【休職体験談 No.12】 第2新卒で転職したベンチャー企業で宇宙(コスモ)を感じてすぐに休職した話
こんにちは。休職タイムズです。今回は第2新卒でベンチャー企業に転職したら、宇宙(コスモ)を感じて休職した24歳の月島さん(仮名)の休職体験談をお届けします。
プロフィール
名前: 月島 浩也(仮名)
年齢: 24歳
性別: 男性
経歴: 新卒で中堅IT企業に入社するも、1年半で退職し“第2新卒”としてスタートアップ企業へ転職。
休職理由:
入社直後に想像をはるかに超える業務量、謎のノルマ、そして“奇怪な儀式”に遭遇し、心身を限界まで追い込まれた。
「これ以上は耐えられない」と思い、わずか1カ月で休職を決断。
1. 「うちで新しい世界を創ろう」とか、夢みたいな言葉にやられた
僕が転職を決意したのは、新卒入社した大手IT企業で“歯車感”を強く感じたことがきっかけでした。「もっと自分の手で世界を変えるような仕事がしたい」「スタートアップで爆速成長するんだ!」と息巻いていたんです。そこへ舞い込んだのが、
という代表取締役の口説き文句でした。それを信じ込み、興奮して入社を即決。当時の仕事に嫌気が差しており、違う仕事ができるならとあまり会社のことを調べずに入社を決めてしまいました。(これが大きな失敗です。)まさか自分が“世界を変える”どころか、自分が異世界へ飛ばされるとは想像していませんでした。
2. 初日から謎の儀式「宇宙の意志に感謝」を強要される
入社初日、僕はオフィスで驚愕の光景を目撃します。朝礼で社員が輪になり、
と謎のコールを唱えているじゃないですか。
代表や役員も当たり前のように参加していて、しかもこれが毎朝恒例らしい。なんだろう、カルト宗教?それともベンチャー的ハイテンションなノリ? どっちにしても「やべぇ……」と青ざめました。
3. 「1週間で1000万円の売上」を出せ!? 意味不明なノルマ
スタートアップであることを考慮しても、会社のノルマ設定があまりに荒唐無稽でした。僕が配属された“爆速事業部”では、なんと
と命じられます。もちろん僕は「この会社、大丈夫?」と思いつつ、「第2新卒とはいえ、即戦力扱いされたい」と気合を入れようとしました。
ところが、まともな商品リストすらない。提案資料も作りかけ。なのに代表は「勢いがあれば売れるでしょ?」などと笑いながら言う始末。もはや営業というより白昼夢です。
4. 深夜に呼び出され“ビッグバン会議”なるものに参加させられる
入社2週間目、深夜1時に突然上司から電話があり、
と言われました。断る余地もなくタクシーでオフィスへ向かうと、そこには役員や先輩社員が集まり、エナジードリンクと謎のヒマラヤ塩を盛り付けた皿が用意されていました。電気を消した部屋の中で、ろうそくの明かりだけがゆらめき、みんな無言。
数秒後、代表が「さあ、ビッグバンの力を解放しよう!」と雄叫びを上げ、全員でそのヒマラヤ塩を少しずつ舐めはじめたんです。……もう何が何やら。僕は動揺しすぎて言葉を失ったものの、断れない雰囲気に押されて舐めたら、やたらしょっぱいだけ。結局何のための会議だったのか不明のまま、朝方に解散。そして翌日も普通に9時出社。この会社、常識が通じない……。
5. 限界寸前、意味不明なノルマと“儀式”に挟まれて消耗
日を追うごとに、僕はどんどんメンタルを削られていきました。
朝は「宇宙の意志に感謝」コール
昼は膨大な営業電話をしろと言われる
深夜は突然の“ビッグバン会議”で塩舐め
さらに上司からは「第2新卒なら、即戦力でしょ?」「まさかスピリチュアルな儀式にビビってるわけじゃないよね?」とプレッシャー。社内には「こんなハチャメチャこそがスタートアップの醍醐味」みたいなノリが蔓延していましたが、僕にはあまりに理解不能。
入社してから1カ月もしないうちに、胃痛と頭痛が毎日襲ってきて、夜も眠れず。出社前は「今日はどんな奇行を強いられるんだろう」と恐怖で動悸が止まらなくなりました。
6. 「これはもう無理だ」——休職を決断
結局、僕は入社から約1カ月で限界が訪れました。会社を辞めるかどうか以前に、メンタルが壊れるレベルでストレスを抱えてしまい、医師から「少し休養しないと危険」と言われたんです。正直、「こんな短期間で休職なんて情けない」と自分を責めましたが、このまま続ければ壊れるのは明白でした。
代表や上司に申し出ると、「お前、宇宙の意志を信じられないのか?」と謎の説教を受けましたが、そんなのもう知らん。医師の診断書を出して強行的に休職を宣言。体が震えたけれど、最後の自衛手段でした。
終わりに
世間には「ベンチャーは大変だけど、成長できる」というイメージがあります。確かに大変な部分は覚悟していたけれど、僕が入ったスタートアップはそれをはるかに超えた奇妙な儀式と意味不明なノルマが当たり前の世界。勢いがある=何でもアリ、ではないはずです。
第2新卒で転職という形でリスクを負ったのに、まさかこんな短期間で休職に追い込まれるとは思いませんでした。でもあのままだったら本当に人格が壊れたかもしれません。
今は休職しながら、「この経験を活かして、今後はもっと慎重に会社を選ぼう」「怪しい習慣や社風が垣間見えたら全力で逃げよう」と決意しています。夢や勢いは大事だけど“カルト的スタートアップ”には要注意。自分を守るためなら、休職しようが逃げようが仕方ないんです。
もし同じように第2新卒でベンチャーに飛び込んだ結果、「思ってたのと全然違う!」と絶望している方がいたら、どうか自分を責めずに、早めに手を打ってください。再出発はいくらでもできますから。
僕自身もこの休職期間で心身を回復しつつ、次の一歩を踏み出そうと思います。いくら宇宙(コスモ)の意志を語られようと、自分の健康と理性を最優先に考えたい、と痛感した出来事でした。
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