【休職体験談No.13】 大好きな旅行会社で働くはずが…薄給&休めない現実に疲れ果てた話
こんにちは。休職タイムズです。今回は旅行会社大好きで旅行会社に就職した25歳の広瀬さん(仮名)の休職体験談をお届けします。
プロフィール
名前:広瀬 いずみ(仮名)
年齢:25歳
性別:女性
前職:中堅旅行会社・企画営業職(新卒入社後3年)
休職理由:
憧れの業界だったが、給与が低く土日休みもなし。長時間労働が常態化してメンタル・体力ともに限界に。
旅行シーズンの繁忙期には休日ゼロ状態になり、ついに休職を決断。
1. 「海外旅行が大好き!」――憧れだけで飛び込んだ新卒就活
大学時代、私は旅が好きで国内外を問わずバックパッカーのように動き回っていました。現地の人々との触れ合いや異文化の発見が楽しくて、「こんな感動を多くの人に伝えたい」と思い立ち、自然と旅行会社を志望。
ありがたいことに第一志望の中堅旅行会社に新卒で内定をもらい、入社初日は夢のようでした。企画やツアー同行を通じてお客様を笑顔にできる——そう信じて疑わなかったんです。
2. 現実は「薄給&土日なし」の過酷さ
配属後しばらくは先輩のサポートをしながらツアー企画を学び、ワクワク感を味わっていました。しかし、半年も経たないうちに業界特有の過酷さを痛感するようになります。
基本給が想定よりもかなり低い
旅行シーズンになると残業&休日出勤が当たり前
土日に営業イベントや添乗があるため、連休がほぼ取れない
さらにお客様のキャンセルやトラブル対応で、深夜までメールと電話のラリーに追われる日も少なくありませんでした。忙しさ自体はやりがいと紙一重なのかもしれないけど、給与も低く、プライベートを確保できる日はほとんどゼロ。思い描いていた“夢の仕事”とは違うギャップに、モチベーションが落ち始めました。
3. 休日出勤続きで限界。心も体もボロボロになった
特に年末年始やGW、お盆などの繁忙期は、ほぼ休みなしで働く状況が続きます。イベントや団体ツアーの企画・手配に加えて、当日のトラブルが起きれば電話対応やクレーム処理に追われる。先輩も「これが当たり前だよ」と笑うけれど、私には到底余裕がありませんでした。
気がつくと、家に帰ってもクタクタで、睡眠時間は数時間。朝起きて「またあの長い勤務時間が始まるのか」と考えると、胸が苦しくなり、電車のなかで涙が出てくるほど。自分でも「このままじゃヤバい」とわかっているのに、一向に状況は改善されません。
4. 休職を決断したきっかけ――「旅行が大好きなはずなのに、もう何も楽しめない」
疲れがピークに達したのは、初めての1週間連続出勤を終えた日のことでした。自分の企画したツアーが成功してお客様が喜んでくれたのに、達成感よりも圧倒的な虚無感が勝ってしまったんです。
そんな思考が頭をグルグルめぐり、涙が止まらなくなりました。その夜、少しだけ勇気を出して心療内科に駆け込み、医師から「一度、まとまった休養を取る必要があります」と言われてしまいます。会社に相談すると、案の定「人手不足だから困る」の一点張り。でも、もう限界でした。最終的に休職を申し出る形で、ようやく休みを確保できたんです。
5. 今は「休む」ことに集中し、これからの自分を見つめたい
今現在、私は自宅で休職中です。会社からは「ぜひ早く戻ってきてほしい」と言われてはいますが、正直なところ、薄給&土日休みなしの体制が変わる兆しはありません。このまま戻っても、再び体を壊すのが目に見えている気がします。
休職期間中にじっくり自分のこれからを考えたい。「旅行が好き」という気持ちは消えていないけれど、この働き方を続けるのは自分の人生を台無しにしてしまうとも思います。もしかしたら他の業界を探したり、少し規模の大きい旅行会社や別の形で観光業に関わる道を模索するかもしれません。
終わりに
「憧れの旅行会社で働く」という夢は確かに叶えましたが、その裏で待っていたのは薄給・休日ゼロ・終わらない業務という過酷な現実。理想と現実のギャップに苦しみ、私は休職に至りました。
体を壊してまで夢を続ける必要はあるのか——休職を通して痛感したのは**「自分の健康と生活があってこそ、本当にやりたいことを続けられる」という真実**です。もし同じように旅行・観光業界で消耗しきっている人がいるなら、どうか一度自分の“生活”を最優先して考えてください。憧れだけでは乗り越えられない壁があるなら、立ち止まる選択肢も決して逃げではありません。
「このまま会社を辞めるか、それとも復帰してもう少し頑張るか」はまだ決めきれていません。でも、今はとにかく自分の心身を休めることが先決だと思っています。“旅”が大好きだった自分を取り戻すためにも、少し立ち止まって、新しい道を考えてみる時間を大切にしたいです。
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