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偽善者と言われて、心がポキンと折れた時

毎日暑いですね、体調崩されていませんか?
そんなときに重い話はしないほうがいいと言いつつ
今日もちょっと深刻かも・・・

前回は「あなたは強いからできるのよね」と言われてへこんだ話。
今でいう「女性活躍」を進める中で、全員が幸せになるということは
難しく、現状維持を望む人の気持ちを受け止めきれなかったという
私が30代でプロジェクトリーダーをしてきたときの話しでした。

さて今日はもっとへこんだときの話。
私は人材派遣の会社でコーディネーターという、派遣先とスタッフの
パイプ役の仕事をしていました。

当時は人材派遣は社会の認識が低く、区別というよりは差別をうけることが
多く、名前を呼ばれず「派遣さん」なんて言われたり、派遣の人が使っては
いけないコピー機があったり、その場合は遠いところにコピーにいく、
今じゃ信じられない話です。

営業職は全員男性だったので、女性の気持ちがわからないだろうという
ことで、女性の私が派遣社員の職場を訪問してクレームや愚痴を聴いたり、職場の人間関係の調整をしたりしていたのです。

当時はセクハラとか、パワハラという言葉はありませんでしたし、
男性は仕事、女性は家庭という時代でしたから、弱い立場の女性派遣社員は
ストレスの多い環境でした。

雲の上の日の出

私は職場を回り、ひたすら話を聴く・・・聴くことで解決することが
半分。でも半分は職場改善が必要で、派遣先の方に交渉をします。

「派遣社員は女でしょ?いわれたことをやればいいんだよね」なんて
言われて、はらわた煮えくりながらニコニコして、「課長、そこをなんとか
課長のお力で・・・そうすれば派遣社員の生産性向上によって、課長の立場もよくなりますよ」なんて言ってまわっていました。

派遣スタッフは今までは泣き寝入り、自分が我慢するしかないと思っていたのが、私が訪問することにより、職場環境がよくなったり、ストレス解消
できたり、だからとても喜ばれました。
私は有頂天になっていたのでしょう。そんなとき、突然こう言われました。

「貴女は偽善者よね。私たちの味方のふりをしているけど、結局は派遣元の売り上げのため、派遣先のまわしものよね・・・」

岩に根を張る木、たくましい!

これも前回同様言い返せなかった・・・
心では、
「では私にどうしろというの?あなただってわがままだよね?
私の立場もわかってよ・・・」

でも一方でこんな心の声も聞こえた。
「確かに私は偽善者。結局は売り上げのためと言われてもしかたがない。
派遣先には逆らえない。上司には逆らえない。私は誰のために
働いているんだろう!!」

この経験は人材会社に勤めている人は多かれ少なかれ経験があるでしょう。
そこから鬱になり出社拒否。会社を長期間休みました。

そんなときカウンセラーを進められ、「どうせ私の気持ちなんてわかりっこない」と思いながら相談に行きました(笑)
プロのカウンセリングを受けるのは初めてでした。

カウンセラーは50代の男の人で、「わあ、女の気持ちも、若者の気持ちも
両方わからないわね、きっと・・・」と思いながらひきこもったきっかけを
話しました。するとカウンセラーはこう言いました。
私の話には何もコメントもせずに・・・

「スダさんは、挨拶はするの?」「はあ?」と腹をたてばがら、「はい、しますけど」(内心は私の話聞いたでしょ?いいこと、いいなさいよ)

続いてカウンセラーは、
「会社で上司に挨拶するの?」
私は「はい、しますけど」(怒っている、もうほとんど帰りそうな態度)
「電車で通っているんでしょ?電車の中の他人にはするの」
私「そんなことしません。そんなことしたら、おかしい人と思われます」
カウンセラー「どうして?挨拶はいいことで、したほうがいいんでしょ?」
私「ですから、かえって迷惑ですよ、知らない人に挨拶されたら」
カウンセラー「そうだよね、これと同じことだよ、君はTheBestで生きている。でもね、できないこともある、伝わらないこともある、だから君のその生き方、考え方をMyBestに変えてごらん。手はぬいちゃいけない、
でもせいいっぱいやったら、自分を許す・・・今は伝わらないんだな、と」

私の目からはみるみる涙が出てきて言葉になりません。
ひとしきり泣いたあと、私は会社に戻りました。

結局その方はもう派遣先を退社していました。
しかし上司も仲間も誰も私を責めませんでしたし、詳しいことは聞かれませんでした。「おかえり」と言われただけ。

それから半年後、スタッフから手紙が来ました。
内容は、「あのときはごめんなさい、あなたに感情をぶつけてしまった、
でもあのあと、違う派遣会社に行き、仕事を得たけど、貴女のように親身に
自分事にして話を聴いてくれるひとはいなかった。来月契約がきれるんですが、また貴女のところに戻ってもいいですか?」

また大泣きしました。もちろん彼女を受け入れて、彼女も私も成長しました。派遣会社って、こんなことが毎日現場で起きている。
素晴らしい経験ができるんですよ!!

ではまた!!
ちほみさん、よろしくです😁

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