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「イノベーション・スキルセット」からの気づき

自分自身のこれまでのつたない経験から、何かを身につけるには
「自ら実践してみること」

「その道のうまい人を実際にみること」
だと思っています。

としながらも、ここでは3つ目の
「読書から気づくこと」
を通じて「デザイン思考」の学びを深めていこうと思います。

第一弾は
田川 欣哉 氏の「イノベーション・スキルセット」

この本は、自分のようなビジネス系の人材が「デザイン思考とはどんなものかを理解し、どう身につけていくか」をわかりやすく解説されています。

1.これからの時代

10年ちょっと前のスマホの出現で、これだけ生活が変わるとはだれも思わなかったですね。

そして、これからの時代は「第4次産業革命」とか言われたりしていますが、実際はどんなビジネスが主流になるのか。

本書では、その答えが最先端のデジタルとハードウェア技術を組み合わせた「コネクテッド」の領域としています。

確かにこれまでのデジタル領域だけでは、海外勢に勝ち目がなさそうですが、ハードウェア技術や、そのすり合わせとなってくると、日本の強みが活かせそうな気がしてきます。

また、改めてインターネットの普及前後でビジネス環境を分けて考えるとわかりやすいですね。

・インターネット時代がもたらした大きなビジネスの変化は、作り手と消費者のあいだのつながり方の変化。
・サブスクリプション型の大きな特徴は売り切り型と比べて圧倒的に乗り換えしやすいこと。
・顧客体験はプロダクトを使っているときのユーザーの体験はもちろんのこと、プロダクトの使用前後の体験までを含んだ広範な概念。

筆者のポイントに上げるのが「顧客体験
「売り切りのビジネス」から「売った後もつながるビジネス」に変わってきているからこそ、ますますユーザー視点の重さを感じます。顧客が買うまでの想像だけでなく、買ったあとの想像力も強く求められますね。

2.イノベーションを加速させる人材=「BTC型人材」

「BTC」とは、次の3領域とされています。

B:ビジネス
T:テクノロジー
C:クリエイティブ

筆者はこれまでB(ビジネス)とT(テクノロジー)のスキルを持った人が活躍していたが、インターネットの世界では、ますますC(クリエイティブ)の視点が必要だという。

これは自分自身も弱いところ。
ビジネスのロジカル思考では発想しにくい視点がまさにこの「C」の視点だと感じます。

そして、イノベーションが、何かと何かの組み合わせで、つくられることを考えれば、ロジカル思考系だけでなく、クリエイティブ系のマインドをもつ必要性を痛感します。

イノベーション人材というときには2つの意味がある。
・一つは複数の領域を越境しながら、それを振り子のように行き来することで新しいアイデアや価値を創出するスキル。ここでは、ビジネス、テクノロジー、デザインの3領域を俯瞰してとらえ、分断や対立が生じている箇所の橋渡しとなり、細かいすり合わせを経て、アイデアの具現化に貢献できる人材。
・もう一つは、社会浸透の局面において、プロダクトやサービスをマーケットで立上げ、社会浸透の初期段階まで導いていく人材。

3.BTC人材になるために

BTCの領域すべてをマスターするってどんな人だろう・・
と思い読んでいたら「最終的にはチームワークでそれを実現できればいい」と書いてあり、安心しました。

「一つの専門性」+「もうひとつ他の分野のリテラシー」で最初の目標はよいのです。

最低限のリテラシーを持てれば、メンバーのマインドやスキルも理解できるのでチームも組みやすくなりますね。

ここでは、クリエイティブに越境するための初歩的なアプローチ法が紹介されています。自分が気になったのは次の3つ。

①「n=1」のデザインリサーチ
デザイン思考ではよく紹介されていると思いますが、観察対象者を絞り、観察やインタビューで、その背景にあるコンテクストやストーリーも深堀りする。

②センスを鍛える「ふせんトレーニング」
何事にも自分の「好き」か「嫌い」かをジャッジする。

意思決定をめんどくさがる自分には、ぜひ取り入れたいと思ったトレーニングです。改めて考えると「何が好きなのか」わからない分野も多いので・・。

持ち物や身につけるもの、日々目を通すメディアや食べるものの選択、日々の暮らしの中にこれはいい、これはダメとジャッジを続けることで、自然とセンスが磨かれる

③アイデアを展開する「モノとモノサシ」
自分の持っているモノサシをズラすアプローチ。

自分の発想の領域を広げるにはいいですね。確かに、ペットボトルを考えるのにヤクルトサイズから200ℓのペットボトルはまで、ますは思いっきり振りきれると新しい視点がでてきそうです。

4.新規事業にどう活かすか

論理思考(ここでは抽象思考)の場合は、まず現状分析し、あるべき姿から課題を設定。そして最後にアイデアの具体化と流れることが多いと思いますが、クリエイティブ領域の人は、上記のようなアプローチで情報を構造化させなくてもアイデアを具体化できる良さがありますね。

BTC的な発想の視点は

・本当に優れたアイデアは具体と抽象を何度も行き来することから生まれてくる
・具体と抽象を同時にスタートさせ、両者がもつれ合いながら自然と融合していくアプローチ

筆者の言うとおり、抽象思考だけでも、具体思考だけでも不十分で、抽象化を走らせつつ、具体的な細かいアイデアも同時に考えられるといいのでしょうね。

最後に

読書としては、とても読みやすい本でした。
ただ、3つのフィールドのマインドとスキルを身につけるのはなかなか大変です。「C」の領域は、まずは専門性というよりも「リテラシー」という視点で深めていこうと思います。

--おわり

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たいよう
感じて、考えて、表現します。「そんな考え方もあるね」と思ってもらえたら幸いです。