
この3つをしっかりすることによって、比較的伸びる人材が伸びてきて、リーダー・マネージャーが育ってきたというのが、この数年間の規模拡大に合わせて生産性が上がってきたポイントではないかなと考えています。
成長のポイントということで採用強化。
採用強化。採用担当・プログラムの抜本的な見直しをしています。インターンシップを強化したということと、経営者の採用コミットをしっかりとやっているという部分になります。
定着に関しても、同じくインターンシップもありましたが、しっかり入社前後の研修を強化するということと、入社後のアンケートをしっかり取ってるということ、リファラル強化すると定着につながるという部分です。
育成。想いの共有、多様性のある働き方、成長機会の提供。ということで、かなり人事側に力を入れてこの数年間やってきた結果、なんとか今にいたるようなかたちになっているのではないかと思います。
1つでも2つでも、みなさんのなかで「このコンテンツおもしろそうだな」「これやってみようかな」というところをぜひやってみていただければと思います。
経営者の代わりというけれど…
人事が熱心に経営に関することが語れるかどうかが運命の分かれ道になっています。
人事は経営と密接になっているのにも関わらず、成長戦略と育成計画がリンクしていかないと会社が大きくなった時に、屋台骨がぐらつく可能性がある。
内定を出した人に対して口説く時にビジョンが語れない、熱量が少ないことで大どんでん返しがあったりするケースが最近増えています。
経営のことについて、経営者並みに詳しく、誠意を持って答えたりする人が少ないというのが現状です。
そういう人が窓口をやっている以上、採用成功は近づいていきません。
目標に対して7掛け、8掛けが当たり前で、内定辞退率を口実に周りが強力をしてくれなかったからという言い訳をする人事が多すぎます。
人事は忙しいと言うのはよくわかりますが、採用に関しては現場、経営、人事のトライアングルをしっかり組んでやっていかないとうまく採用ができません。
スクラム採用とか言われていますが、人事が現場と経営陣をしっかり巻き込んでススメていくことができないとなると、これからの人手不足といわれている時代に採用の勝ち組へは入れないといっても過言ではありません。