ホステスと社会福祉 #5 性風俗で働く人と偏見について
この記事は読むのに10分かかるか
かからないかくらいです
前回の記事で、風俗業界のダイバーシティについて書いた。
今回は、改めてどんな人が働いているか?というのと、性風俗で働く人の差別について考えたい。
この記事の読後感
性風俗で働く人は特別ではないよ、ということだけでも、まずは知ってもらえたら嬉しいです(^人^)
どんな人が働いているの?
雲の上の見知らぬ世界の人が働いている訳ではない。
風俗専業の人もいれば、兼業で主婦、コンビニのパート店員、社長、看護師、介護士、事務職、美容系のスタッフ、など。ほんと様々。
風俗イコール貧困とも捉えてしまっていた時期があった私は、この仕事を始める前まで、明日を生きることも大変な人が働いているのだろうと思っていた。
しかし、それは半分当たっていて、
半分ハズレ。
端的に伝えると、一般の仕事と同様である。
明日の生活を考える人もいるけれど、
多くの場合は、
借金を返したい(感覚的に一番多い)、
今より生活を良くしたい、
旅行に行きたい、
勉強するために大学に行きたい、
夢を叶えたい、
好きな人と暮らしたい、
家族を養いたい
という想いから。
そして、一般の仕事ではなく、
この仕事を選ぶのは、
子育てや介護をしていて時間がないから、
パートナーに内緒にしなければならない、
(例えば、働かないでいいと言われていたり)
貯金をするスピードを早めたい、
純粋にこの業界の仕事が好き
などなど理由は様々。
※ただ、私自身は高級店におり、価格によって理由の濃淡が異なってくる。
※そして無理に強制的に働かされる場合も少なからずある。(どちらも別途noteにまとめたい)
30万人以上の人が働く風俗業界。今隣に座っている人が実は、ということも驚くほどではないのかもしれない。
また、今はやってないけど、若い頃にちょっと軽めのサービスで働いていたとか、パパ活などの個人売春なども入れたら相当数かもしれない。
風俗で働く偏見と、3つの質問。
あまり知られてはいないけど、とんでもなく距離のある仕事という訳でもない風俗業界。
ただ、たまに驚かれるのが、風俗で働くみんなが周りに秘密にして働いていること。
専業主婦だけど、旦那に秘密にして働いてますとか、彼氏と同棲してるけど秘密にして働いていますとか。
バレずに上手くやる皆さんを、ただただ尊敬。
秘密にしてしまう背景の一つにあるのが、風俗の仕事をすることで生まれる偏見である。
それは私が風俗のスタッフとして働いていることを、知り合いにカミングアウトした時にも感じる。
その反応と質問は、大体3つに分かれる
1.
へー、君はキャストとして働いてないの?
2.
性風俗で働いているなんて…清楚な人だと思ってたのに。なんでそんなことするの?
3.
特にコメントはなく、やりたいことであるナイトワーカーのキャリア支援について聞く
あ、もし読んでくださっている方も質問したいことがありましたら、ぜひ質問してください(笑)
では、先ほどの3つの質問に戻りましょう。
1.
へー、君はキャストとして働いてないの?
よくある質問。
スタッフとして女性が働いていることはあまり知られていないからかもしれない。興味本意で聞くのだろう。
3.
特にコメントはなく、やりたいことであるナイトワーカーのキャリア支援について聞く
1番嬉しい反応。
風俗のスタッフとして働くのは手段であって、目的は夜の仕事で働く人の支援やキャリア支援なので、この質問は自分自身の思考の整理にもなってありがたい。
さて、2番目。
2.
性風俗で働いているなんて…清楚な人だと思ってたのに。なんでそんなことするの?
もしかすると、キャストとして働く方の多くがこのような差別と戦っているかもしれない。
知らない世界だからこそ、偏見を生む
風俗で働いているから清楚じゃないと言えるのは、まさか自分の親戚や友達に働いている人はいないと思うことの裏返しかもしれない。
ただ、自分の身の回りの人が性の対象として見られることを、受け入れられないのは当たり前だし、自然の感情だと思う。
あとは、知らない世界だからこそ、性風俗のイメージが先行して偏見を生む。
結果、風俗業の職業イメージが、人格イメージまで繋がってしまっていて、そしてそのイメージが差別や偏見につながる。
そうすると、風俗で働いていることを言えない方は、誰かに相談しにくくなってしまい、本当の問題が解決できなくなってしまう。
そして起こる事象。
風俗以外の仕事をしようとした時に、相談できなかったりして、転職が難しくなってしまう
相談しにくいことで、本当に必要な公的支援が受けられなくなってしまう
そんなことをできる限り減らしたい。
風俗業界、別次元のような世界に捉えられがちだけど、
私たちがいる世界と
みんながいる世界は地続きなんだ
noteでの発信を通じて、性風俗で働く人は特別な人ではないよ、ということだけでも、まずは知ってもらえたら嬉しいです(^^)
あたらしいトビラ
夜の仕事をする女性のキャリア相談をするため、一般企業で働く傍ら、デリヘルのスタッフとしてお手伝い。趣味はお笑いとコーヒーと旅すること。こんな人もいるんだって思ってもらうために筆をとる。
自己紹介はこちら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?