転職活動をしている人は実は◯%しかいません。
ヘッドハンターとエージェントの違い
ヘッドハンティングについて多くの方が感じる疑問に、「どうやって人材を探し出すのか?」というものがあるかと思います。
登録された転職希望者を紹介する一般的な人材紹介サービスと、決定的に違うのがこの部分です。
これこそ、ヘッドハンティングならではのポイントなのです。
スタートから違う!?ヘッドハンティング
一般的な「転職情報サービス」や「人材紹介サービス」は、その多くが大手転職ポータルサイトをはじめとした転職希望者のデータベース内から人材をマッチングしています。
転職希望者は自分が希望する職場の条件やプロフィールを登録し、人材がほしい企業側も同様に、求める人材の条件を登録しておきます。
そして、双方の条件が合致したところでマッチングを行います。
つまりこれらのサービスは、「転職したい」とみずから手を挙げ、サービスに登録している人だけが検索対象となります。
ですが、ヘッドハンティングではこうした手法はとりません。
そもそもあらゆる業界を通じて転職を希望する人の割合は、ある意識調査によると労働市場の60%に及ぶといわれています 。
現在の職場にはそれなりに満足している。だから今すぐ転職したいと考えているわけではない。
しかし、「現在の職場より良い条件」や「自分の力が活かせるやりがいのある職場」があるなら転職してもいい…。
そうした考えを漠然と持っているビジネスマンが数多くいるのです。
しかし、実際に転職活動を行っている人は、全体の約5%に過ぎません (2016年2月16日公表、総務省「労働力調査」)。
その一方で、多くの企業が求めるような優秀な人材であればあるほど、役職や報酬などの待遇面で優遇されていることが多いため、転職への欲求は低いという事実もあります。
つまり「今すぐ転職したい」とは考えていない、または漠然と「転職をしてもいいかもしれない」と考えている優秀な人材を探し出す。
それがヘッドハンターの人材発掘ということになります。
一般の人材紹介サービスとは、このスタートの時点からまったく異なるのです。
ヘッドハンターの情報源
では、実際にヘッドハンターたちは、どのようなルートを通じて優秀な人材を探し出しているのでしょうか?
これには多くのルートがありますが、おもなところは以下のとおりです。
1. コンサルタント・リサーチャーが持つ独自のネットワーク
2. 業界紙・専門誌などからの情報
3. 勉強会やイベントなどの登壇・参加者情報
4. 当該業界内や業界に詳しい人物からの評判
5. SNS・インターネット上などの公開情報
6. 特許情報
7.独自システム開発による効率的な人物サーチ
8. 各社がリリースしている人事情報
ヘッドハンターに寄せられるクライアントからの依頼は「転職市場ではほぼ獲得のできない優秀な人材」であることがほとんどです。
そのため、各業界の業界紙や専門誌は、非常に有益な情報源になります。
そうした媒体で記事にされるような人物はその業界のトップランナーであり、各分野の寵児といってもいい存在ですから、貴重な人材だということになります。
各企業で活躍するセールスマンやマネージャー、エンジニアなど…。
ヘッドハンターはさまざまな人材の情報を収集することができるのです。
情報収集をしたらリストアップする
ターゲットは、単にクライアントの求めるスキルを持っているというだけでは十分ではありません。
その人物がビジネスマンとして、あるいは一人の人物として優れているかどうか。
それは、組織の一員として活動するためには欠かせない条件となります。
そういった情報を得るには、やはり口コミ、風評が重要です。
その業界に広い人脈を持っている人物からの情報や、コンサルタント、リサーチャーが持っているネットワークなどを通じて情報を集めます。
勉強会や研修会、セミナーなどに参加していれば、そこでの評判も有益な情報になります。これらの集まりに参加しているということ自体、向上心が旺盛で勉強熱心だと見ることもできますから、それだけでもどのような人物かを推し量ることができるでしょう。
フェイスブックのようなSNSを利用していれば、公開されている過去の投稿などから、その人物像を知ることも可能です。
こうした書き込みには本音が表れたりするものですから、現在の職場での不満や仕事に対する姿勢、将来的な展望などがつかめることもあります。
このほかにも、独自に構築した情報ルートや人材リサーチのシステムなど、ヘッドハンティング会社は数々の方法を用いて人材検索を行います。
こうして得られた多種、多様な情報を総合的に判断して、クライアントの要求にふさわしい人材をリストアップしていくのです。
知らないうちにあなたもリサーチ対象
このように、ヘッドハンティング会社は多岐にわたる手法を使って、人材を発掘していきます。いくつものルート、いくつもの手法を使う理由は、情報の精度を高めるためでもあります。
そして、クライアントの条件に合う人材を見つけたら、より深くリサーチをかけていきます。
もちろん、この段階ではまだリサーチ対象である本人に接触することはありません。
ですが、これだけターゲットの情報を集めておきながら、本人に接触することが非常に難しいこともあります。
本人の連絡先は公開されている情報ではありませんから、そう簡単に手に入れることはできません。
堂々と勤務先を訪れるというわけにもいきませんから、意外と手こずるところでもあります。
ともあれ、ヘッドハンティングでは、クライアントが「このような人材を探している」という情報が外部に漏れないよう、慎重にリサーチを進めます。
そのためターゲットも、リサーチされていることに気付くことはまずありません。
この記事をお読みのあなた自身、すでにヘッドハンティング会社のターゲットとして、知らないあいだにリサーチされているかもしれないのです。