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キャリコン視点で読み解く岡田メソッド②
『勝負の神様は細部に宿る』サッカーやスポーツが好きな人は、よく耳にする言葉だと思います。試合中のシュートの数センチの精度、足を出すコンマ1秒の差、それは日々の練習の積み重ねだと。
新しいチームに呼ばれてシーズンインしたころ、フィジカルコーチがピッチの四隅にコーンを置き、「コーンの周りを1周、1分20秒で走れ」と言って、トレーニングをしていました。ところが、見ていると3分の2ぐらいの選手がコーンの少し内側を走っています。だいたい中心選手が内側を走っているので、真面目にコーンの外側を走っている選手が、ちょっと小馬鹿にされている感じです。 私が行って1カ月すると、誰1人内側を走らなくなります。たまに練習生が来て内側を走ると、小馬鹿にされます。さて、どちらのチームが勝つでしょうか?(『岡田メソッド』岡田武史著2019年英治出版)
岡田監督の言葉から思い出したことがあります。『FOOT×BRAIN』でユベントス特集がありその際のエピソードで印象深いものがありました。
2015年に移籍してきたディバラ選手が素走りのトレーニングでゴール数メートル手前で速度を緩めていた様子を見て、DFのバルザーリ選手は
「ふざけるな!ここはユベントスだぞ!!」と厳しい口調で言ったそうです。
勝ちに貪欲なチームほど、目に留まらない誰も見ていないような日々の地道な練習を大事にしている。それが個人だけでなくチーム全体で続けていること。意思統一ができていること。すべては勝つために。ユベントスの王者のメンタリティがイタリア最高峰リーグで長く活躍できる秘訣なのかもしれません。
人は結果を急ぐあまり、ショートカット(近道)をついしたくなるものです。わたしも通勤時は数メートルの差でも近道を選んで得した気持ちになります(笑)
しかしキャリアコンサルタントとして大学で学生の相談を聴くとき、就活に焦る学生には必ず話すことがあります。
「急がば回れ」「近道ほど遠道」
本当に入社したい!と思うなら会社の成り立ち、組織図、社長や先輩社員の思い、業界の展望をじっくり読み解くこと。説明会では社員から積極的に仕事の話を聞きだす。そうした地道な積み重ねが面接(実戦)には出るんだよと。就活は勝ち負けではないですが、就活の神様も細部に宿るとわたしは思います。
日本サッカーの修羅場を数多く経験してきた岡田監督のエピソードは、スポーツのみならずすべての「組織」において忘れてはいけない原点だと思いました。(おしまい)
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