見出し画像

【コンサル転職の準備④】 元マッキンゼー社員による戦略コンサル内定者のケース面接対策を公開

こんにちは。コンサル業界の転職に役立つプラットフォームcareersuiteを運営しています。株式会社Liquet転職エージェントのオオスミです。

弊社では転職希望者と転職支援に関心がある企業のOBOG現役社員との模擬面接を実施し、業界の理解を深めながらミスマッチが少なく内定率の高い転職活動をサポートしております!

今日は元マッキンゼー社員によるケース模擬面接の様子をご紹介いたします。

しかし、やりとりは実践に近い物となります。ご自身でも考えながらぜひご覧ください!


<ケース面接の動向について>

ケース面接は昨今行わない企業も増えておりますが、戦略コンサルファームやストラテジーチームでの採用ではかなりの高確率で行われます。
実際、マッキンゼー,BCG,ベイン,A.T.カーニーなどのMBB戦略コンサルの中途面接では複数回の面接で毎回ケース面接が行われます。
コンサルタントとして最も求められる「思考力」を試す上で欠かせない物と言えます。
また思考を昇華する面接官との「ディスカッション力」が大きな評価点となります。


なので、極力実際に近い模擬面接を体験しスキルを向上させていただくことが内定への近道です。

実践さながらの様子がお役に立てば幸いです。


<今回の注目ポイント>

ケース面接や戦略的思考において重要視される以下の点が今回のポイントとなります。
・MECE (漏れなく重複なく)に想定顧客をグループ化できているか
・想定顧客の数字の妥当感はどうか



それでは、どうぞご覧ください


今回のお題

①日本の革靴市場の規模
②日本の革靴が売り上げを伸ばすのが難しい理由として考えられる課題を抽出せよ



模擬面接スタート


メンター:

それでは、日本の革靴市場の規模を計算しましょう。高級かどうかは一旦置いておきます。市場規模を出してください。時間は5分です。質問があればどうぞ。

求職者:
高級かどうかに関わらず、革靴全般の市場規模でよろしいでしょうか?

メンター:
はい、そうです。

求職者:
わかりました。計算します。

メンター:
今から5分間でお願いします。




試算時間

皆様も5分で考えてみてください






(5分後)







メンター:
そろそろ時間ですが、延長が必要ですか?

求職者:
大丈夫です。

メンター:
それでは、推定市場規模を教えてください。

求職者:
市場規模は9000億円と推定しています。

メンター:
なるほど。

求職者:
計算の方法ですが、紳士靴の年間販売数に平均単価を掛けたものです。また、何年に1回買い替えるかという頻度も考慮しました。具体的には、働いている男性を対象に平均所有数を3足として計算し、日本には約9000万足の紳士靴があるとしました。

メンター:
ありがとうございます。9000万足に3万円を掛けて、3で割ったということですね。

求職者:
はい、その通りです。

メンター:
理解できました。この推定に基づいて、実際の市場規模はこれより大きいと思いますか、小さいと思いますか?

求職者:
少し小さいと思います。

メンター:
その理由は?

求職者:
平均所有数が3足という点や、平均単価3万円が高すぎると思います。紳士靴を趣味にしている人は少なく、感覚的には10人に1人いるかどうかです。これが過大評価されているのではないかと。

メンター:
ありがとうございます。補正するとすれば、どのくらいの市場規模になると?

求職者:
ざっくりとですが、4500億円くらいになるのではないかと。

メンター:
そうですね。実際の市場規模は1255億円です。

求職者:
なるほど。

メンター:
この結果を踏まえて、どのように細かく計算しますか?

求職者:
まず、対象の男性人口3000万人のうち、スーツを着ない人やリモートワークをしている人を考慮するべきです。これにより、3000万人から2000万人に減らせると。

メンター:
はい。

求職者:
次に、靴の所有数も靴が好きかどうかで絞り込むことができます。年収に応じて靴の所有数が異なるため、2000万人からさらに絞り込めます。

メンター:
なるほど。

求職者:
年収1000万円以上の人々は市場のごく一部で、彼らの購買行動は特殊です。年収600万円未満の人々は高級な靴を買う頻度が低いと。

メンター:
また、靴を買い替える頻度も価格によって変わるため、この点も考慮する必要があります。

求職者:
はい。

メンター:
これらの要素を組み合わせると、より現実に近い市場規模が推定できます。

求職者:
質問してもいいですか?

メンター:
どうぞ。

求職者:
市場規模を推定する際に、変数をどのように取り扱うべきか、いつも迷います。全ての変数を考慮すべきでしょうか?

メンター:
理想的には全てを考慮するべきですが、制限時間がある場合は、主要な要素だけを扱うのが効果的です。

求職者:
理解しました。フィードバックの際に、この点についてもう少しお話ししたいです。

メンター:
よろしくお願いします。

メンター:
時間があれば、全く違うアプローチを取るとしたら、どのように対応するかといった質問があるかもしれません。少し時間があれば聞こうと思っていたのですが、今は話が盛り上がったので、一旦ここで終了し、次の質問に進みましょう。少し時間が厳しいですが、やってみますか?

求職者:
はい。

メンター:
今の話を聞いていて思ったのですが、日本の革靴も昔から職人技が素晴らしいと評価されており、クオリティも高いのですが、売り上げを伸ばすのが難しいですよね。その理由として考えられる課題を抽出しましょう。時間内で課題の抽出を優先して考えてください。

メンター:
質問があればどうぞ。

求職者:
特にありません。

メンター:
大丈夫ですか。5分でお願いします。その後、5分で説明してもらって、フィードバックを行います。それではお願いします。




試算時間

皆様も5分で考えてみてください






(5分後)




メンター:
それでは、時間になりましたので、説明をお願いします。

求職者:
先ほどの売り上げの計算式を活用して、革靴を履く対象の人×所有数×単価で売り上げを計算しました。それに基づいて、日本の紳士靴メーカーの課題を設定しました。

求職者:
まず、対象になるが少ないという点については、海外メーカーのブランド力に負けている部分があり、日本のメーカーは他の海外メーカーに名前負けしているのではないかと考えられます。

メンター:
はい。

求職者:
次に、所有数の点では、機能性を重視するユーザーが多く、日本のメーカーは機能性に特化した革靴が多いです。そのため、同じメーカーで複数の革靴を所有するケースが少ないのではないかと思います。

メンター:
はい。

求職者:
最後に、単価の部分ですが、日本のメーカーは職人技に特化していますが、革の質などが価格に反映されていないと感じます。

メンター:
ありがとうございます。これら三つの課題を抽出しました。

求職者:
知名度が海外より低いという点については、ブランディングや有名ブランドとのコラボレーションを通じて、認知度を高めることが考えられます。また、日本のメーカーは小規模なところが多いため、小規模なメーカー同士でアライアンスを組んで、認知度を高めることも一つの方法です。

求職者:
所有数が少ないという現状については、機能性に特化した製品を多方面に展開することで、複数の革靴を所有するきっかけになるのではないかと思います。

求職者:
単価の部分については、日本の革の品質を向上させる活動を通じて、一般消費者にもその価値を理解してもらえるような取り組みが必要だと思います。説明は以上です。

メンター:
ありがとうございます。あと少しだけ時間があるので、例えば年収や靴の好みを軸にしたターゲット層をどのように設定するか、考えてみましょう。

求職者:
靴を好きな人を増やすのは難しいですが、革靴が好きではなくても、お金を持っている層をターゲットにするのが良いと思います。

メンター:
ありがとうございます。年収600万から1000万の層や、それ以上の1500万以上の層をターゲットにするという感じですかね。

求職者:
そうですね。ミドル層をターゲットにするのが良いと思います。年収1500万円以上の層は革靴を所有する機会が増えるため、この層をターゲットにするのが効果的です。

メンター:
ありがとうございます。時間が来てしまったので、一旦ここまでにしましょう。
説明はとても分かりやすく、ロジカルでした。最初に結論を提示したのは良かったと思います。ただ、少し抽象的な表現が多く、もう少し具体的な内容が欲しかったですね。例えば、ブランド力に関しても、具体的な戦略を挙げると良かったです。

メンター:
ターゲット層についての答えは良かったです。もう少し時間があれば、さらに掘り下げたい部分です。

メンター:
ケース面接は何回目ですか?

求職者:
2回目です。

メンター:
もう少し練習すれば、自信を持って臨めると思います。フレームワークを考える時間を取り、影響のない部分は計算しなくても良いでしょう。

求職者:
ありがとうございます。

メンター:
他に質問はありますか?

求職者:
日本の紳士靴の課題を抽出する際に、背景を説明したのは良かったと言われましたが、結論から言った方が良いのでしょうか?

メンター:
それは場合によりますが、今回の説明は簡潔で分かりやすかったです。いきなり結論を言うと、相手がなぜそうなったのか理解しづらい場合もあるので、状況に応じて判断してください。

求職者:
わかりました。確認できて良かったです。

メンター:
他に何かありますか?

求職者:
市場規模を推定する経験を積めたので良かったと思います。自分の弱点も見つかりましたが、面接官とディスカッションできたことは自信になりました。

メンター:
よかったです。もう少し練習を重ねて、自分で主導権を持てるようになるとさらに良くなると思います。

メンター:
今日の面接はこれで以上です。ありがとうございました。

求職者:
ありがとうございました。失礼します。

メンター:
失礼いたします。




あとがき

いかがでしたでしょうか?
今回は最初のフェルミで大きく外れた数字が出ていますね。
もちろん適正値である方が良いすが、ディスカッションの中で不適切な設定値を適切な値に変更していくができ、verygoodでした。

売り上げ向上施作においても、フェルミで作成した式を活用し
「人×所有数×単価」と論点を明確にしながら進められており、良い内容だったと言えます。

皆さんの転職準備のご参考になれば幸いです!

ぜひコンサル業界へのご転職、コンサル業界内でのご転職の際には弊社と弊社サービスをご活用ください。

ご質問等はコメントやDMでいつでもお待ちしております!





弊社Liquetについて

未経験からのコンサル業界への転職、
コンサルToコンサルの転職をサポートしております。

■紹介実績
・BCGなど戦略コンサルティング
・PwCなどのBig4を含む大手外資
・アビームなどの日系大手
・Regrit PartnersなどのポストBig4になる新興系
・アクセンチュアなどのITコンサル企業
・BBSなどブティックファーム
幅広く、ご希望に合わせてサポートしております。
詳細な求人、ポジションにつきましては
無料のご面談にてご希望をお伺いしながら紹介させていただいております。

■メンバー紹介
メンバーの出身は、
外資コンサル
PEファンド
大手人材会社
コーチングコーチ
事業会社
キャビンアテンダント
公務員
フリーランス
国家資格キャリアコンサルタントなど
幅広い人材が所属し、それぞれ求職者様のバックグラウンドに最適なサポートを実施しております。
キャリア相談ベースでもご面談可能です。

■弊社サービスcareersuiteとは
コンサル業界に強いエージェントサポートと共に
300名以上の企業現役社員OBOGとの模擬面接により、ミスマッチが少なく内定率の高いサポートを実現するプラットフォームです。
中途採用におけるOBOGの活用は非常に重要ですが、それらを重要視している転職エージェントは多くありません。
志望企業の現役社員OB・OGに転職相談を通して
以下の点に役立てております。
 ・コンサル会社の働き方を聞くことができる
 ・現役社員OB・OGに転職相談ができる
 ・企業理解を深めることで面接通過率がアップ
もし転職をお考えでしたら、お気軽にコメントやDM、プラットフォームへご登録ください。

https://careersuite.jp/


【弊社取扱コンサル企業一例】
ボストン コンサルティング グループ(BCG) / ベイン・アンド・カンパニー / マッキンゼー・アンド・カンパニー / ローランド・ベルガー / A.T.カーニー / アーサー・D・リトル / EY / PwC / Deloitte / KPMG / アクセンチュア(accenture) ドリームインキュベータ / 経営共創基盤(IGPI) / アビームコンサルティング / 野村総合研究所(NRI) / 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC) / 三菱総合研究所 / クニエ / NTTデータ経営研究所 / シンプレクス / イグニション・ポイント / エクサウィザーズ / ベイカレントコンサルティング / 日立コンサルティング / クロスピアコンサルティング(Xspear) / 山田コンサルティンググループ / タナベコンサルティング / 船井総合研究所 / スカイライトコンサルティング / Regrit Partnars /ライズコンサルティング / SIGNATE / SALESCORE / ノースサンド / クオンツコンサルティング / Groovement など
※事業会社は別途ございます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?