時代に合わせるということが真である⁉3つの理由
100人いれば、100通りの人生価値観がある
コロナショックの影響かどうかはわかりませんが、SNSで検索をして引っかかった情報を拡散してしまったり、叩きやすい人を叩く傾向が広まっているのは事実です。
正義を振りかざしている人が多くなっているのは、心に余裕がなくなっている証拠であり、人事やエージェント界隈でもいろいろな情報が錯綜しています。
昔とある企業の採用を支援させていただいている時に、面接キャンセル率が70%という尋常ではない企業がありました。
なぜ面接キャンセル率がこんなに高いのかということを分析してみると、案外と簡単な答えでした。
しかし、経営者や役員は口を揃えて、「自分のことしか考えていないんだなぁ」、「俺たちの時間に対する対価がどれぐらいか知っているのか!?」というように他者に責任をなすりつけている事に気づきました。
なぜ、途中離脱をするのかということが突き詰められていない現状があり、そこから次のような仮説が立つことになります。
1:採用の選考スピードが早いから
2:接触回数が少なく、コミュニケーション量が少ないから
3:信頼関係が構築できていないから
1については、転職をしようとしている人の特徴として、何社も同時に応募して、面接が並行して進んでいることがよくあります。
なぜなら、9割以上のエージェントや転職サイトには、チャンスは1度しかないのと、応募締め切りなども発生するなどということから、右から左へ受けるように進めています。
内定が出たとしても第一志望でない場合、いろいろな理由をつけて回答期限を伸ばすことは常套手段になっています。
逆に即断即決ができるケースとしては、第一志望であり、面接での印象、担当の印象がよく、クリーンなイメージがあることが多くあります。
応募にも第一波、第二波…というように3日から1週間周期でいろいろな企業へドンドン応募していくことになり、選考スピードを違うため、遅く応募をすればするほど、温度が一気に上ることはなく、消し忘れた炭のように徐々に熱くなってくるから時間がかかることが多い。
採用担当やエージェントの腕の見せ所ではないだろうか!?
選考スピードとの兼ね合いもあるのですが、接触回数が少ない、表面だけの関係だとどうしても、途中離脱したり、当日欠場(ドタキャンも含む)が起こるわけです。
接触回数が少ないということは、本音を聞けていない可能性が高くあります。
文字で伝えればいいやって思う人が多いんですけど、文字では熱量が伝わりません。
SlackやLINE、Messengerが発達して24時間いつでもどこでも連絡をする手段を得たことになるわけですが、接触回数が少ない人が熱いメッセージを送ってきたとしても面倒くさい人と思われてしまう。
日本人はすぐに本音と建前を使いたがるから、腹を割って話すことはよほどのことがない限りしないだろう。
採用をよく恋愛に例える人が多いけど、支配ではなく尊重することを忘れてしまっている。
「時間を作ってもらっているんだぞ!」「この時間をつくるためにどれだけの人が関わってきたと思うんだよ!」という人事やエージェントがいますが、私から言わせてもらうと、本音でぶつかっていないのと支配したいという気持ちが伝わってしまった結果であると言える。
やってやっているのに、なぜ裏切られたんだという怒りが発端になっており、候補者に向かってちゃんと言える人はいない。
なぜなら、問題になってしまうリスクがあり、ネットパトロールの対象になり、炎上してしまうというリスクを背負っているからだ。
だから、裏でコソコソいっているうちは、売上も上がりにくいし、採用目標人数も未達になってしまうもの。
こういう人たちの9割が、候補者に対して無意識のマウンティングをしているということ。
候補者と平等とは表ではいっているけど、裏では自分のポジションを守ることことに必死になっている。
ポジションを奪われる不安から、会話や文面ににじみ出てくることが多く、そのことを敏感に感じ取ってしまう候補者もいる。
主導権は絶対に譲らない、気持ちで押し切るというのが基本スタイルであり、昭和の根性論や精神論でガツガツした会話をしてしまう。
全ては数字のため、自分の保身のために行動をしているケースが多い。
それは最近の働き方改革で成果をあげていかなければならないのと、売り手市場だったということもありますので、応募してきた人を離したくないというのと、自分の評価を守るために必死になっているから、裏切られたんだという気持ちが大きくなってしまうのではないだろうか。
そういう人もいるんだ!という割り切りも必要だし、そういう人が人事をやっていたり、採用代行の窓口をやっている限り、好転することはないと言えるだろう。
そういう人たちを敵として見ることになってしまって、周りに優しい人達がいるとぬるま湯につかってしまうことになる。
そうなると視野が狭くなってしまうのと、アウエーで戦うことができなくなるため、環境適応能力が著しく下がってしまう。
人には個性というものがあるわけで、育ってきた環境によっても異なります。
人それぞれものさしがちがうので、同じものを持ち合わせていません。
あなたの常識が他人にとっては非常識であったり、あなたの非常識が他人にとって常識であったりすることがよくあります。
価値観の押しつけや思い込みは信用と信頼がない人にとっては厄介なことであり、離れていくことは間違いないでしょう。
経営者の中にもアポや面接のスケジュールがあるにも関わらず、お客様先にいってしまったり、社内トラブルを優先してしまう人もいるから。
経営者は採用について重要なファクターを占めているにも関わらず、自分が動くことでクライアントとの信頼を優先させてしまったり、社員との絆を優先させてしまったりする。
2:6:2の法則があり、上下の2割、中の6割と言われている。
組織も応募者も同じことが言えて、下の2割に対して腹を立てて怒っている時間があるのであれば、上の2割、中の6割に時間を使ったほうが遥かに採用がうまくいく。
接触回数を増やすためにはメールだけではなく、電話でのコミュニケーションや面接前後にあって話をすることなど、もっと手段があるのではないかと仮定できる。
メールや文字でのやり取りになると温度が伝わらない。
いくら大事なことであるといったとしても、文字では伝わらないんだよね。
言葉にして熱量を伝えるにはどうしたらいいのか、面接前日にモチベーションを見るために電話をしたり、面接終了後にフォローの電話をしたり、その時の優先順位について腹を割って話すことができないのだろうか。
転職って人生の一大イベントでもあり、勝負駆けをする人もいるわけだから、コミュニケーションのとり方を考えなければいけない。
見抜けないというのは自分の仕事が忙しいということを言い訳にして逃げ回っているだけ。
信頼関係を築くこと、相手を尊重すること
信頼を得るためには何をしているのか?ということを考えてほしい。
ちょっとした約束を平気で破ったり、事態を説明しなかったり、曖昧な回答をしてしまったり…例をあげればきりがないのですが、アタリマエのことを馬鹿にせずちゃんとできていますか!?といいたい。
昔の会社の上司から教わったことですが、「信頼を得るためには相手のニーズに答えるだけではなく、期待を超えることができるようにならないと行けないぞ!言われていたことができるようになっただけでは、信用や信頼はえられない」
また、「信用や信頼はドミノをコツコツと立てて、エリアテーマと本線を地道に作っていく作業を繰り返して徐々に作り上げていくもの。どんな小さなほころびでもドミノがすぐに倒れてしまって、再度立て直すにはモチベーションと相当な集中力が必要になるからなぁ!」ということを教わった。
相手に対してきちんと答えていれば、ちゃんと答えてくれる。
いい加減なことをするといい加減な対応をされてしまう。
意見と考えをもってクライアントの問題に取り組まないと意味がない。
ちゃんとした対応をしているようで、喉に小骨が刺さったような感覚や違和感を覚えてしまうと信頼関係は成立しないもの。
あなたがアタリマエのことを馬鹿にせずちゃんとできているようで、他人から見るとアタリマエのことを馬鹿にせずちゃんとできていない可能性もある。
原因と結果ということにつながるのですが、面談や面接に当日来なかった人に対して目くじらを立てるぐらいなら、あなたの行動に原因がなかったのか?ということを検証してみるとわかります。
よくあるのがメールを送っているから大丈夫だ!ということで前日に電話やメール、SNSで連絡を入れていないことが多くあります。
一番最初にいいましたが、候補者の意向というのは刻一刻と変わってくるものであり、その状況を把握できていないなら、把握するためには何をしたらいいのか、どうしたらいいのかということを考えて行動してみてはどうでしょう。
信頼関係ができていないから裏切られてしまうというのは事実です。
一つの例ですが、私が採用担当をする際にいい続けていることが次の通りです。
・嘘はつかない。→嘘が発覚すると信用預金が一気にマイナスになる。
・他社の悪口を言わない。→ブーメランのように自分に戻ってくるから。
・マシンにならない。→血の通うようなコミュニケーションをとる。
・綺麗事ばかり言わない。→期待値が上がり、現実とのギャップに悩むから。
・応募者の取り扱い注意→未来のエンドユーザーになるかも知れないから、下手に悪い印象を与えてはならない。
・マウントとるな→マウンティングすることによってこの人の下では働けない、こんな会社では働けないという印象を与えてしまう。
・話さず、人の話を聞け→相手に喋らせることによってボルトネックが浮かんでくる。そのボルトネックを解消するためにどうするのかを考える。
支配するのではなく尊重をするということにつながっていくのです。
採用担当として、エージェントとして入社をさせることが目的になってしまったり、自分の保身のために売上を上げるために無理矢理クロージングをしてしまったことなど、今振り返るといろいろな失敗をしてきたからこそ言えることなのです。
特に20代のときにはガツガツ、イケイケドンドンでエージェント業をやってきていましたが、東日本大震災以降考え方がかわり、見える景色も変わりました。
人のことをとやかく言う前に自分がどうやって変わるのか、変わったことによって見える景色も変わってくるわけです。
選択と集中、鶏か卵かということ言われますが、それだけではなく、時代が変わり、考え方が変わってくるわけですから、それに対して自分自身がしっかりと合わせられるかどうかが問題なんです。
過去のやり方、自分のやり方が正しいかどうかはわかりませんから、若手からいろいろなことを教えてもらったりする時代でもあります。
一歩間違えると裸の王様になってしまうということを肝に銘じておく時代でもあります。
今までサボってきた人がやる気を出した時に、よっしゃーって支援できるようなコンサルタントがいてほしい。
今までやってこなかったあなたが悪いんでしょ。というスタンスのコンサルはいくらでもいるから、独自性が出しにくいんよ。
人は変われるという事を信じたい。そして支援したいなぁ。
気持ちを入れ替えて、本気でやるんだ!っていう人についてはいつでも手を差し伸べられるコンサルタントってほとんどいないから。
魅力がある人は人徳(にん)がある人が多い。
目の前の仕事をやると高さがましていき、専門性が増してくるので広さが出てくる。そうしていくうちに人の深さ出てくることによって人に認められる様になる。
どうしても人はキラキラしている部分にフューチャーしがちではありますが、実はいろいろな失敗をしているからこそ言えることも多くありますし、それだけ本気でチャレンジしてきたからこそ言えることも多くあります。
失敗してきたり、間違えたりして色々なことをチャレンジしていくことってこれからの時代は特に必要になってきます。
失敗しないやつはいないわけだし、失敗して遠回りをした分、人としての人徳(にん)が厚みを増してくるわけです。