
大災害から浮かび上がったソーシャルメディアの役割とは⁉
大災害から浮かび上がったソーシャルメディアの役割とは⁉
災害が発生したとき、人々は何を求めるだろうか?
避難経路、救援物資、家族の安否、ライフラインの情報…。
かつてはテレビやラジオがその役割を担っていたが、今、最も頼りにされているのはソーシャルメディアだ。
実際、東日本大震災やトルコ地震、ハリケーン被害などの災害時に、ソーシャルメディアが果たした役割は計り知れない。
では、なぜソーシャルメディアが災害時にこれほどまでに力を発揮するのか?
そこには、「即時性」「双方向性」「拡散力」という3つの大きな特徴がある。
即時性:リアルタイムで「今、何が起こっているのか」を伝える
地震や台風などの災害が発生した瞬間、人々はまず情報を求める。
しかし、従来のメディアでは限界がある。
✔ テレビ局や新聞社が情報をまとめて発信するまでに時間がかかる
✔ 行政の公式発表を待っている間に、状況がどんどん変わる
そんな中、ソーシャルメディアでは…
✔ 被災者自身が「今、この場所はこうなっている」と投稿できる
✔ SNS上で「道路が崩れた」「ここに逃げるべき」などの情報が瞬時に広まる
✔ ニュースよりも早く、現場のリアルな状況が伝わる
たとえば、東日本大震災では**「津波が来るぞ! 逃げろ!」**というツイートが、
多くの人々の命を救ったと言われている。
また、トルコ地震の際には**「がれきの下に閉じ込められている!」**とSNSで助けを求め、
実際に救助されたケースも報告されている。
この「即時性」こそが、ソーシャルメディアが災害時に欠かせない理由の一つだ。
双方向性:情報の受け取り手が「発信者」にもなれる
災害時、情報は「受け取るだけ」では不十分だ。
必要なのは、人々が互いに情報をシェアし、助け合うこと。
✔ 「○○地区の避難所は満員」→ 別の避難所の情報をシェア
✔ 「この道は通行できる」→ ドライバー同士で情報共有
✔ 「○○さんが行方不明」→ SNSで安否情報を拡散
特に、LINEのグループチャットやTwitter(X)、Facebookなどは、家族や地域コミュニティでの情報共有に大きな役割を果たす。
また、最近では「Googleパーソンファインダー」などの安否確認ツールも、SNSと連携して活用されている。
つまり、災害時のソーシャルメディアは「助けを求める場」であり、「助け合う場」にもなるのだ。
拡散力:救援情報が瞬く間に広がる
災害時には「いかに早く、正しい情報を多くの人に届けるか」がカギとなる。
ソーシャルメディアの拡散力が、ここで威力を発揮する。
✔ 「○○避難所では水が足りない」→ 数時間後には支援が届く
✔ 「この橋は崩れている」→ すぐにルート変更のアナウンスが流れる
✔ 「救助が必要な人がここにいる」→ SNSを見たボランティアが駆けつける
これにより、従来のメディアでは届けられなかった「ピンポイントな支援」が可能になる。
また、政府や自治体もこの拡散力を活用し、公式SNSアカウントを通じて
✔ 避難指示の発表
✔ 支援物資の配布情報
✔ デマ情報の注意喚起
などを行うようになってきた。
SNSの「拡散力」は、命を守るための大きな武器になるのだ。
しかし、ソーシャルメディアには「危険」もある
一方で、ソーシャルメディアには「負の側面」もある。
特に、デマ情報の拡散は災害時に深刻な問題となる。
✔ 「○○に大津波が来る!」→ 実際にはデマだったが、多くの人が混乱
✔ 「この企業は救援物資を独占している!」→ 偽情報が拡散し、企業が風評被害を受ける
✔ 「この写真は今の被災地の様子です」→ 実は過去の災害の写真だった
こうしたデマを防ぐために、情報の「出どころ」を確認する習慣を持つことが大切だ。
✔ 公式機関の発信を優先する(気象庁、自治体、赤十字など)
✔ 複数の情報源をチェックする
✔ 拡散前に「本当に正しい情報か?」と考える
デマに流されず、正しい情報を見極める力が求められている。
これからの災害時に、ソーシャルメディアをどう活用すべきか?
災害時にSNSを活用するために、私たちができることは何か?
以下の3つが重要だ。
🛠 ① いざという時の「公式アカウント」をフォローしておく
✔ 自治体の公式X(Twitter)やLINEアカウント
✔ 気象庁やNHK防災の公式アカウント
✔ 地元の消防・警察のSNS
日頃からフォローしておけば、いざというときに正しい情報をすぐに得られる。
🛠 ② 「緊急時の発信方法」を知っておく
✔ ハッシュタグ「#救助要請」「#安否確認」を活用
✔ 位置情報をつけて発信
✔ 家族や友人と「SNSで安否確認をするルール」を決めておく
これにより、混乱を防ぎつつ、迅速な対応が可能になる。
🛠 ③ 偽情報に注意し、正しい情報をシェアする
✔ 「感情的にならず、冷静に判断する」
✔ 「確実な情報だけを拡散する」
✔ 「デマ情報を見つけたら、公式情報とともに訂正する」
一人ひとりがこの意識を持つことで、SNSを「命を守るツール」として活用できる。
ソーシャルメディアは「命を救う武器」になり得る
✔ リアルタイムで情報を届けられる即時性
✔ 被災者同士が助け合う双方向性
✔ 必要な支援を一気に広める拡散力
ソーシャルメディアは、正しく使えば「命を救うツール」となる。
しかし、誤った使い方をすれば、「混乱を引き起こす原因」にもなる。
今こそ、私たち一人ひとりがSNSの「力」と「リスク」を理解し、
災害時に本当に役立つ情報を発信・拡散できるように備えておくべきだ。
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