自分の中のヒキガエル
人はだれしも心の中にヒキガエルがいるのだと思うのです。
って話からはじめると、???と疑問符が浮かぶ方もいらっしゃるかもしれませんがまあちょっと聞いてください。
先日、お友達んちの庭にヒキガエルが出現しました。
田舎育ちの私の中に
ヒキガエル=毒があって触るとかぶれる
という認識があったので
「触るとかぶれるから気を付けてねえ」
と言いつつ、何となくヒキガエルについて調べました。
あら、びっくり。
ブフォトキシンという結構猛毒です。食べたら死ぬ可能性があります。
古今東西、毒と薬は表裏一体。このヒキガエルの毒は薬として使われていました。それが皆さんも聞かれたことがある「蝦蟇(がま)の油」。落語スキの方はよくご存じでしょうが、この蝦蟇(ガマガエル)とはヒキガエルのことです。
で、毒があるヒキガエル。このおかげでヘビに襲われません。唯一「ヤマカガシ」というヘビを除いては。
なんと。ヤマカガシという毒蛇は毒を2種類持っていて、毒の1種類はヒキガエルの毒を自分の中で有効活用しているのです。
そんなヒキガエル。毒もあるし、愛らしいわけでもないし、庭にいたらつい追い払いたくなりますよね。今時「蝦蟇の油」なんか使わないし。
ところが驚きのこのヒキガエル、自分を外敵から守るために毒を出すのですが、その毒がついでに土壌の細菌繁殖や寄生虫繁殖を防いでいる、というのです。
皆さん、自分の中に
消してしまいたいほど嫌いな自分
は、いますか?
それって、このヒキガエルみたいじゃないですか?毒々しくて、醜くて、人に嫌われて・・・
でも、そのヒキガエルの存在には意味があるかもしれません。
だれしも自分の中に毒も薬も持っています。
自分が消してしまいたいと思うほど呪わしい自分は、とても強力な毒で、実は強力な薬になるのかもしれません。
そう考えると、自分の中の消してしまいたい自分も愛おしく感じませんか。
自分の中の消してしまいたいヒキガエルの毒性を受け入れ、使いどころを見つけられたらすごいと思いませんか。
きっとこの話はミクロにもマクロにも同じことが言えます。
自分が所属しているコミュニティーで顔を見るのも嫌だと感じている人がいるとしたらあなたにとってその人はヒキガエルなのかもしれません。
自分の毒も、人の毒も薬になりうるのだな、と思うと、より深く関わり、毒を理解していきたいと感じます。
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