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ベルゴジャポネーズ『 モモ』

今日はモモについての話。パパはベルギー人ママは日本人のベルゴジャポネーズ、モモ14歳。ベルギー生まれだけど2歳で日本へ引っ越し、5歳でベルギーに戻ってきたから3年間日本に住んで日本の保育園にも通ってた。モモに聞いてみると、うすら覚えで日本の記憶があるみたい。保育園で当時流行りだったモーニング娘の「会いたかった」のダンスと歌を披露したのを今でも時々思い出して話題にしたりすることがあったりするから、ある部分的な記憶は鮮明に覚えてるみたい。
ベルギーに戻ってからの言葉はフランス語。日本語は週1で通ってる日本人のピアノの先生とママと話すくらいで、基本的にフランス語で生きてる青春真っ只中のベルゴジャポネーズ。
『漫画は私の人生!』と断言するモモ。学校から帰ると一目散にコンピュータの電源オン、ヘッドホンして画面と向き合う姿はまるでテレワークしてる大人みたいでなんか笑える。ほとんどが男の子の友達と『オンライン漫画クラブ』(私が勝手に名付けてる)の時間が始まる。モモが通ってる学校は日本の中学のような部活動が存在しない。習い事をするか、帰宅するかは本人で決めればいいという感じ。モモの放課後の時間は家で漫画、アニメキャラ、ゲームの話で盛り上がるオンライン放課後の時間。時々気が向くと遊びながら日本語を教えるオンライン日本語レッスンもやったりして、『漫画クラブ活動』がモモの楽しみみたいだ。
彼女なりにベルギーに生きながら日本文化をうまくアレンジして楽しんでるってことなのかな?
日本人からするとイマイチ、ズレてる感満載で#@€&_-*%??どこかおかしな感じがするけど、そこがきっとベルゴジャポネというハーフならではのオリジナルな強みになるのだろうと、外野席から応援する距離で様子を伺う日々。きっと彼女なりにベルゴジャポネスタイルを確立したい思春期ならではのメラメラした熱い野心があるのだろう。しっかり築いてくれたまえモモ!
そんなモモはファッションが大好き。基本的にベルギーの中学はあまり服装に関する校則がない。
1年生でピアス、ブレスレットから始まって、2年生でマニキュア、最近は黒のマニキュアを良くやってる。そのくらいまでは良かったんだけど、ある時髪の毛の先を30センチくらい友達と真っ赤に染めたことがあった。頑張って念願の赤い髪にしたんだから、とりあえずは色々言いたいのをググッと我慢してた日々がしばらく続いたことがある。まあだんだん大人ぽい格好もしたくなる年頃なんだろうし、そろそろ本人が自分の意思と責任で生きていけるように仕向けていくのが今親として自分に与えられてる課題なんだろうなあ。。。とか思いながら悶々として過ごしてた。まあ自分も20代の若い頃に金髪なんかにしたりしてた時期があったから、わからないでもないんだけどね。なんか、変えたいんだよね。変化を求めてるんだろうなあ。年齢的にそういうのやりたくなる年頃なのはわかるんだけど。で、何週間かした頃にやっぱりあの真っ赤なもみじみたいに燃えてる赤色の髪はかなり目立ってたみたいで、いつもはゆるゆるの学校なくせに、「その髪の毛、切ってきなさい!」と先生に言われたらしく「ママ、髪の毛切ってくれる?」とモモから言い出してきた。ホッーーー、内心胸をなでおろしながら「せっかく頑張って赤くしたのに、いいの〜?」なんて言いながら即、風呂場へ直行、髪の毛バサミを手にして腰まであった長髪をバサバサ切ってあげた。それと同時に私の気持ちもスッキリ晴れ晴れした。床に落ちた切られたモモの髪がまるで血の海みたいに床いっぱいに広がっていた。青春の1ページだね、モモ。おかっぱ頭になったモモの顔つきが鏡越しに妙に大人びて映っていた。この「おかっぱ」が意外にも似合っていて本人も気に入ったみたい。いろんな意味で邪気が祓えたのか、髪を切ってからは、どこかパンキーっぽい友達とも縁が切れたみたい。髪の威力は凄いまだまだピュアなティーンエイジ。
さて、ベルギーの公立中学は制服がない。モモの着る最近の通学の服は日本で購入したTシャツ『ド変態』『ネコと話せます』『フランス語を話します』『ヒキコモリ』などなど日本語が分かる人が見たら、エッ!おや?と思うような文字入りTシャツを学校の制服使用にして平然とした顔で通学してる。
先日日本人のママ友が「これ笑えるから見て〜」と送ってくれた画像を覗い たら、素敵なハーフの男の子のモデルさんの着てる赤いTシャツに大きく白字で『痔』とプリントされていた。これは多分『寿』の間違いだよね〜とママ友と笑いあった。
モモにその画像を見せながら、いかにモモが嫌いな漢字を勉強する必要があるのかを説明してみたりしたけど、効果は あったのだろうかか?
それからモモはコスプレが大好き。中学生になってから猫の耳と手袋と尻尾の可愛系から始まり、最近は日本の女子高生姿を真似た制服系、ちょっとゴシック調のブラックでまとめるお姉様系、メイクはまだしないみたいだけど、カツラと目玉の色を変えるコンタクトレンズが欲しいと言い始めてる。
ベルギーで年に1回あるアジア系のアニメ漫画キャラが好きな外国人向けのお祭りイベント『Made in Asia』にコスプレの格好して友達と参加するのがモモの年に1回の楽しみだったのに、去年も今年もコロナの為に中止になってかなりしょぼくれてる。
その代わりなのか、最近は帰宅してコスプレまではいかないけど、鏡の前でちょっとしたファッションショーが日課になってる。自分の気に入った格好して画面を 前にして 『オンライン漫画クラブ』の時間がコロナ禍で生まれたティーンエイジ、最近のモモの充実した時間になっている。
つづく




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