見出し画像

キャリア迷子からの脱出!自分の得意なことに気づくための3つのポイント

キャリア理論では、35歳~45歳くらいに「キャリア中期の危機」が訪れると
いわれています。

理論通り、私も35歳を過ぎた頃から、キャリアの壁にぶち当たりました。いわゆる、キャリア迷子です。

新卒から30代半ばまでは、自分がやりたいと思える仕事に就き、それなりのキャリアを築いてきました。しかし、長年続けてきた仕事に対して、自分が飽きたというか、限界を感じたというか。自分のキャリアが見えなくなってしまったんですね。

「好きで得意なことで生きていきたい」という思いがありながらも、それが具体的に何かがわからないという、キャリア・モヤモヤ期。暗黒の時代でした。

壁にぶち当たってから早5年以上が経ち、最近ようやく光が差してきた感覚があります。そして、振り返ってみると、やはり「自分を知ること=本当の意味での自己分析」にポイントがあるなと感じています。

キャリア迷子に陥った当初の私は、まじめに、自己分析に取り組むことから危機脱却を図りました。しかし、普通に自己分析をしただけでは見えてこない盲点がありました。

それは、「自分の強みは、自分にとっては当たり前すぎて、認識するのが難しすぎる」ということです。

私は、これからは「好きで得意なことで生きていきたい!」と考えていたので、自己分析も「自分の好きなことって何だろう?」「何をしているときが幸せを感じるかな?」、「自分は何が得意なんだろう?」と自問自答を繰り返しました。

「自分の好きなこと」は割とスムーズに自己分析することができましたが、難しいのは「自分の得意なこと」を把握することでした。

なんせ、得意なことですから、何のストレスもなく、ふつうに、やってしまっていることなので、自分にとってはそれが特別な才能だとも思わないんですね。「こんなの誰でもできるでしょ?」「こんなんできても何の自慢にもならないし」などと、得意で自然にできてしまっているが故に、なかなか自分の得意なことは気づくことが難しいのです。

例えば、ご参考までに私のケースでお話します。

私は投資銀行出身で、15年ほどIBバンカーをしていたのですが、人事評価の一つである360度評価のコメントバックではいつも「コミュニケーション能力が高い」というコメントがありました。しかし、私は、つい最近まで、そのコミュニケーション能力の高さが自分の得意なことだとは認めていなかったのです。なぜなら、「コミュニケーションが不得意な人っているの?」「誰だって人と話すんだから、コミュ力を誉められたって、全然特別じゃないじゃん」と思っていたからです。「企業価値評価のバリュエーションスキルを褒められるならともかく、投資銀行の世界にいてコミュニケーション能力を褒められるなんて、バカにされてるんではないか」と当時の私は本気で思っていたくらいです。(今思えば、苦笑以外のなんでもないのですが)

しかし、環境を変えて、付き合う人が変わって、自分が変わったことで、「あー、なるほど、そういうことかぁ…」と、コミュニケーション能力が自分の強みだということに気づくことができました。ようやくの腹落ち感です。

自分にとっては当たり前すぎるからこそ、「自分の得意なこと」は自分でなかなか認められない=見つけてあげられないのではないでしょうか。

最近こんなこともありました。ある契約書を取り交わす機会があり、先方から送られてきた契約書の初稿ドラフトに対して、リスクポイントを把握し、それを契約書文言の形で修正履歴を入れ、こちらの意図をコメントバックして修正案を送るという場面がありました。自分としては、普通に自然にできたことでしたが、ふと、「あれ?これも当たり前すぎて自分では得意だと思っていなかったことではないか?」と思ったのです。「私と同じことが、夫はできるのか?!いや、できないだろう」と。よくよく考えてみれば、これは投資銀行マンとして、新人時代にみっちり叩き込まれた契約書や法廷書類作成といったドキュメンテーションスキルの賜物であって、「いったい自分は、誰との比較で、自分の強み、自分の得意なことを判断していたのだろう?」と気づいたのです。

世の中広くを見渡したときに、「本当にそれって皆が皆、できていること?」「もしかして、それって普通にしているけれど、結構すごいスキルなんじゃない?」そんな視点が重要だと感じています。

この際、自分で自分を謙遜していないか、疑ってみてください。

キャリア迷子になった35歳当時の私は投資銀行にいました。そのときを振り返ると、「会社の看板があるからこそIBバンカーという仕事ができるのであって、組織から離れたら自分には何の価値もないんじゃないか」「つぶしが効かない仕事で、自分の将来には限界があるのではないか」と思い悩んだこともありました。しかし、それは違いました。自分にもちゃんと得意なことがありました。自分で自分に気づけていなかっただけだったのです。

『自分の得意なことに気づくために必要なこと』は、

自分にとっての当たり前は、自分が一番気づきにくいと認識すること。

② そのうえで、自分の”当たり前”を疑うこと。

自分を広い視野で見直してみること。

ではないかと思っています。



私たち一人ひとりが、自分が納得した状態で、自分の好きと得意を持ち寄って創り上げる社会って素敵だなって思うんです。

「キャリア中期の危機」の真っただなかにいらっしゃる皆さん、そのお辛い気持ち、お察しします。しかし、必ず、その危機を脱せる時はきます。

この危機は転機です。今までがんばってきた自分を振り返り、次のステージに進むチャンスです。キャリアの転機をチャンスに変えましょう!自分の当たり前を疑い、自分の得意なこと、自分の強みを見つけてあげるチャンスにしましょう!

そんな想いで、今回の記事を書きました。お読みくださり、ありがとうございました!


いいなと思ったら応援しよう!