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「実践 スタンフォード式 デザイン思考」を読んで

たまたま、Kindle Unlimited で見つけた「おもしろかった本」
やはり読書は、偶然の出会いが大切ですね。

本書は、筆者のスタンフォード大学「d.school」での学びをベースに、デザイン思考の具体的なアプローチが書かれています。
読んだらすぐにでも「デザイン思考を実践してみて」といった気持ちが伝わってきます。

デザイン思考のプロセスで、気づきがあったところをまとめてみました。

デザイン思考のプロセス

「デザイン思考」のプロセスといえば、この6角形のブロックの流れが多くの本で紹介されています。

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デザイン思考は、この5つのプロセスを行きつ戻りつしながら進んで行くのです。デザイン思考は、一直線の方法論ではないというのが、非常に重要なポイントです。

例えば、コンサルティングは『現状分析⇒あるべき姿(目標設定)⇒課題抽出・設定⇒実行策の検討⇒実施&改善』という一連のプロセスを大事にするアプローチだと思います。
このアプローチでは「現状分析」や「課題設定」などの上流工程をしっかりしないと、下流の実行策やその結果がブレてくる。
デザイン思考のような「行きつ戻りつ」をするというよりも、一つひとつのプロセスを積み上げていく「決められたカタ」がある感じがします。

デザイン思考は、一見シンプルに見えても、明確な「カタ」がないので、ちょっと、ふわふわしている感じがします。カタがあいまいだからこそ、継続したトレーニングで身に着けていくのが最良の道なんでしょうね。

①問題定義
→トピックを決める

・人々の問題に関連することはすべてOK
・誰かの体験を改善するトピックは、デザイン思考を用いて解決策を考えるのに向いている

明確な答えがないものは、ある意味、すべてデザイン思考向きなのかもしれない。今の時代、「正解」が決まっていない問題が多いからこそ、デザイン思考が重宝されるとも言えそうです。
この解決すべき『問題』をどう定義するかがキモになるんでしょうね。

②共感
→問題を見つけるための情報を集める

・適切な問題を見つけることができるかどうかで、その後に続くプロセスの成否が大きく左右される
・共感のための3つの方法
 ⅰユーザーを観察する
 ⅱ自分で体験してみる
 ⅲユーザーに直接聞いてみる

カウンセリングを学んで思うのは「共感」は本当に難しい。
「他人の気持ちを本当に理解できるか」といえば、他人には限界がある。それでも、その人がどんな想いなのか、どんな世界を見ようとしているかを感じようとする。
このあたりは、自分にとってはカウンセリングマインドが転用できそうです。

③定義
→解くべき問題を決める

・プロジェクトのトピックに関連した中で、適切なサイズにブレイクダウンしたニーズや不便を感じるポイント等を考えるとよい
・大きすぎる問題は手におえませんし、逆に小さすぎても変化が起こせないでしょう

よく言われる「ペインポイント(不満や不便を感じるポイント)」から新たな気づきを得ていく。ここでは、壮大な問題を定義するのではなく、実行可能な問題を定義しないと、結局できずに終わってしまうことになる。
「解くべき問題」を決める、このプロセスも実践するときに苦労しそうです。

④アイデア
→ブレインストーミングを通じ解決方法を探す

アイデアの評価として
ⅰ最も成功する可能性が高そう
ⅱ最もユーザーを喜ばせる可能性が高い
ⅲ最も画期的であるか

⑤プロトタイプ
→アイデアを検証できる試作品をつくる

・プロトタイプの制作も短距離走のように集中して素早く作るようにしましょう
・プロトタイプの目的は、自分たちのアイデアに対してフィードバックを得ることなので、カタチはどんなものでもかまいません。

デザイン思考の素人が、一番難しいと感じるプロセスがプロトタイプをつくることかもしれない。「できるだけ簡単に、でも検証はできるように」というスピードとスペックをどう両立してつくるのか。
これこそ、試し続けて学んでいくしかないのかも。

⑥テスト
→ユーザーテストを通じて評価する

・プロトタイプの魅力を直接伝えるのではなく、ユーザーが試していく中でその魅力を感じることができるか、それを測るのがポイントになります。

「デザイン思考は素早く失敗する」という考えがありますので、テスト結果を恐れないことが大切なのかも。「テスト」と聞くと、なんとかうまくまとめようという発想が出てしまいそうですが、失敗を素直に認めることが次につながることを感じます。

最後に

この本では「デザイン思考のツールキット」というフレームワークも提供されていて「実践から学べる」ように工夫されています。
結局、本を読んで終わりではなく、実際に自分で実践しない限り、デザイン思考のマインドやアプローチは理解できないことを改めて思います。

この本とは無関係ですが、たまたまnoteを読んでいて見つけた次のワークショップも子供向けといいながら、とても実践的。


まずは「デザイン思考」を使ってみる。そんな思いを強く持ちました。

おわり。

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たいよう
感じて、考えて、表現します。「そんな考え方もあるね」と思ってもらえたら幸いです。