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【コンサル転職の準備⑬】 元マッキンゼー社員による内定者ケース面接対策:水族館の年間売上高の推定し売上高を2倍にするための施策を検討せよ
こんにちは。コンサル業界の転職に役立つプラットフォームcareersuiteを運営しています。株式会社Liquet転職エージェントのオオスミです。
弊社では転職希望者と転職支援に関心がある企業のOB・OG・現役社員との模擬面接を実施し、業界の理解を深めながらミスマッチが少なく内定率の高い転職活動をサポートしております!
今日は元マッキンゼー社員によるケース模擬面接の様子をご紹介いたします。
しかし、やりとりは実践に近い物となります。ご自身でも考えながらぜひご覧ください!
<ケース面接の動向について>
ケース面接は昨今行わない企業も増えておりますが、戦略コンサルファームや総合コンサルのストラテジーチームにおける採用では高確率で行われます。総合ファームにおいても部門ごとに実施するところと、しないところが分かれてきています。
しかし、コンサルの面接においてはケースを行えば素養は一発でわかるとおっしゃる方は少なくなく、コンサルタントとして最も求められる「思考力」を試す上で欠かせない物でありながら、また思考を昇華した「ディスカッション力」も大きく試されています。
内定へのステップとして、極力実際に近い模擬面接を体験しスキルを向上させていただくことが効果的です。
実践さながらの記録がお役に立てば幸いです。
はじめに
今回は、実際のケース面接練習の様子から、典型的な「売上分析」の事例を紹介します。
本記事のポイント
売上高の算出方法と論理的な思考プロセス
単純な「単価×数量」から始める重要性
時間配分の考え方
結論から話すプレゼンテーション手法
施策提案における構造化された思考の重要性
今回のお題
・「品川水族館の年間売上高の推定」と「売上高を2倍にするための施策検討」
模擬面接スタート
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メンター
はい。そうですね、そしたら、江ノ島水族館に行ったことはありますか?
求職者
通ったことはあるんですけど、行ったことはないです。
メンター
行ったことはないんですね。どこか水族館には行ったことありますか?
求職者
水族館はちょっと記憶があまりないんですけど、品川水族館とかサンシャイン水族館には行ったことがあるかもしれません。
メンター
品川水族館ですね。
求職者
はい、多分幼少期に両親に連れられて行ったことがあると思いますが、記憶はほぼないです。
メンター
記憶に残っていないかもしれませんが、品川水族館を例に1年間の売上高を推定してください。今から7分間、いかがでしょうか?
求職者
はい、わかりました。
メンター
では、考えてみてください。
求職者
承知しました。
メンター
その後、3分間で発表できるように準備してください。
求職者
はい、承知しました。
メンター
お願いします。
求職者
よろしくお願いします。
試算時間
7分後
(皆様も一緒に考えてみてください)
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・
・
メンター
そろそろお時間です。マイクをオンにしていただき、どんな結果になったか教えてください。
求職者
はい、今回水族館の1年間の売上高を推定するということで計算しました。結論から申し上げますと、今回は水族館の繁忙期と閑散期に分けて考えました。
1月、3月、5月、8月、12月は学生や社会人の休暇が多いことから、来場者数と平均単価を高めに設定しました。
計算式としては、平均単価×来場者数×リピート率で算出しましたが、水族館の特性上、リピート率は1年に1回程度と仮定しました。平均単価は大人3000円、子供1000円とし、グッズなどの追加売上も考慮して月あたり3000円としました。
東京都民の人口を1000万人と仮定し、繁忙期にはその中の約30%が来場すると想定しました。3000円×300万人で繁忙期の売上を計算し、閑散期には2000円×100万人で計算しました。これを年間の7か月分として掛け合わせ、合計の売上高を推定しました。
求職者
すみません、最終的な数値はまだ計算できていないのですが、考え方は以上です。
メンター
ありがとうございます。とても丁寧な説明で、よく理解できました。
メンター
もう少し時間があったら、どのあたりを深掘りできたなと思いますか?
求職者
そうですね、考え方としては大まかに終わらせましたが、例えば年齢別に分けてみたり、または世帯別で考えたりすると良かったかなと思います。水族館は1人で行くことよりも、家族、友人、カップルなどグループで行くことが多いですので、グループ別の人数で計算式を組み立てるのも面白かったかもしれません。また、チケット代の3000円や2000円は固定しましたが、グッズの売上や、年間パスポートのようなサブスクリプションモデルの存在も考慮すると、より具体的な数値が出せたかもしれません。
メンター
いいですね。私も大人と子供に分けた部分が気になりました。水族館の料金は、大人、学生、小中学生、幼児などで分かれていますので、そこをもう少し細分化できたら良かったと思います。さらに、繁忙期の単価を3000円、閑散期を2000円と想定していましたが、チケット代以外に、グッズや飲食の売上も加えると、もっと具体的な数値が出せたと思います。あとは、2500万人という閑散期の来場者数の説明がもう少しあれば、さらに良かったかなと思います。全体的には、特に心配することはないと思いますよ。ケース面接としては十分です。
ありがとうございます。では、一旦模擬面接はここで終了し、振り返りを一緒に行っていきましょう。
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求職者
ありがとうございました。
メンター
どうですか、やってみて?
求職者
いやあ、全然駄目でしたね。売上高の算出や視点の切り替えが上手くいかなかったです。いわゆるアイデアをざっくばらんに出すというのはできるんですが、数字からアイデアを生む側面と、アイデアベースから数字を導き出す側面の両方を活用できたものの、売上高を1年間で考えるとなると、どこを切り口にすればいいのか迷ってしまいました。最終的に計算式を組み立てる時間がなくなってしまい、ゴールが見えずに終わってしまった感じです。やはり、切り口の選び方が大切だと実感しました。
メンター
そうですね。売上高の算出はケース面接の定番なので、因数分解のプロセスは覚えておくと良いです。一番良かったのは、最初に「客単価×客数」という基本的な考え方が出てきたことですね。売上は基本的にそこから因数分解していくので、そのベースがしっかりしていたのは大きな強みです。例えば、コンビニやマクドナルドなど、日常的に見かけるものの売上高を考えることで、より細かく問題を細分化する訓練になります。最終的な数字を出すことができればベストですが、本番の面接では私も数字を出せなくても問題ありませんでした。もちろん、出せた方が良いですが、それよりも考え方がしっかりしているかが大事だと思います。
求職者
わかりました。ありがとうございます。
メンター
今考えたその水族館の1年間の売上高が出たとします。その売上高を2倍にするための施策を考えてみてくださいっていうのをやってみましょうか?
メンター
それでは、時間は9分でいかがでしょうか?
求職者
売上高として先ほど使った数字を使わないといけないんでしょうか?それとも、もう一度売上高の推定をやり直してもいいんですか?
メンター
もちろん、やり直しても大丈夫です。普段なら先ほどの数字を使うことが多いです。
求職者
そうですよね。先ほどの聞いた感じでは変えたくない気もします。
メンター
そうですよね。そのまま進めても大丈夫ですよ。
求職者
はい。でも、もう一度やり直します。
メンター
はい。
求職者
お願いします。
試算時間
9分後
(皆様も一緒に考えてみてください)
・
・
・
メンター
時間になりました。いかがでしょうか?マイクをオンにして発表してください。
求職者
すみません、一旦やってみますね。
メンター
お願いします。
求職者
はい、今回水族館、品川の水族館の1年間の売上高と、それを2倍にするための施策についてご説明します。まず、売上高は結論から申し上げますと、年間で80億8000万円と計算いたしました。
求職者
そこの算出方法といたしましては、年代別で20代、40代、60代、80代、100代という五つの年齢別に分けまして、さらに1世代について繁忙期と閑散期で分けながら計算をしたところ、80億8000万と計算をいたしました。具体的には、繁忙期と閑散期でやはり人数が変わっていきますので、そこの部分の人数と、あとは平均単価という部分でもやはり既にチケット代は繁忙期の方が高く設定されているかと思いますので、チケットの単価も高めに計算し、最終的に数字を算出いたしました。
人数の部分については、水族館の特性上、やはり他の都道府県の方だったり、外国の方が来られるというよりは、どちらかというと東京都民の方が実際に足を運ばれている印象を受けますので、今回は東京都民を1000万人と定義し、そこの人数から各世代200万人ずつの部分で計算をいたしました。
次に、実際の売上向上策についていくつか考案させていただいたのでお伝えします。まず売上高の計算において単価を用いたのですが、単価というのはチケット代のみならず、グッズ代や飲食代など、水族館内で使うコストも含まれます。また、水族館に入る際のエントランスフィーも発生するかと思いますので、ここに対するアプローチ策として、例えばグッズ代には非常にポテンシャルがあるのではないかと思います。実際に私の経験上、水族館でグッズを購入する率は非常に低いと感じますが、映画やアニメのファンがグッズに多く費やすことを考えると、水族館でも同様のアプローチが可能だと思います。
グッズが非常に多くなっておりますので、例えば品川区と協働して、品川の水族館ならではの思い出を残すグッズを販売するなどが考えられます。また、最近ではSNSや写真が若者世代に非常に刺さりますので、グッズを購入していただければ、イルカなどの生き物との記念撮影ができるといった施策も考えられます。
この記念撮影は、繁忙期に行うと運営に支障が出るため、閑散期に行うことで閑散期の平日を活性化するための施策として有効だと考えています。また、他にも水族館の特徴として、若者世代やカップル、家族連れが多い一方で、既に水族館に行ったことのある大人たちがリピートしない傾向があるため、大人世代を引き込むための方法として、水族館内でお酒を提供する、また品川の飲食店と提携してサービス券を提供するなどの地域密着型のサービスも効果的だと思います。以上が提案内容です。
メンター
ありがとうございます。グッズと記念写真の組み合わせや、大人向けのサービスなど、非常に面白いアイデアだと思いました。また、前回からの改善点として、結論から述べる部分を意識できていたのが良かった点だと思います。
メンター
惜しいと思うのは、すごく提案内容は良いのですが、やはり後半の向上策の部分も結論から言った方が良かったですね。
求職者
そうですよね、はい。その中で考えながら話していました。
メンター
そっかそっか、そうですよね。
求職者
だからやっぱり、紙に書き落とせず、もう頭の中で考えて「あります」と言って、出していました。
メンター
なるほど、そうなんですね。
求職者
はい。実は…
メンター
すごいですね。
求職者
実は、あの記念撮影のアイデアは何も準備していませんでした。
メンター
そうなんですか。すごいですね。
求職者
売上高の計算に時間がかかってしまい、やばいと思ってとりあえず「こうさせていただきます」と言いながら、いろいろ自分で考えていました。
メンター
喋りながら考えていたんですね。すごいです。
求職者
そうですね、結論から言えず申し訳ありません。
メンター
なるほど、でも大丈夫です。実際にやる時は、時間を与えられたら「何分までは考える時間」「何分までは話す準備をする時間」と区切るといいかもしれないですね。例えば、2分では必ず結論を出し、その後に話す準備をするというふうに。結論はこうで、「グッズ販売」と「リピート率を上げる施策」、この二つを考えましたと話すとかなり良かったと思います。
求職者
なるほど、考える時間とプレゼン時間を区切る、承知しました。ありがとうございます。
メンター
はい。もし私だったら、こういうふうに話すかなと思ったのが、その案ごとに「グッズで客単価を上げる」案と「リピート率を上げて客数を増やす」案、この二つがありますというふうに案ごとに話すか、あとは最初のフェルミ推定のところで「客数を増やすにはどうするか」という因数分解をしていたので、客単価を上げるためにはどのような施策があるか、客数を上げるためには例えば外国人を呼び込むために外国語のパンフレットを作るなど、因数分解した単位で話すのも分かりやすいかなと思います。
メンター
何か整理された形で因数分解の枠組みで考えるとか、今回だったら繁忙期と閑散期で考えていたので、繁忙期にもっとお客さんが来る方法、客単価が上がる方法は何か、閑散期にお客さんを増やす方法は何かというふうに枠組みで考えると、アイデアも生まれやすくなり、話しやすくなると思います。こういう枠組みで考えて話すと良いのかなと思いました。
求職者
ありがとうございます。
メンター
はい。
求職者
これは練習しないといけませんね。
メンター
頑張ってください、応援しています。
求職者
ありがとうございます。お時間いただき、感謝します。
メンター
こちらこそ、頑張ってください。ありがとうございます。
あとがき
このケースを通して、ケース面接対策のポイントや、より効果的な回答の仕方を学びましょう。
【模擬面接のポイントと改善点】
売上高推定
強み: 繁忙期・閑散期、年齢層など、多角的な視点から売上高を推定しようとした点。
改善点: より具体的な数字を用いて、より精度の高い推定を行う。例えば、水族館の入場者数に関するデータや、競合他社の売上高などを参考にすると良い。
売上向上策
強み: グッズ販売や地域連携など、具体的な施策を提案し、その根拠を説明できた点。
改善点: 施策の効果を定量的に評価する。例えば、「グッズ販売で売上を10%向上させる」といった具体的な目標を設定し、その達成可能性を検討する。
プレゼンテーション
強み: 考えを整理し、論理的に説明しようとした点。
改善点: より簡潔に結論を述べ、論理的なストーリーを構築する。また、視覚的な資料を用いることで、より分かりやすく説明できる。
【ケース面接での重要な学び】
1. 基本フレームワークの活用
売上高分析の基本は「単価×数量」
繁忙期と閑散期での区分け
年齢層による細分化
2. 時間管理の重要性
考える時間と発表準備時間の明確な区分け
結論を先に出す時間配分
プレゼンテーションの構造化
3. 施策提案のアプローチ
因数分解による体系的な提案
客単価向上策
集客数増加策
時期別(繁忙期/閑散期)の施策
ターゲット層別の施策
まとめ:実践的なケース面接対策のポイント
論理的思考の基本を押さえるまずは基本的な切り口(単価×数量)から始める
適切な区分け(年齢層、時期など)で細分化
時間管理とプレゼンテーション力考える時間と話す時間の明確な区分け
結論から話す習慣づけ
構造化された説明方法の準備
施策提案での視点複数の切り口からの検討
実現可能性の考慮
具体的な数値目標との紐付け
このケース面接の例から分かるように、完璧な回答よりも、論理的な思考プロセスと構造化された説明が重要です。日頃から身近な商品やサービスの売上構造を考える習慣をつけることで、より実践的な面接対策となるでしょう。
これらのスキルは、コンサルティング業界だけでなく、ビジネス全般において役立つものです。今回の記事を参考に、ぜひケース面接対策に役立ててください。
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