その共感は本当に伝わっているだろうか
「共感します」と言いながら、
本当に共感できているんだろうか?
本当に相手に伝わっているんだろうか?
「共感」とは、他人の意見や感情などにそのとおり、だと感じること。
(goo国語辞書)
辞書の意味だけみれば、わずか1行なんですけどね。
いまだに「共感」を実践するのは難しいな、と感じます。
自分の気持ちですら、きちんと理解できないのに、他人の気持ちとなれば、なおさらですね。
だからこそ、相手が思うところを「きちんと言葉というカタチにして返すこと」が、相手に伝わる共感なんだろうなあ、と思います。
自分がいま、共感的に理解するために気をつけていることを3つにまとめてみました。
1.小さなトライ&エラーの繰り返し
結局、相手にしか、相手の気持ちや感情はわからない。
そうと考えてしまうと、相手に聞いてみるのが一番。
「息苦しさのようなものが伝わってきました」
「話してみて、今はどんな気持ちになっていますか」 など
もちろん、なんでもかんでも聞くわけにはいかないですし、相手を変に誘導しないよう気をつける必要があります。
それでも、自分が思うここぞという場面では、ためらわずに応答や質問などで、相手に関わってみることかな、と。
うまく相手の気持ちに関われなければ、相手から違う反応が返ってきますし、ときには自ら言い換えて、相手が自分の気持ちに気付くきっかけになったりします。
この前提として、信頼関係の構築(ラポール形成)が、できていることになりますし、もちろんピンポイントで、相手の感情に関われれば、それに越したことはないのですが。
相手とのかかわりの中で、小さなトライ&エラーを繰り返して、相手の深い気持ちまで一致できたとき「共感してもらえた」と相手が感じてもらえる気がします。
2.気持ちや感情が表出された言葉を大切に聴く
次に、教科書的ですが、相手の言葉のなかでも、気持ちや感情を伴った言葉を意識して聴いてみること。
「つらい」とか「うれしかった」といったストレートな言葉は、やはり本人の気持ちがこもっていることが多い。もちろん、「つらい」の一言にも、深さや重みの違いはありますので、そのあたりをもう少し、丁寧にお聴きしたいところです。
さらに、さりげなく話している事実や事柄のなかにも、感情が込められることもありますので、話す内容よりも、むしろその話題にどんな感情が込められているか、を気にしている気がします。
3.ノンバーバルの表現やちょっとした沈黙に気づく
よく言われる「言葉以上に、表情や身体の動きは気持ちを表す」
ということには納得です。
言いにくいことを話すときに顔のどこかを触りながら話したり、感情が高ぶってくると、手の動きが大きくなったり。
もちろん一人ひとりの個性があるので一概に、「身体が、こう動いたら・・こんな気持ち」というのはないと思いますが、気持ちが動いている変化としてみることができます。
ノンバーバルな部分は、本人が意識していないことがほとんどなので、言葉以上に、素直に相手の気持ちの動きを感じとれます。
また、相手の「沈黙」の時間も、気持ちの動きが感じられる瞬間です。単に話すことがない、といった沈黙ではなく、内省や自分にベクトルが向いているときの沈黙は、本人のなかで感情が揺れている場面が多いと感じますね。
最後に
「共感」という言葉が、最近はビジネスでもよく聞きますが、カウンセラーとしての「共感力」はますます、求められる気がしますね。
おわり。