二度目のサンティアゴ巡礼 1日目 サンジャンピエドポー→ロンセスバージェス
巡礼初日。他の巡礼者のいびきがうるさかったせいもあるが06:00に起きた。パン、ジュース、チーズといった現地のスタンダードな朝食を食べたら、出発する巡礼者がリビングに集められ、ホスピタレイロと共にストレッチや瞑想を行って出発した。励ましの言葉、リラックスの言葉を貰う。
色々な気持ちが頭の中を回っている。この20kg近い荷物を背負ってピレネー山脈を超えられるだろうか。ヒグマは数は少ないが生息していると聞いたことがある。万が一遭遇したら…
そんな不安を胸に、一同「Buen camino!」を叫んあ後、各々出発した。
まずは先頭を切るイタリア人青年の後ろをついていくことにした。
村の入口ともいえる門を出て、しばらく牧場やジットが並ぶ山道を登っていく。風光明媚で、皆のペースもそこまで速くはないのでつかず離れずを繰り返していく。
2km程歩くと、突如坂が急になりだした。
この坂、写真では中々具合が分かりづらいが、アイレベルが中央であることを念頭において見てほしい。かなりの急勾配であることがわかるはずだ。例えるならアルハンブラ宮殿をアルバイシン側から登るときの急坂のような、20%以上はあるだろう坂を登っていく。
イタリア人はどんどん離れ始め、次第に見えなくなった。荷物のせいで全く足が前に進まない。トレッキングポールを使って腕で体重を持ち上げてなんとか登れる感じである。これ、ポールが無かったらどうなっていたのだろうか…
サンジャンピエドポーから8km地点のオリソンの山小屋で休憩。トルティージャを食べて休む。ここだけ勾配がない。
山小屋を出発するとまた急勾配が現れ、辺りが霧で見えなくなる。
6月だというのにかなり肌寒い。が、かなりの運動量のせいで汗だくなので、むしろ半袖でちょうどいい。
霧、岩、水たまり、泥、牛と馬の糞、ナメクジ。
泥はミドルカットのブーツが足を取られるくらい深く、糞はとにかく地面に転がって、車に踏まれて足の踏み場もなくなっている。一歩歩けば何等かの糞を踏む。ナメクジは日本のものとは比較にならない大きさで、しかも漆黒である。道端の黒いものはほぼナメクジである。
頂上に着くと霧が晴れてきた。
しばし休憩して下りを開始。あと5kmで目的地のロンセスバージェス。
ただ、ここの5kmがいちばんつらかった。
傾斜20%以上の急斜面を延々と降りる。岩と小石だらけの地面で、一歩降りるたびに容赦なく足に痛みがやってくる。更にはつま先で体重を支えるため爪の痛みは上りの比ではない。この5kmに比べたら今までの上りもマシに思えてくる。
上りも下りも荷物というウェイトハンデの影響が大きすぎた。
2kmごとに休憩を取り、なんとか下山成功。
川でブーツの糞を流したら、目的のアルベルゲへ。
ロンセスバージェスはサンジャンピエドポーよりも更に小さく、教会兼アルベルゲ(普通のアルベルゲの10倍以上泊まれる!)と、それに付随するバルが2~3軒あるのみ。中は巡礼者でごった返し、受付まで1時間弱待たされる。
荷物を置いたら、付近を探索。
夕飯はアルベルゲ併設というか、提携してあるバルに食べに行く形式。コミュニティディナーで、他の巡礼者と話しながら食べる。
一緒のテーブルにはイタリアーノ、ジャーマニー。イタリアーノは銀行員、ジャーマニーは妻を無くしたので巡礼に来たと行っていた。
時間が来て追い出されると、イタリアーノ達は「ワインとデザートまだ食べてないんだけど!」と、ボトルとデザートを店の外まで持ち出し、外で路上飲みを始めていた。しかも「これがイタリア式なのよ」とデザートにワインを入れて食べ始める。アイスボックスにストゼロ入れる日本といい勝負をしている。こういうところはイタリア人はすごかった。
明日も皆スビリの街まで行くということなので、朝会おうぜと言って解散。
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