能ある鷹は爪を隠す
22年卒(現3年生)の就職活動がすでに始まろうとしている。え?来年3月解禁じゃないの?
そう思っている大学生がいたら、先輩や就職課、キャリアセンターの人に話を聞いてみてね
今年は夏のインターンシップの中止が相次ぎ、これからの秋・冬インターンシップで印象を残せるかが、早期内定につながってくる。そんな中、リモートのインターンシップに参加した学生からおもしろい話を聞いた
営業系のグループワークで、彼のグループの中に営業経験のある学生がいた。発想も話し方も「経験者」を前面に出し、結局他のメンバーはほとんど意見を言わないままだった。発表内容もその経験者の言うとおりにしたのだという
彼の言い分は「経験者よりいい意見が出せそうもないし、その人に作ってもらった方が採用担当者にささる提案ができそうだったから」なるほど
「もし私が人事なら、その経験者は次の選考には進めないかも」
みなさんはどう思いますか
理由は二つ
1.グループワークの本当の目的を考える
役割分担から始まり、ゴールを設定しメンバーの得意分野の情報やアイデアを持ち寄ってカタチにする。採用担当者はその過程の中でメンバーがどのように機能していたかを見る。そう考えると、前述の経験者はグループの機能を全停止させたに等しい。グループワークは自分の経験をアピールして他者より優位に立つ場ではないということ
2.営業の基本はチームプレー
一人ビジネスなら話は別だが、通常は企業という「ハコ」の中で仕事をする。そこには商品の知識が豊富な人もいれば、接客スキルの高い人もいる。さまざまなセクションで働く社員とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていく。周りの話を聞かずに自分の経験を頼りに自分勝手な仕事をしてしまう人は、他の社員とはうまくいかないと判断される
会社はインターンシップで何をしたいのか
そもそも経験重視の採用をするなら同業他社の転職希望者にアプローチした方が手っ取り早い。新卒を採用するいう時点で、経験よりも周りと協調しながら社会人には思いつかないアイデアが出てくるのを期待して、インターンシップを実施している。いい学生を早期に見つけたい。もちろん会社の宣伝も兼ねて
初めての気持ちで素直な対応を
在学中に自分でビジネスをしたり、アルバイトで営業や企画の仕事をしたことのある学生も増えてきた。彼ら、彼女らに伝えたいのは『爪は隠しておくこと』
例えば体育でサッカーをしたとする。サッカー部員のクラスメートが本気でプレーしたら周りは全く楽しめないしやる気を削いでしまう
周りの学生とどんなに経験の差があったとしても、そんな様子は見せず自然と溶け込める。周りの意見を素直に聞き、要所ではっきり意見を言う。そんなバランス感覚のある学生が就活も順調に進んでいる
能ある鷹は爪を隠す、昔の人はほんとうまいこと言うなぁ。最近22年卒の学生相談が増えてきたので、ちょっと書いてみました (おしまい)