転職を考えるときに事前に調べたい4つのポイント
企業規模が違う会社への転職は注意が必要
今現在、他社でも誇れる実績を出せる人というのは有利に転職をすることができる。
社外評価が高いからといって、それが年収に直結するということはないけれど、自分のキャリアの選択肢を広げることにはつながっていくことは間違いないでしょう。
誰が見てもハッピーな転職と見えても、実は評価があまりよくない転職もよくある。
それは企業規模が異なっているケースが非常に多いという特徴がある。
大手から中小、ベンチャーに転職した場合、縦割りでもなければ、プレイングマネージャーとして走り回る形になるのが基本形である。
そして決済が早いというのが特徴としてあげられることになる。
逆に中小、ベンチャー企業から大手企業へ転職をした場合には、社内政治のじれったさやプロパーと中途採用の格差など、肌でかんじることも非常に多くある。
いろいろな会社でいろいろな転職者を見てきたり、人事として採用をしたり、早期退職などに関わっていると、どうしても曲がって見てしまう傾向があるのはしょうがない。
表面的につくることもできるし、内定出しをして入社をしてもらうまでが採用の仕事ではない。
本音で生きている人がいるのであれば、人事ではなく営業とかで活躍する。
会社の雰囲気については、いくら聞いても肌で感じないとわからないことが多い。
杓子定規でモノゴトを考えることよりも、自力で問題解決をしていくことができる人材となると、市場にいたとしても、勘違い採用をしてしまうことになる。
ネームバリューや実績はその当時のものであり、自社の資本や体力で結果を残せるかどうかは別。
即戦力として採用をしたつもりが裏切られたとかんじる前に、6ヶ月で活躍できるフィールドが用意できるかを考えなきゃいけない。
会社が変われば実績はリセットされるわけだし、社内の信用預金もリセットされる。
どんなチームでどういう活躍を期待されているのかわからないけど、私からすると経営者と人事もよく考えて、フィットする人材を採用することに注力をしてほしい。
数合わせの理論はいらないし、何年かかってもいいというわけではない。
採用の期限をきめたら、そこから逆算をして、どうアプローチをするのか、どういう手段で人を集めるのかなど、知恵を絞らなきゃいけない。
人材紹介会社に頼んだとしても、面接設定率や通過率、内定率等によっては、相手にされない会社も多くあるから、職種に合わせて使い分けなきゃいけない。
自社で集めるのであれば、ホームページやソーシャルメディアなどからアプローチをしやすくする。
直ぐに結果が出るものではありませんから、常にマイナーチェンジをしながら、試行錯誤でいろいろなことをやっていかなければならない時代。
しかし、言い訳大将になっているのが経営者と人事だ。
明確な採用基準を設けていないこと、お互いに人物像も見ている景色も違うため、採用のミスマッチということがおきてしまう原因については触れずに、全ては採用担当者の責任にするというのが日本企業の採用システムである。
言葉は一緒でも、中身が違う求人票
企業の規模や成長度合いによって、優秀な人材という意味が変わってくる。
これは人材紹介会社の営業の9割が知らないことですし、その言葉の裏側まで追求することがないから、ミスマッチが起きることになる。
言葉の裏側まで突っ込むだけの勇気と質問力がないというのが特徴だ。
なんでと3回繰り返すように質問をしてくることがないので、表面的に言葉を勝手に良い方向に解釈をすることで、大間違いを起こす。
その企業が成長過程になっているのか、創世記なのか、繁栄期なのかというのは、そこで働く人たちを見ていると気づくことがよくある。
ポジティブにアグレッシブに働いているのか、黙々と働いているのかでは大きく意味合いが変わってくる。
例えば、成長期に入っている企業であれば、組織やビジネスモデルがちゃんとしているわけではないので、それなりにリスクを覚悟で攻めることができる人材を採用する傾向がある。
逆に繁栄期になっている企業であれば、組織やビジネスモデルがちゃんとしているから、どちらかというとディフェンス寄りの考えを持っている人を採用する傾向がある。
中小企業やベンチャー企業の場合、決済権が現場にあったりするので、めちゃくちゃ早い対応をしている企業がほとんどである。
企業規模が大きくなるに連れて、リスクを回避するために慎重になりはじめる。
大きな汚点はマイナスイメージになり、ブランド力の失墜にまでいくことがあるからだ。
優秀な人材がほしい、即戦力として活躍できる人がほしいということで、求人票をざっくりとつくってしまうことになるのだが、表面上は全く見えていないことが多くある。
面接に行ってあれっ!違うという違和感があるのはこれが原因であると考える。
本質を見抜けない面接官
何度も言っていることですが、即戦力とは企業で活躍してくれる人物ではありません。
いいかえるとしたら、社風ややり方に慣れてもらって、組織を動かしてくれる人というのが正しいだろう。
転職した場合には3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月ぐらいは見極めるのに時間が必要である。
なぜなら、転職する前の企業のやり方がどうなっているかが問題になることがある。
大手企業の場合はどんなことでも細分化されることになり、枠をはみ出ることがない。
中小企業やベンチャー企業の場合はマルチプレイヤーとして活躍してもらうことがある。
そのため、枠にとらわれることなく、どんなことでもやることになる。
大手企業の採用の場合、マルチプレイヤーは必要ない。
専門家のプレーヤーを探していることが非常に多くある。
中小企業やベンチャー企業の場合は、マルチプレイヤーを求めている。
セパレートの分業制のところから来ると、美味しいところだけを部下から取り上げて、さぞかし自分の手柄のようにする人がいるからである。
昔、採用支援をしてきた企業さんからいわれたことがある。
大手企業の出身者はリスクを取りたがらない。
根回しやプレゼンテーション能力は高いのだが、スピード感がない。
中小企業やベンチャー企業出身者はリスクを取りながらでも、失敗してもいいから、やってみようという気持ちが強い。
気持ちの問題という人もいるが、仕事のやり方はそう簡単に変えられないし、仕事に対するスタンスもすぐに変えることができないのだ。
転職者のせいにする人事も多いのですが、本質を見抜けない面接官に問題がある。
何でもかんでも採用担当の責任にするのであれば、経営者失格である。
これが日本企業の間違った採用の既成概念である。
正社員にしないと母集団が形成されることがないのでやめましょうというが、こういうミスマッチを避けるのであれば、契約社員で契約をしてから、仕事ぶりを見て正社員にすることへスイッチすればいい。
自力で勝負をすれば、環境が変わることもある
大手企業の出身者は大手企業でしか成功しないというのは違う。
所属している企業によって異なるのが業務内容の詳細である。
前は当たり前だったことが、いまの会社では違うことがあったりするのは、想定の範囲内であるということになる。
企業風土に染まることは悪いことではないが、企業風土になれるということは柔軟性とスピードを失うことになる。
そういうリスクがわかっているのと、わかっていないのでは大きく違う。
状況に応じて柔軟に学ぶことができるのであれば問題ないのですが、意外にちっぽけなプライドやくだらない過去の栄光にぶら下がっていると、転職先での評価が低くなってしまうのはあたりまえのこと。
常に自分がおかれている状況を分析して、何をしたらいいのかということを考える。
それがわかったら、全力投球をすることになるだけ。
そうすることによって、次のステージに上っていける。
一番怖いのは思考停止と機能不全を起こすこと。
これをキャリアの突然死といっている。
受け入れる企業も転職者もお互いに歩み寄る必要がある。
前の会社ではこうだったとか、うちはこういうやり方だとか、意地の張り合いをしている以上、お互いが不幸になるだけだ。