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子どもの心を守るために!親が使わないべき「ダブルバインド」の言葉とは

子育てにおいて、親の何気ない言葉が子どもの心に大きな影響を与えることがあります。その中でも、特に気をつけて避けたいのが「ダブルバインド」という言葉がけです。この言葉は、子どもがどんなに頑張っても正解が出せない状況に追い込む言葉のことを指します。今回は、このダブルバインドの危険性と、具体例を通してどのように親が気をつけるべきかを見ていきます。


ダブルバインドとは?

ダブルバインド」とは、子どもに対して、どちらの選択をしても正解を出せないような状況を作り出す言葉がけのことです。この言葉を繰り返し聞くことで、子どもは思考力や感情表現の自由を奪われてしまいます。例えば、公園で楽しく遊んでいる時に、そろそろ帰ろうと親が言ったとします。しかし、子どもが「帰りたくない」と言った瞬間に、親が「じゃあ、一人でここに残りなさい。私たちは先に帰るから」と言う。すると、子どもは不安になり、「やっぱり帰る」と答えます。ここで親が、「一人で帰れないくせに、なんでそんなこと言うの?」と言うと、子どもはもう何が正解なのかわからなくなります。


ダブルバインドが子どもに与える影響

このようなダブルバインドの言葉がけを繰り返すことで、子どもは次のような影響を受けます

  1. 思考力の低下
    子どもは自分で考えて行動したとしても、結局どちらの選択をしても否定されてしまうため、次第に考えることをやめてしまいます。自分の意見や考えを出すことに対して不安や恐れを感じるようになり、親に言われた通りにしか行動できなくなるのです。

  2. 感情表現の抑制
    子どもは自分の感情を素直に表現できなくなります。「どうせ何を言っても否定される」という経験が続くことで、感情を押し殺し、自分の本当の気持ちを表に出さなくなってしまいます。

これがかわいそうな妖怪「思考ソガレール」や「感情オシコロス」という現象。思考を削がれ、自分の感情を表現することすら諦めてしまう子どもたちを生み出してしまうのです。


ダブルバインドの具体例

ダブルバインドの言葉がけは、日常生活のさまざまな場面で現れます。ここでは、よくある例をいくつか挙げてみましょう。

  1. 公園での帰宅シーン
    子どもが遊びたいと言った時に「じゃあ、ここに一人で残ってなさい。私たちは帰るから」と言う。この言葉は、子どもに「どちらを選んでも正解がない」状況を生み出し、不安や恐れを与えるだけです。

  2. 習い事でのやめる・やめない問題
    子どもが「もう習い事をやめたい」と勇気を出して言った時に、親が「じゃあ、やめなさい。でも、どれだけお金と時間を使ったと思ってるの?」と返す。これもまた、子どもに考える余地を与えず、やる気を削いでしまいます。

  3. 兄弟や姉妹との比較
    「お兄ちゃんみたいになれないよ」や「来年小学生になるのに、そんなことじゃダメだよ」という言葉は、子どもにプレッシャーを与えるだけでなく、自分自身に自信を持てなくさせてしまいます。


ダブルバインドを避けるための親のアプローチ

ダブルバインドを避け、子どもに寄り添った言葉がけをするためには、以下のポイントを意識しましょう。

  1. 明確なルールを設定する
    ダブルバインドを防ぐためには、家庭内で明確なルールを設定することが大切です。例えば、「あと5分遊んだら帰ろうね」と具体的な時間を示し、そのルールを守ることを徹底します。これにより、子どもも納得して次の行動に移りやすくなります。

  2. 子どもの感情を尊重する
    子どもが感じていることや言いたいことにしっかり耳を傾けましょう。たとえ「帰りたくない」と言ったとしても、その気持ちを尊重し、「そうだね、まだ遊びたいよね」と共感を示すことが大切です。その上で、ルールに従った行動を促しましょう。

  3. 選択肢を与える
    子どもに自分で選べる選択肢を与えましょう。「帰るかもう少し遊ぶか、どちらか選んでね」といった具合に、どちらを選んでも納得のいく状況を作ることで、子どもが自分で考えて行動する力を育むことができます。


まとめ

親が無意識に使ってしまいがちな「ダブルバインド」の言葉がけは、子どもの心に大きなダメージを与える可能性があります。常に、子どもがどちらを選んでも安心して正解だと感じられる環境を作り、彼らの思考や感情を尊重することが大切です。

子育てにおいて、親がどのような言葉を使うかは、子どもの未来を左右する大きな要素です。日々の言葉がけを見直し、子どもの心を大切に育てていきましょう

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