21/1/4 チェルシー対マンチェスター・シティ PL第17節レビュー~元野球人のサッカー観戦記第3試合目~
こんにちは。3日連続の投稿となります元野球人です。
今回は、仕事始めという方も多いであろう2021年最初の月曜日の午前1時30分キックオフ、今年最初のビッグマッチである、調子を落としている勝ち点26のチェルシーと、2試合未消化ながらも勝ち点26、リーグ戦2連勝中であるマンチェスター・シティの1戦です。
会場はチェルシーのホーム、スタンフォード・ブリッジ
主審はアンソニー・テイラー
〇スタメン
チェルシーは、アストン・ヴィラに引き分けた前節から5人のスタメン変更。ツィエクが怪我から復帰し、即スタメン。ジルーとエイブラハムがベンチスタートで、ヴェルナーがCFに。
OUT:クリステンセン、リュディガー、ジョルジーニョ、ハドソンオドイ、ジルー
IN:ズマ、チアゴ・シウヴァ、コヴァチッチ、ツィエク、ヴェルナー
前節がコロナの影響で延期となったシティは、エデルソン、ガルシア、ウォーカー、ドイル、トーレス、ジェズスの6人がコロナ陽性で欠場。万全じゃないアケ、怪我でラポルトも欠場。前々節のニューカッスル戦から3人のスタメン変更。デブライネがゼロトップ、ジンチェンコが今季リーグ戦初スタメン。
OUT:エデルソン、アケ、トーレス
IN:ステフェン、ジンチェンコ、フォーデン
これだけ離脱者が出てもスタメンのクオリティが高いシティ。
〇試合内容
・果敢に前に出たチェルシー
強豪相手には4-5-1で守備的に戦うことがあるチェルシー。そのやり方でシティ相手にも勝利したことは記憶に新しい。しかし、この試合のチェルシーはキックオフから継続してアグレッシブな守備をする。だからこそ、機動力のあるヴェルナーがCFのスタメンだったのかもしれない。それが功を奏し、高い位置でのボール奪取や、ステフェンのバックパスハンドを誘発し、決定機は作れずも、試合を優位に進める。カンテやズマも積極的に前に出て、デブライネが前を向く前にボールを刈り取るシーンも序盤だけで数回あった。
・流れが一変
14分25分からシティの攻撃。ベルナルドが左サイドに移動して、左サイドに人を集める。そこから前進し、相手を押し下げてから、ストーンズを経由して過疎化した右サイドのスターリングへ。内側にいるカンセロにボールを預け、CBの間をとっているデブライネにスルーパスし、決定機を迎える。シュートは惜しくも外れたが、この攻撃から試合の主導権はシティに移る。
・得点~ゲームセット
先制点はフリーでボールを受けたロドリから。彼が持ち上がり、カンテがマークに出て行くと、ロドリは左サイドのライン間の高さで大外にいるジンチェンコに。ツィエクとアスピリクエタが、左IHのようなポジションをとっていたデブライネにつられ、ジンチェンコに余裕が生まれる。そのジンチェンコから、カンテが前に出て行ったことによって広がったライン間を横切るパスがフォーデンに。デブライネの代わりにCFのポジションに移動していたギュンドアンにボールが渡り、一流ストライカーのような反転してからのシュートが決まり、18分にシティが先制する。
20分にもジンチェンコにライン間を横切るパスから点が入る。そのパスを受けたデブライネが広がったライン間受け、また抜きパス。これは惜しくも通らなかったが、こぼれ球を拾いまたもやまた抜きパス。これをフォーデンが決めて追加点。この際は、ロドリがCBと3バックを形成。ボランチポジションにギュンドアンとベルナルドが。彼らにカンテがマークに出ていき、コヴァチッチがジンチェンコを後追いする形となり、ライン間が広がった。
34分にはチェルシーのセットプレーから大カウンターで3点目を奪ったシティ。その後は危なげなく試合をすすめる。ロスタイムに、77分に投入されRIHに入ったハヴァーツが左サイドの崩しに加担し、ハドソンオドイのゴールを演出するも、1-3で試合終了。
〇チェルシーに思うこと
・守備
①フリーになるロドリ
IH(主にマウント)がロドリをマークすることになっていたが、マウントはベルナルドや内に絞るカンセロ、コヴァチッチはツィエクの裏にいるジンチェンコの存在により、マークに行くことが出来ず、ロドリがフリーになることが多々あった。また、ヴェルナーが入念にロドリへのパスコースを消すわけでもなく、フリーのロドリにボールが渡っていた。
②ツィエクの立ち位置
ツィエクはCB-SB間に立ち、パスコースをふさいでいたが、CBにプレスをかけることは少なく、前述の通り中央の受け手のマークも甘かったので、中央を経由し展開されることが多く、無効化されていた。
③コンパクトさの欠如
シティが落ち着き、プレスに慣れてくると、キーパーやCFのデブライネ、ポジションチェンジを使って数的優位や迷いを生み出され、ボールの奪いどころがないまま、ボールを奪いに行き、縦にも横にもコンパクトさを欠いていた。
SBにカンセロとジンチェンコ、IHにギュンドアンとベルナルド、デブライネのゼロトップと、この試合のシティは特にボール保持のできるメンバーだった。それだけに、チェルシーのプレスの完成度や運動量を鑑みると、シティ相手には守備的に戦うことを選択したほうがよかったように思える。
・攻撃
高い位置で奪ってショートカウンターで得点することが狙いだったと思う。実際、ヴェルナーが好調だったらと思うシーンはあり、もし好調だったら結果は変わっていたかもしれない。だが、ヴェルナーは不調だし、相手を押し込んだ際にツィエクのクロスが多かったことを踏まえると、ジルーやエイブラハムがCFだったほうが良かったのかもしれない。
〇終わりの一言
コロナに苦しむシティに完敗してしまったチェルシー。そんなシティだからこそ、ランパードは守備的ではなく攻撃的なサッカーを選択したのかもしれない。また、攻撃的なサッカーで強豪相手にも勝ちたいという意思の表れかもしれない。今日の結果を踏まえて、今後どのようなアプローチを強豪相手にするのか見ものである。
今季初リーグ戦3連勝となり、弟子のアルテタと上昇気流に乗ったシティ。ペップの策、それを遂行する選手たちは流石であった。FA杯にリーグ杯もあり、コロナ禍で今後も厳しいやりくりが強いられるが、このまま上昇気流に乗り続けることはできるだろうか。
シティの試合はレビューを書くのが難しい!!!!