オーダーメイドと傾聴力
アザブテーラーで久しぶりにジャケットを買ったとき、これも「カウンセリング的なマインド」が大切だな、とつくづく感じました。
オーダーメイドのスーツやジャケットは、既製品を買うよりもなかなか大変。それは、多くの買い手にとっては、売り手よりも圧倒的に知識が少ないなか、いろいろと選択肢が多いこと。
スーツの生地、カタチやフィット感、ポケット、裏生地、ボタン・・に加えて、オプションでこんなものもあります・・と。
買い慣れていないと、自分にとって何がいいのか、本当にわかりにくい。
そんなときに、頼れるのはお店のスタッフです。
実は最初にオーダーメイドで作ったとき、思っていたイメージと違うものになってショックを受けたことがありました。そのときのスタッフは、忙しいのか、説明もちゃちゃっと、採寸も雑。やはり、スタッフの当たり外れは大きいなあ、と思ったところです。
ちなみに、今回のスタッフは、大当たりでした。
まず、最初に
「どんな雰囲気のジャケットを考えてますか」
「オールシーズン使いたいですか、冬用がいいですか」
「色はどのあたりがいいですか」
「生地は最近は、こんなのも流行ってますが、どんな感じがお好みですか」
そして、これまでのカルテを見ながら、
「前回は、こんな生地でつくったので、見た目は高級感は出ますが、ちょっと外からのダメージに弱いんです。」
など、タイミングよく、アドバイスをくれます。
スタッフによっては、たくさんの生地のサンプルを、どかっと渡されて、「はい、こっから選んでください~」と最初から言われることも。
今回のスタッフの良かったのは、こちらの思いをくみ取りながら、いろいろと聞いてくれたこと。
そして、イニシャチブを残してくれながら、選択肢を絞ってくれるところ。
ボタンを選ぶときにも
・冒険したければ「これとこれ」
・定番にしたければ「これら3つ」
・30~40代の人は「このあたりのラインナップ」
といった感じで、会話を通じて、数ある選択肢のなかから適度に候補を絞ってくれます。このあたりの会話が絶妙ですね。
カウンセリングと同じように、主役はオーダー側(クライエント)。
オーダー側の曖昧な要望を、さりげない会話や的確な質問からうまく、カタチにしていくマインドやスキルはさすがです。
今回は気にいったジャケットがつくれそうです。