【他人事ではない】オヤカクとは? 就活生の親が最低限知っておくべき基礎知識
近年の就活で話題の言葉、「オヤカク」を知っていますか?
「就職先は子どもに任せているから自分には関係ない」
と思っている方は要注意。なぜなら現在の就活では、就活生を持つ親の52.4%*、つまり半数以上の親が「オヤカクを受けた」と話しているからです。
この割合は年々増加しているため、「息子さん・娘さんを弊社に入社させることに同意しますか?」といった承諾を求められる日は、そう遠くないかもしれません。
そこで今回は、就活生の親が押さえておきたい「オヤカク」について紹介します。
オヤカクってそもそも何?
オヤカクに対して親ができることは?
と気になっている方は、ぜひ最後までご覧ください。
* マイナビ|2023年度 就職活動に対する保護者の意識調査
オヤカクとは?
オヤカクとは、企業が学生に内定を出すときに「親に確認を取る」(親確→オヤカク)という意味の言葉です。
たとえばお子さんがA社から内定を取ったときに、親御さんとしては次のようなケースに遭遇する可能性があります。
「お子さんの入社を承諾されますか?」といった内容の誓約書にサインを求められる
「『内定を受諾するにあたって親の承諾を取ってください』とA社から言われたんだけど」と子どもから相談される
A社の採用担当者から「一度お会いしませんか?」と言われる
オヤカクが増えている背景と理由
オヤカクを実施している企業の意図として大きいのが、内定辞退を防ぎたいこと。
内定を出した学生に「やっぱり入社しません」と言われると、企業としては採用に掛けたコストが無駄になり、新たな採用コストや労力も発生します。
特に近年は、
「『入社しないほうが良い』と親から言われました」
「親と相談した結果、御社には入社しないことを決めました」
といった理由から、内定を辞退する学生が増えています。
そこで「あらかじめ親の了解を取っておくことで、就活生の内定辞退を防ぎたい」といった思いから、内定を出すタイミングでオヤカクを実施する企業が増えているのです。
オヤカクの具体例
近年は、自社の良さを親にアピールすることで内定辞退を防ぎたい、という企業の動きも活発です。
「親を頼りたい」と思っている子は多い
ちなみに、子どもの就活に親が干渉することを良しとしない風潮もありますが、その一方で、実は「親を頼りたい」と考えている子は少なくありません。
事実、新卒向けサービス「dodaキャンパス」の調査によると、「就職先の企業を検討する際、自分以外で誰の意見やアドバイスを一番重視したいか」という質問に対し、「親(父親・母親)」と答えた割合が最も多くなっています*。
私自身、就活塾の講師をしていても、親の意見を良い意味で参考にしている学生が増えているようにも思います。
親御さんが就活に干渉することは、決して悪いことではありません。気をつけないといけないのは「過干渉」になってしまい、お子さんの考えに耳を傾けなくなってしまうことです。
お子さんの良き相談相手となるためにも、まずは考えや悩みを傾聴しつつ、お子さん目線に立ってアドバイスを送ってあげましょう。
* dodaキャンパス|「自身の就活やキャリア観醸成に影響を与えた人や経験・体験」に関する調査結果
オヤカクを受けたらどうする? 就活生の親ができる対策
オヤカクを受けたときに備え、親御さんができる対策を3つお伝えします。
まずは慌てない・焦らない
子どもの意向をしっかり確認する
正しい知識&最新の知識を手にする
①まずは慌てない・焦らない
オヤカクに対し、まず意識したいのが「慌てない・焦らない」ということです。
企業によっては「1週間後までに承諾してください」と迫ってくることもあるかもしれませんが、承諾期限の延長は企業に相談できますし、あくまでも“形式的”に承諾書などを書かせるケースも珍しくありません。
親といえど、子どもの未来やキャリアを心配に思うのは当然のこと。
しかし、焦って判断を誤ってしまえば、それこそ子どもの将来にマイナスな影響を与えかねません。
そこでまずは冷静になり、これから紹介する2つのことに取り組んでください。
子どもの意向をしっかり確認する
正しい知識&最新の知識を手にする
②子どもの意向をしっかり確認する
原則として、成年を迎えた子どもがした労働契約を親が取り消すことはできません。
つまり親が入社を許可しなかったとしても、(18歳以上の)子どもが入社を希望したら子どもの意思が尊重されるということです。
これは当然のように思うかもしれませんが、子どもの未来を心配するあまり過干渉になってしまい、親自身の考えを強く押し通してしまう方は少なくありません。
親御さんのスタンスとしては、次のような姿勢が望ましいでしょう。
まずは子どもの考えや意向を確認する
そのうえで子どもが勘違いをしていたり、視野が狭くなっていると感じたり、世間的に見て明らかに怪しい会社だと感じたらアドバイスを送る
③正しい知識&最新の知識を手にする
こちらの記事「親が知らない! 今の就活と昔の就活「決定的な5つの違い」」でも紹介したとおり、親世代の就活と現在の就活は大きく異なります。
就活は自分自身も経験してきたことなので、親御さんとしてもアドバイスをしやすいですし、社会人の先輩としても言いたいことの1つや2つはあるはずです。
しかし、親世代の親(子どもから見たら祖父・祖母)の時代の日本と、親世代が学生の頃の日本、そしてZ世代*と言われる今の若い子たちの日本は、大きく異なります。
そして「昔の常識が、今の非常識」に特になりやすいのが、就活です。
名前も知らなかったAmazonやGoogleなどのIT企業が急成長を遂げる一方で、“絶対に安泰”とされていた大手金融機関が倒産するといったように、社会の常識は時代によって大きく変化します。
就活生の親世代の方々は、まさにこうした激動の時代を駆け抜けてきたことでしょう。
ここで大切なのが、自分の経験だけを判断の材料にしないこと。
そのために、正しい知識や最新の知識を意識的に手にするようにしてください。
たとえば先ほど紹介した記事を読むだけでも、今の就活生が抱えている悩みや大変さを理解でき、子ども目線に立った助言を送れるようになります。
オヤカクについて法的に不安なことがあれば、「弁護士ドットコム」のような無料の相談サービスを利用するのも一つの手です。
就活のプロに相談したい方や、意見を参考にされたい方は、弊社「キャリアアカデミー」でも無料の相談会を開催しているのでお気軽にご参加ください。
*Z世代:1990年代後半~2010年代ごろに生まれた世代(2024年現在では、13歳~29歳ごろの年齢にあたる)
オヤカクについてよくある質問【Q&A】
オヤカクについてよくある質問に4つお答えします。
Q1. オヤカクとは何ですか?
Q 2. オヤカクが増えている理由は?
Q 3. オヤカクとオヤオリの違いは?
Q 4. オヤカクに対して、親はどのように対応すれば良いですか?
まとめ
内定承諾時に親の承諾を求める「オヤカク」について、オヤカクを求める企業が増えている背景や、親ができる対策方法などについてお伝えしました。
少子高齢化に伴い学生の数が減っていることから、企業としては新卒社員の確保に必死です。そのため今後もオヤカクのように、親を巻き込んだ「新たな内定辞退策」に取り組む企業は増えるでしょう。
とはいえ、ただでさえ忙しい親御さんが、こうした企業の動きや、就活の最新情報を手に入れるのは至難の業です。
・就活の“リアルな情報”を正しく、スピーディーに把握したい
・自分の就活知識や就職経験だけを頼りに子どもにアドバイスをするのは不安
・プロの力を借りつつ、子どもが就活で失敗しないようにサポートしてあげたい
こうした思いをお持ちの方は、就活塾キャリアアカデミーをぜひご検討ください。
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