コロナショック以降の雇用問題
コロナ禍は雇用問題まで影響する
コロナ禍がはじまったのが2020年1月に中国からはじまって、クルーズ船でコロナショックが起き始めたのが2月末から3月上旬の頃。
3月上旬といえばその頃までには派遣社員さんの契約更改が終了して、6月末までの延長、10月までの延長など、派遣社員さん、派遣会社の営業さん、クライアントの三方が大きな山を超えた頃でした。
その後、コロナショックが起きるとは誰もが思っておらず、このまま好景気が続いていくのではないだろうかと推測をして、楽観視していたのは間違いないでしょう。
しかし、事態は状況悪化をしていく中で、3月15日前後に、オーバーシュートや市中感染という感染症の専門用語が飛び交うようになりました。
その後緊急事態宣言となり、外出自粛など生活に変化が出て、新しい生活様式に慣れてくださいというようになった。
派遣社員の大半は3ヶ月、たまに6ヶ月、極稀に1年契約というように、コロナ禍が本格的にすすむ前には契約問題が終了しており、派遣会社の営業さんも3ヶ月の数字の確保ができていた。
5月30日から31日にかけてタイムリミットを迎えるのが、派遣社員の契約更新問題。
6月30日の契約更新をどうするかという問題が、ゴールデンウィーク明けから続いているのはあまり知られていない。
リーマンショック後も3ヶ月後に派遣切り
2008年の年末に派遣村という言葉が流行ったことを覚えていますでしょうか。
2008年の8月〜9月に起きたリーマンショックの影響で、年末に契約更新ができなかった人たちが集まって、みんなで年越しをしたニュース映像が今でも覚えています。
2008年北京オリンピックの裏で起きた事件であり、アメリカを震源とした不況の波があっという間に世界中を駆け回った。
その前兆として、日本でも空前のマンションブームであったのが2000年代中頃から続いて、大都市ではタワーマンションがドンドンと出来上がった。
その不動産業界が少しずつ新着着工件数が少なくなっていたこともあり、建設ラッシュだったのが落ち着き始めたのが、2008年の1月ごろからだった。
同時にアメリカでも住宅の新着着工件数が横ばいから減少していており、住宅ローンを抱えた人たちが、支払いができなくなってしまったことが原因で、新築よりも中古市場のほうが盛り上がり、需給バランスが崩れてしまったことが原因ともいわれている。
サブプライムローンの焦げ付きによる不良債権が発端となって、リーマン・ブラザーズが倒産してしまった。
それによって日本でも一気に不況の波が押し寄せてきた時代でもあります。
雇用問題が発生するまで、3ヶ月から6ヶ月かかるというのが特徴的です。
リーマンショックが発生してから約3ヶ月後に雇用問題が発生して、製造業を中心とした期間工の人たちを中心とした派遣社員が年末の年の瀬に契約更新なしということで雇い止めになった。
同じ轍をまた踏むのか!?
リーマンショック以降は、人材ビジネスが冷え込んでしまった時期でもあった。
派遣社員は契約更新の際に、契約社員になったり、正社員になったりする人が多くなり、当時250万人ぐらいいた派遣社員の人口が減少した。
不安定な派遣社員という選択肢よりも、安泰の正社員、契約社員に身分チェンジをする人が多くなったことが原因ともいわれています。
その後、東日本大震災が起きるまでは徐々に人材ビジネスも復調になり始めたが、企業のM&Aや業界の再編がすすんだ。
大手が自分たちの弱い部分を持っている会社を買収したり、大手同士の合併などもすすんだ。
コロナ禍の人材ビジネスとリーマンショックの人材ビジネスを比べようとしても、そう簡単にできないというのが現状。
リーマンショックのときには市場規模が2000億円から700億円まで縮小をしていることもあり、コロナショック以降はそれぐらいまでの規模縮小であったり、それ以上の規模縮小が予想されています。
なぜなら、採用の選考スピードが鈍化してしまったり、採用の見直しなどがコロナ禍でドンドンすすんでいるのが現状です。
採用をストップしたり、最終選考を前に採用終了など、イレギュラーな状況で採用がストップしているケースがあります。
新卒採用の見直し、中途採用の見直しはもちろんですが、新規事業の見直しやM&Aの見直しなども見据えてくることが多いので、これから買い手市場に一気に市場が変化していくことになります。
リ・リ・リ・大リストラが起こる!?
また、リーマンショック後のように大規模なリストラがこれから待っているということ。
40代以上については特に危機感を持って仕事をしてほしい時代へと突入します。
40代に入ると年収が頭打ちになり、ポストが空かない限り出世の道は絶たれてしまう傾向があり、転職経験がゼロという人は市場価値がゼロと判断をされる可能性が高くなります。
転職経験があったとしても、不景気の時代に実績を残せた経験がない限り、採用される可能性が低くなる。
なぜなら、好景気の場合はイケイケドンドンで勢いで流れに乗ることができたかも知れませんが、不景気の場合は知恵を絞って、独自性を出して、共感してもらうことが求められる時代です。
いろいろな経験が必要とされてその中で最良な判断をすることができるようにならないと、管理職の意味はないし、40代以上は特に求められる力だと言えるでしょう。
これから求められるリーダー像も変わってきています。
不景気では先頭を走り抜けて旗を振り続けるリーダーが重宝されて、好景気になると全体を見て底上げをするフォロワーシップのリーダーが重宝される。
冷静に分析をして、間違っていいから批判を受ける覚悟を決めて、仕組みをしっかり理解してコミュニケーションをとり、いざとなったら一気に物事を動かせる行動力。
決められない理由は、間違っていいから批判を受ける覚悟を決められない。
豪快な上司が絶滅危惧種になってしまったのは、時代の流れかもしれないけれど、何かあったら責任を取るのがリーダーの仕事でもある。
失敗から学ぶことが多くあり、失敗をしないで安全地帯を走り抜けることができる時代ではありませんから。