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【休職体験談 No.15】「たまたまコンサルに受かってしまった僕の“破滅”ストーリー」

こんにちは。休職タイムズです。今回は人気コンサルに新卒入社しながらも休職に至った富樫さん(仮名・24歳男性)のエピソードをお届けします。


プロフィール

  • 名前:富樫 剛(とがし つよし)

  • 年齢:24歳

  • 性別:男性

  • 出身大学:MARCHレベル(特筆すべき実績なし)

  • 前職:人気コンサルファーム(新卒入社1年半)

  • 休職・退職理由

    • 就活でまぐれ的に内定をゲットしたが、入社後の「鬼ロジック&激務」な世界に完全についていけず。

    • 面と向かって「小学校からやり直せ」と罵声を浴び、精神的に崩壊して休職に。


1. 「コンサルに受かってしまった!?」奇跡の内定

「コンサルタント」という単語を初めて知ったのは就活シーズン真っただ中。
もともと広告代理店志望で、芸術やら何やら好き勝手に過ごしていた僕は、「メガベンチャー」や「コンサル」なんて言葉すらピンとこない人間でした。

ところが、広告企業の面接で玉砕し、ボーッとしていたところ、友人に「お前は地頭がいいからコンサル行けよ!」と押されるままに受験。結果、まさかの内定をもらってしまうというミラクルが起きました。

周囲は「すごい、勝ち組!」とお祭り騒ぎ。まるで超レアアイテムを引き当てたみたいに、皆が僕をチヤホヤしてくる。「なんか、偶然選ばれちゃった? 俺って天才?」と、謎の自己肯定感に包まれて舞い上がっていました。


2. 入社式から狂気の片鱗──「君、計算できないんだね?」

入社式で同期と顔を合わせると、東大・京大・一橋あたりの“猛者”ばかり。なのに自分はMARCH出身で留学歴もなければサークル実績も皆無。明らかに空気が違うんですよね。
すると新人研修で早々に事件が──簡単な「ケース演習」で回答を発表したら、研修担当マネージャーが「何それ? 君、計算できないんだね? 小学生からやり直しなよ」と爆撃発言。周囲は笑うに笑えず、僕は凍りつきました。

「え? 皆、これが普通なの?」

カジュアルに“人格否定”が飛び交う世界。ここから既に嫌な予感はあったのに、「周囲に追いつかなきゃ!」と謎の意地で踏ん張ってしまったのが悲劇の始まりでした。


3. 激務の毎日…「体感20時間稼働」で思考停止

コンサル案件配属後は、もう激務なんてレベルを通り越した“鬼ロジック地獄”。クライアントの経営戦略を考えると言いつつ、

  • 朝8時:チームミーティング→資料100枚作成して!

  • 夜20時:別クライアントとの電話→緊急レポート30ページ!

  • 深夜1時:上司の赤ペン修正→「何この読みづらい文章? 国語力ゼロか?」

  • 朝5時:やっと帰宅→2時間仮眠でまた出勤

これを繰り返していると、ある日突然、どこにいるのか自分でも分からなくなります。「あれ、俺の家って……? 俺、何してるんだ?」みたいな。まさに“意識飛んでる”状態でPCをカタカタ打つ日々。

上司いわく「これが一人前のコンサルタントへの道」らしいです。が、僕は「え、これ拷問では?」としか思えない。


4. 面と向かって「退職すれば?」と促されメンタル崩壊

周囲はガチで高スペック&ガッツの塊ばかり。それに比べて僕は**「勉強しろ」と言われても、何をどう勉強すればいいか分からない状態**。クラウドツールや英語資料、膨大なExcel関数、案件ごとの業界知識……全部、1日で詰め込める量を超えていました。

あるとき、ミーティングで資料ミスが発覚し、上司がボソッと

「君さ、向いてないから退職すれば? そのほうが楽だよ」

と言い放ったんです。確かに“楽”かもしれない。でも、その瞬間、プライドとか意地とかいろんな感情がぐちゃぐちゃになり、涙が勝手に出てきて。必死に耐えたけど、心がポッキリ折れた瞬間でした。


5. 1年半で限界…病院へ直行して休職を宣言

結局、1年半が過ぎた頃には、もはや睡眠不足&パワハラ発言で鬱の手前に。夜な夜な

「なぜ俺はここにいる?」
「なんでこんなに怒られる?」
「もう辞めようかな……」

と頭を抱えては、翌朝「仕事行きたくない」と布団で泣く始末。病院で診断書をもらい、「精神的にこれ以上は働けない」と上司に伝えたら、あっさり「そう。じゃあ手続き進めるわ」と冷淡な返事。
こうして、いまだかつて経験したことのない速度で**“休職”**が決まりました。


終わりに

「コンサルタント」という仕事は、向いていれば超やりがいがあるし、キャリアも広がる魅力的な世界です。でも運任せで入社して、本当の意味で“適性”を考えなかった僕の結末は、壊れる一歩手前の休職でした。

やはり人気企業の内定がたまたま出ても、そこに本当に自分が耐えられる土台があるのかを真剣に想像していなかったのが最大のミス。周囲の「すごいね」「羨ましい」の声に酔いしれて“自分が本当に成し遂げたいこと”や“能力の限界”から目を背けてしまった代償は大きかったです。

もし同じように、ラッキーでコンサルに入っちゃったけど「何か違う」「もう辛い」と思っている人がいるなら、遠慮なく自分の心と向き合ってください。遅すぎるなんてことはない。僕のように、「この仕事を続けるのは無理」と気づいてからでは遅いかもしれませんが、それでも自分を守る行動は早いほどいい。

今、僕は休職期間を使って、自分がどう生きたいか考え直しています。大変な思いをした分、次こそ自分に合った場所を見つけたい。少なくとも、適性も興味もないのに「コンサル=すごい」の魔法に取りつかれるのは二度とごめんだな、と痛感しているところです。


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