キャリアで悩んだら ―書籍「LIFE SHIFT 人生100年時代」の３つの”無形資産”から得られるヒント
こんにちは。me:Riseキャリアコーチの西村です。（>>コーチ紹介インタビュー）
書籍「LIFE SHIFT 人生100年時代」について、もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
2016年に刊行され、人生100年時代の生き方を提示し、リンダ・グラットンとアンドリュー・スコット著のベストセラーです。
長寿化の進行により、これからは100年以上生きる時代に変わってきていて、今までの「教育→仕事→引退」という流れの人生から、「マルチステージ」の人生に変わっていく点に触れています。
そして、このような時代を生きていくには、”有形資産（金銭的）”とは別に、知識・家族や友人関係・健康といった”無形資産”が、有意義な人生や有形資産の形成に重要になってくる、そしてこの両方の資産のバランスをとって、相乗効果を測っていきましょう、と説いています。
今日は、キャリアで悩んだとき、この「LIFE SHIFT 人生100年時代」に書かれてある”無形資産”3つから得られるヒントについて触れたいと思います。
キャリアの悩み
キャリアコーチングでご相談に来られる方は、それぞれ人生のステージであらゆるお悩みをお持ちです。
・転職したいけど、すべきか
・社内で今後希望の職種に就くためにはどうしたら良いか
・チームマネジメントがうまくいかない
・昇進したが、その新しいポジションでどう業務を進めていったら良いか
・プライベートのライフ（子育てや介護）と、ワークとの両立をどうしたら良いか
・将来のキャリアに漠然とした不安がある
・なんとなくモヤモヤしている
などです。
その時、この後記載をする「LIFE SHIFT 人生100年時代」に書かれてある”無形資産”3つから、ご自身のキャリアの悩みを解決する糸口があるのではと私は考えています。
なぜならば、私自身が過去や現在に持っていたキャリアの悩み、思い返すとこの３つの”無形資産”の切り口から解決できる糸口を見つけられた、と感じるからです。
私自身の経験も含めて、３つの”無形資産”について触れていけたらと思っています。
1.「生産性資産」 ―自分のキャリア資産
一つ目に挙げられているのは、「生産性資産」です。
わかりやすく言うと、今まで培ってきたキャリアのスキルや知識のことで、ご自身の経済面、今後の将来を向上させるのに役立つ資産です。
書籍の中では、スキルや知識だけでなく、信頼できる仲間の存在や社内外のネットワーク、それから周りからの評価も含めて、広義的にこの資産を定義しています。
ここで私がキャリアの悩みのヒントになるなと感じた点をお伝えしようと思います。
今まで自分が培ってきたキャリアのスキルや知識、人脈、周りから見えている自分。これらを全て棚卸しし自分の現状を認識する
実はしていないことが多いのではないでしょうか。
もしくは頭の中では分かっているつもりだけれど、言語化したり、話したり、書き出すということはしていない、などです。
実際、私は後者のタイプで、頭の中ではあれこれと考えられているつもりになっていました。また、自分は過去、組織内で異動する度に全く違う業務をゼロから学ぶことが多かったので、「自分には専門的な知識やスキルが殆どない」「専門的知識を身に付けたい」ことをキャリアの悩みとしていた過去がありました。
ある日、マイコーチとのコーチングセッションがありました。その話をして、自分には繋がった専門的な知識やスキルがない、それぞれがバラバラの点だと感じる、と悩みを伝えました。
するとコーチから「悲しいね。こんなにも経験をしてきて、知識もスキルも持っているのに、そう感じるのね」と言われたのが衝撃的でした。つまり、コーチからすると、全く違う業務を学べる機会や幅広な経験を積めることはなかなかない、貴重だということでした。
その後、過去のキャリアの始まりから、どんな経験をしてどんなことを得てきたのか、一つずつ書き出し紐解きました。すると、自分が今まで頭で思っていたことよりもずっと詳細なキャリアスキルが出てきました。
例えば、海外の方、日本の大学生や子供たちなど、幅広なオーディエンスに金融教育や会社の取り組みについてプレゼンし説明していた経験がありました。しかし、すっかりそれを忘れていました。プレゼンを準備し、人前でプレゼンするスキル、一見細かいですがヒントになり得ることは全て書き出しました。
更に、コーチから見た私へのキャリアの印象というものが、「こんなにも経験をしてきて、知識もスキルも持っているのに」という評価であったこと。そういった第三者からうつる自分についても客観的に知ることができたのも新鮮でした。
その後、自分に対する自信が生まれたのと同時に、このキャリアの資産を今後どうやって膨らましていく？ということを具体的に考えられるようになりました。
これは、まさに「生産性資産」で言う、自分のキャリアのスキルや知識、そして周りからの評価、というところを見える化したことで、自分の現在地点を知り、未来に向かう一歩に繋がったと思っています。
もし皆さんがキャリアで悩んでいたら、まずは現状の「生産性資産」を知るために周りから自分がどう見えているかヒアリングをしたり、ご自身で過去の経験を一つずつ丁寧に可視化することをされてみてはいかがでしょうか。
2.「活力資産」 ―自分の心身の健康
次に挙げられているのは、「活力資産」です。
こちらもわかりやすく言うと、幸福感をもたらしてくれ、そしてやる気を掻き立てる資産です。具体的には、身体と心の健康、そして長年の友人や家族との良好な関係をいっています。
ここでも私がキャリアの悩みのヒントになると感じた点をお伝えしようと思います。
キャリアで今悩まれていることが、ご自身の肉体的健康と精神的健康、もしくはプライベートで起きているご家庭のこととの関係性はあったりするでしょうか。
書籍の中でも、職場と家庭のバランスがうまく取れていて、両者での前向きな感情が伝播し合う効果は見逃すことはできない、と触れられています。
私自身、心身の健康、そしてライフとキャリアのバランスは非常に大事だなと日々感じています。
例えば、多忙で睡眠時間もなかなか取れない時期が過去ありまして、そういう時は少なくとも身体は疲れており、思考も鈍ってネガティブに考えがちなので、キャリアのことで悩んでも良いことはなかったです。
休暇が取れている時、あるいは思い切って休暇を取る、そして心身が健康だなと感じられる時に、キャリアのことを改めて考えてみる、そうすると冷静に悩みも考えられる、といった工夫が大切だなと実感しています。
また、子育てしながらどうやって上手くワークとバランスを取ろうか、現在進行中で模索しているところではありますが、ここのバランス、両立が上手くいかなくなってくると思考もネガティブになりがちな気がします。
そんな時は、思い切って仕事はいったん忘れて子供と遊ぶ時間を作る、育児の助けを誰かに頼んで仕事に集中する、などメリハリをつけることを大事にしています。
そして、コロナ禍ではありますが、なかなか会えていない大事な友人と話す時間を設けることで、自分の幸福感を充たし、やる気が湧いてくる気がします。そういった点からも、「活力資産」はなくてはならないものだと感じます。
3.変身資産 ―不確実な未来に対する対処能力
最後に挙げられているのは、「変身資産」です。
こちらもわかりやすく言うと、人生の途中で変化と新しいステージへの移行を成功させる意志と能力のことです。
具体的には、自己理解と自分らしさ、多様性に富んだ人的ネットワーク、新しい経験に対する開かれた姿勢を持って、不確実な未来に対する対処能力のことをいっています。
私がキャリアの悩みのヒントになるな、と感じたのは、変化することを恐れずオープンマインドで様々な経験をしてみる、という点です。
例えば、管理職として今チームをマネジメントしている立場でありますが、中小企業であることもあり、業績をあげていくには環境の変化に適応しながらスピード感をもって取り組まなくてはいけないことが多々あります。
そういった時、従来のやり方だとバックオフィスとして効率性が悪い、マーケティングとしては伸び悩んでしまう、ということがあります。その度に、やり方を柔軟に変える、若手の部下からの新しい意見も取り入れることの重要性を感じています。
確かに、従来の方法を変えることには労力が要る、また、若手の意見を取り入れるのには抵抗があるケースもあるかもしれません。（実際、お恥ずかしいですが私は最初抵抗していました、、）
しかしやってみると、新しい視点を得られて、変化に対する受容性が高まってきたと感じており、これこそがまさに「変身資産」だと感じます。
また、今やオンラインセミナーは普通に開催される時代になりましたが、業務に関連する外部のセミナーやイベント、業務に関連しなくても自分の興味があるものに参加することで、様々なバックグラウンドの人たちと出会えることができますし、新しい視点、知見も得られます。
もしキャリアで悩まれていることがあったら、このような新しい視点を得る経験をしてみることも助けになるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
キャリアで悩んだら、書籍「LIFE SHIFT 人生100年時代」の３つの”無形資産”から得られるヒント、について、私自身の考えや経験も含めてお話して参りました。
皆さんもこの3つの資産「生産性資産」「活力資産」「変身資産」から何かヒントを得て、今悩まれているキャリアの悩みの一助になれば幸いです。
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