【人事の本音】キャリアの一貫性について
Q:あなたが経営者なら次の候補者のうち、どちらを採用しますか!?
Aさん:35歳、同じぐらいの規模の会社、同業界出身で営業出身者
Bさん:35歳、人材輩出企業と言われている超有名企業出身者ですが、いろいろな業界を経験しており、職種も人事、広報、営業など様々な職種を経験している。
普通の人事であれば、Aさんを本命視して面接を進めていく。
Bさんは次点候補になるか、書類選考落ちとなるパターンが多い。
そこで、同業界出身者が有利であることを考えてみましょう。
同業界にいるということで教育研修に時間をかけることが少なくて済むから、環境適応能力を持っていたら、すぐに活躍してくれる可能性が高い。
人脈、プロとしての視点、経験からくる勝負どころでの爆発力をもっているからこそ、すぐに活躍してくれるイメージがでてくる。
その一方でBさんのように業界の垣根を超えて、異なる場所で異なる結果を出し続ける力については評価が低い。
ジョブローテーションでいろいろな職種を経験させる日本企業にとっては、必要な戦力だけど、人事、経営者の思い込みや先入観があるため、評価されない。
社会人の基礎力を再認識してみよう!
社会人の基礎力を疎かにしてしまって、スキル、経験を重視するあまりに、入社後に高い買い物をしてしまったと後悔する経営者や人事を多く見てきました。
同じ業界、同じ職種にいると、商品知識や仕事の進め方、業界の常識、業界の共通言語になれているため、戦力値が高いという思い込みをしているケースも多くあります。
しかし、社会人の基礎力が高い人であれば、個人差があるとはいえ、すぐに習得できることというのはあまり知られていません。
1:前に踏み出す力…主体性、働きかけ、実行力
2:考え抜く力…課題発見力、計画力、想像力
3:チーム力…発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、規律性、ストレスコントロール
※参照:経済産業省「社会人基礎力とは」より
バランスよく社会人の基礎力が高い人であれば、3ヶ月で習得することができる能力ですが、普通の人なら3年かかるかも知れません。
人の能力と才能と努力がそこにはあるので、完全に個人差があるので、きっぱりとはいい切れません。
厄介なのは決めつけ、思考停止状態で書類選考をしてしまったり、面接をしてしまう人事や経営者が多い。
書類上にはでてこない能力であり、業界、会社の文化や考え方があり、思考性が偏ってしまう傾向があります。
これが採用した応募者が活躍できないというミスマッチの大きな原因にもなっています。
営業と言っても…
求人内容に営業と書いていても、提案をする提案営業と御用聞きの営業ではやり方も考え方も、必要なスキルも全く異なります。
また、反響営業なのか、開拓営業なのかでも違います。
スキル、経験、社会人の基礎力を3次元で見れる転職コンサルタントは全体の1割いるぐらいです。
残りの9割はスキルと経験をみて、「あなたにはこれだ!」と決めつけている人がほとんどだということ。
社会人の基礎力については軽視される傾向があり、これが転職活動でもミスマッチになってしまう原因。
不幸な転職をしたくないというのであれば、社会人の基礎力について質問をしてみるといいでしょう。
「カウンセリングを通して、私の社会人の基礎力はどう見えましたか?」と聞いてみて、納得できる回答なら応募をする、そうでなければ応募をしないほうがいいかも知れませんね。
実績を残せている人はどんな状況でも結果を残す!
オリンピックではよくあることですが、冬ではスピードスケートの選手として、夏は自転車競技の選手として出場した、橋本聖子さんや大菅小百合さんなどがいます。
ビジネスでも同じことが言えるのですが、輸入車販売で世界1位になった営業パーソンが、富裕層向けの別荘、高級マンションを取り扱う不動産でも日本1位の売上を上げることが可能なのです。
なぜ、そういうことができるのかというと、社会人の基礎力があること、経験から得られたことをフレーム化することができており、じぶんの教科書をうまく展開させているからです。
タレントマネージメント、タレントプールを作る上でも、社会人の基礎力というのは重要なファクターになっています。
スキル、経験、社会人の基礎力も3つを3次元でグラフ化できるようになると、ミスマッチが少なくなっていくのではないでしょうか。
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