劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場決戦
少し前ですが、行ってきました。
劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦
いやすごかったああ。タイトルコール見た時にはもう泣いてました。
なんかもうどういう感情なんでしょ。オカンの感情ですかね。
映画ハイキュー!!の素晴らしさはもう多くの人が十分語っているので私ははじめて感動した4DXとエンタメ仕掛けについて語りたいです。
4DXについて「椅子が動くんでしょ。水が降るんでしょ」くらいしか思っていませんでした。
洋画で2回ほど見たことあるのですが、まあ想定の範囲内、という感想だったので。
だからそれほど熱心に試したいとも思っていなかった。
普段田舎住まいで4DXの映画館がないというのもある。そもそも映画館が近くにありません。私がハイキューを4DXで見たのはたまたま都会に行ったという偶然とバレーボールにおける4DXってどんなもんかしらという好奇心に他なりません。
・・・なめてました。マジで全力で謝罪したい。
誰にだろ?映画配給会社さんにかな。
いつどんな衝撃をさせる、どんな風を、どんな香りを送るって誰が決めているのでしょう?
バレーボールであれほどのゆさぶりを受けるとは思いもしなかった。
あ「ゆさぶり」というのは物理的にも精神的にもです。
今の若い子たちのバレーボール経験がどんなものかよく知らないのですが、私の子供の頃は女の子は結構多くの子がバレーボールをやっていました。
だから体育館に立ち込めるエアーサロンパスの香り、レシーブやアタックの衝撃、床の摩擦でシューズがキュッキュッと音を立てる感覚、ボールを全力で追いかける際の自分の視界、を体感で覚えています。
今回語りたいことは2つ。
①4DX演出の魅力
②視点
まず①。
4DXについてアクション映画における衝撃でしょ、と思っていました。
要は映画をアトラクションとして楽しめってことでしょ、と。
劇場版ハイキューにおける4DXは違いました。
バレーボール経験のある人にとっては、あの場(バレーボールの試合会場)を思い出す装置として、バレーボール経験のない人にはバレーボールの衝撃を体感させる装置として機能していました。
気付けば主観で場(コート)に立って、その衝撃を主体として味わっていました。
この辺でゆらして脅かしとけばいいんでしょ、みたいなやっつけ仕事ではなかった。いっそこの衝撃の演出は職人が考えに考えて作ったんですと言われたい。それくらいマッチしていたと思います。
水と光は必要か若干迷う箇所がありましたが、それでも今まで見た4DXの最高峰でした。
そして
②視点
マンガに思い入れがあればあるほど映像は見たくないものです。
コマとコマの間を埋める自分の想像を全部視覚化されて、音声をつけられて、「コレじゃない」と思うことは残念ながら多いです。
基本私はマンガ読みなのでアニメは見ません。
それが作品への最大のリスペクトだ、くらいに思っています。
※そう言っといて見たら見たで声優さんやアニメーターさんに感動したりもするんですけど。
劇場版ハイキューは、マンガではできないことをやっていました。
それが「視点」。
観客として見ていたはずなのに気づけば研磨の視点でコートを走るとかマンガで表現するのはなかなか難しいですよね。
でも映画ではそれがあった。
ゴミ捨て場の決戦は「ネコとカラス」の戦い。
研磨と日向の戦い。
ここでネコの視点とか出す!?
で、この視点が伏線になってるとかある!?
地上で戦うネコと空中で戦うカラス。
試合中の研磨のボールを追う視点が、ネコが空中のカラスを追う視点なんよ。
これはマンガでは味わえない。
マンガで躍動感を表現するのは限界があると思うのです。想像で補っても抜けがあるものです。
映画は圧巻の視点誘導、圧巻の躍動感でした。
作った方、絶対ハイキュー好きですよね。
そして床に倒れた研磨がつぶやく心からの「たのしー」。
マンガを読んだ時に思い描いていた、心からの「たのしー」がありました。
私は熱烈クロファンなので日向の喜びよりクロに共感して滂沱の涙でした。
ところで「応援上映」なるものをはじめて知りました。
いやたぶんなんとなくネットで見たことがあったような気もするのですが。
なるほどこれほど応援上映がふさわしいものもないです。
自動制御ペンライト演出って…。
「試合」だからこそ映えるものってありますよね。
日本はよくエンターテイメントが遅れていると言われています。
たしかに遅れている部分も多く、危機感を持つのは大事だろうと思います。
でもこういうものを見ると本当に改めて日本のエンターテイメントってスゴイなと感心します。
冷静に考えたらマンガアニメの試合の応援を声を出してペンライト振ってする!?
でもするのよ、日本人は。
ホント根っから本気でエンタメが好きなんですよね。
相手が生身じゃないとか関係ない。その場どころかこの世にいないとか関係ない。
熱烈に愛し、熱烈に応援するんですよ。
そしてその熱狂を分かち合うんですよ。
そこには何の見返りも求めなくて、もうただただ愛するだけで幸せになるという愛の自家発電&共有です。
日本のエンターテイメント産業は遅れているのかもしれない。
でも、日本のエンターテイメントラバーは最高だなと思うのです。
そしてエンターテイメントをエンターテイメントたらしめている核はエンターテイメントラバーの愛の熱量です。
何の見返りも求めない。ただただただただ注ぐ無償の愛。
劇場版ハイキュー!!応援上映における観客は、そのままゴミ捨て場決戦の観覧客であり、物語の大事な登場人物です。
この仕掛け、いったいいつから考えてました?
今回これほど感動した一番の理由は、ハイキュー!!製作者の圧倒的ハイキューラバーっぷりなんだと思います。
断言するけど、製作にかかわった人が一番ハイキューラバー、エンターテイメントラバーです。
そんなわけで感想は、愛の分かち合いをありがとう!! です。
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