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キャリコン視点で読み解く岡田メソッド①

サッカーには数多くの指導書があります。サッカーは好きだけど監督でもコーチでもないわたしが唯一、購入した指導書が『岡田メソッド』です。

昨春、大学の勤務日や勤務時間が減った2ヶ月間本をたくさん読みました。その中で『岡田メソッド』はサイズが特殊で本屋さんにブックカバーをつけてもらえなかったのが思い出です笑 

サッカーが好き過ぎてついに指導者になろうと思ったのか、いえいえ。わたしが注目したのは「選手育成」「選手との関わり方」が「若年層のキャリア形成」という点で学ぶところが多かったのです。

2年前、サポートスタッフとして参加したパラスポーツ体験会で岡田監督の講演があり実際にお会いして人柄を知ったのも多分に影響しています。

今回は本書の合間に箸休め的に出てくる『コラム』の中から今野泰幸選手との出会いについて

今野選手を初めて見たのは、私がコンサドーレ札幌の監督をしていたころで、彼が高校3年生のときでした。ある日、サッカー協会のトレセンコーチから電話がかかってきました。「いい選手がいるのですが、Jリーグのチームはどこも興味を示さないのです」さっそく高校選手権の宮城県予選決勝のビデオを取り寄せてみました。(中略)高校生で、こんな厳しいアプローチができる選手がいるんだと目が釘付けになりました。ぜひチームに迎えたいと思いコンタクトすると、もう地元の実業団チームの社員として採用が決まっているということでした。(中略)私は決まっていた実業団チームの監督に、「彼の将来のためにも」と直談判し、さらに本人を説得して、札幌に連れてきました。その後の彼の活躍を知らない人はいないでしょう。(『岡田メソッド』岡田武史著2019年英治出版)

ガンバ大阪、日本代表時代、今野選手のプレーを観客席から観ていました。いつも「そこに居(い)る」相手の攻撃の起点に必ず現れボールを奪う、体を張る。彼が出ている時は味方の攻撃陣が多少不調でも、失点を未然に食い止めてくれるという安心感がありました。

今野選手のキャリアの分岐点。そこに岡田監督が深く関わっていることを岡田メソッドを読んで初めて知り驚きました。

入社が決まっていた実業団の監督を直接説得してまで、今野選手のプロ入りを推した岡田監督の熱意もさることながら、わたしが着目したのはトレセンのコーチです。

他のJクラブに見向きもされなくても諦めず、岡田監督に連絡したことが、プロサッカー選手今野泰幸誕生の最大の要因だと感じたからです。

会社に就職するつもりだった今野選手もまさか自分がプロになり、のちに日本代表に選ばれる選手になるとはこの時予想もしなかったでしょう。

今野選手を見出したトレセンのコーチのように、わたしも人の成長に繋がる、そのきっかけを粘り強く創っていく、そういう人になりたいと強く思いました。

今後も不定期に岡田メソッドで印象に残った言葉やテーマをキャリアコンサルタントの視点から読み解いていきます。お楽しみに!!

(おしまい)


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