[アライブフーン鑑賞]満足度95%!日本のクルマ映画の傑作認定か⁉︎
「日本のカーアクション映画の歴史に、確実に刻まれる1作になるでしょ、これ」
見終わった後に、そう呟きました。
昨日、6月10日に公開された映画「アライブフーン」を友人と鑑賞してきました。
この映画の題材は「ドリフト」です。
タイヤを滑らせながら車を走らせるドリフト走行。その時のスピードの乗り•キレの良さなど、要はドリフトのカッコよさを競う「競技ドリフト」の世界が舞台となります。
しかし、ただ競技の世界を描いたアクションムービーの枠に、この映画はとどまりません!
私が満足度95%を付けた理由と合わせて、紹介していきます。
・映画公式サイト
◾️"ホンモノ"を追求したドリフトアクション
日本発祥の競技ながら、今や世界中で熱狂的ムーブメントを起こしている競技ドリフト。
その世界を描くという事で、総合監修を元プロドライバー•土屋圭一さんが務めています。
ドリフトキングと呼ばれ、今もなお第一線で自動車業界を盛り上げている土屋さんが提案したのは、「ホンモノ」を追求した映像を作る事。
レース車両・ドライバー・競技レギュレーションも含め、実際に日本の競技ドリフトの最高峰「D1 GRANPRIX」にしている選手達を起用して撮影を行う。(もちろん映画エンターテイメントという事で、演技面は俳優となりますが。)
そうする事で、実際に携わっているメンバーだからからこそ出せるリアリティあるドリフトシーンが再現出来る。
その提案は、みごと的中でした!
今までの日本のカーアクション映画ではまさに見た事のない、時には手に汗握る、迫力とスピード感のあるドリフトシーンが再現されていました。
さらに凄さを感じるのは、ドリフトシーンの撮影アングルです。「ドリフト中の車の床下からの描写や、2台の車がスライドしながら接近していく際の車両間のシーンなど。
今まで、マンガやアニメでしか見たことの無いシーンが、見事に実車で再現されています!
「どうすれば、ドリフトをカッコよく見せれるか?」を知り尽くした、プロドライバー達を起用したからこそ作れた映像でしょう。
実際に競技ドリフトを見た事がある人も、ない人でも。アクション映画が好きな方なら、このリアリティ満載のドリフトシーンは一見の価値おお有りです。
・D1ドライバー起用を決めた土屋圭一のインタビュー映像(アライブフーン公式YouTubeより引用)
•迫力の映像撮影(アライブフーン公式YouTubeより引用)
◾️時代に沿った、バーチャル×リアリティなストーリー
迫力のドリフトシーンに花を添えるストーリー展開も、この映画の面白さです。
このストーリー概要で語られている通り、今作の主人公はe-sportsのグランツーリスモ部門で日本一経験を持つ"ゲーマー"という設定です。
競技ドリフト同様、近年盛り上がりを見せているe-sportsの世界。
バーチャルの世界の凄腕ドライバーが、リアルワールドの実車に乗り込み、競技ドリフトの世界に身を投じていくというストーリーが展開されていきます。
実はこの話は、あながちフィクションではないのをご存知でしたが。
実は現在、実際にプロレーサーとして活躍している若手ドライバーの中には、シミュレーター世代と称されるe-sports出身のドライバー達も居ます。
それだけ、今のドライビングシミュレーターやレーシングゲームは、精度が良いという事です。実際のプロレーサー達も、普段はシミュレーターでの練習の機会が多いと聞きます。
とはいえ、まだまだ新しい文化という事もあり、受け入れ難い人も居れば、認知されづらいというところもあるとは思いますが。この映画では、その分野にスポットライトを当てているのが、また斬新なところ。
実際の映画でも、他キャラクター達からは「ゲーム出身かよ」「ゲームとリアルは違うんだよ」と、主人公が蔑まれるシーンもありました。
実際にゲームとリアルでは、車の挙動だけでなく、ドライバーにかかるGなどの違いは、確かにあります。
しかし実車にすぐにアジャストし、e-sportsで身につけたドライビングテクニックを駆使しながら、リアルワールドで周囲を納得させていく様は、まさに爽快!
不思議と「なんで、そんな簡単に出来るんだよ?」と思わないのは、前述した背景も映画内で軽く語らいているからでしょうね。
そして、トントン拍子で進んでいくストーリーのテンポ感も良かったですね。1つ1つの内容を回収しながら進んでいくので、余計な情報が入らず、目の前の内容に没入しながら見ていられました。
◾️残りの5%は、マニアックかな?
喜ばしい事に、世界公開も決まったというドリフト映画「アライブフーン」。ちなみに満足度95%と評価した私だか、残りの5%は何なのか?というと。
レース中の実況解説が、D1 GRANDPRIXでもお馴染みの名物MC(鈴木学さん:通称マナピー)ではなく、俳優だった点です。
とはいえ、喋りや風貌などは確実に意識したであろう内容だったので、聞いていて確かに違和感は少ないのですが。
実際のD1を知っている身としたら、やはりマナピーさんにやってもらいたかったなぁー!
という、マニアック視点の5%でした。
◾️終わりに
以前より私は、日本のカーアクション映画については、ハリウッド映画などに比べては期待度を低く見積もってしまうところがありました。
予算規模やロケーションなどの都合上もあるのでしょうが、やはり日本のカーアクションは迫力に欠けている部分が否めませんでした。
しかし、このアライブフーンは新たな境地を開いた作品だと思いました。
街中を派手に走行するシーンなどではなく、クローズドなサーキットなら。ましてや、日本がブームの火付け役のドリフト競技なら。
海外映画にも引けを取らない、カーアクション映画が出来上がったんじゃないでしょうか?
ちなみに、ドリフト文化の発祥でもある峠での走行シーンもあったのは、峠好きとして嬉しかったですね👌
ぜひ、オススメな作品です。
・認可済みの峠道でドリフト撮影(アライブフーン公式YouTubeより引用)
なお、題材的な面か、スポンサー的な内容なのか不明ですが。6月10日に公開したものの、公開期間は短いのかな?と思われます。
私の住む宇都宮でも、2つの映画館で1日1回の上映しかしておらず。且つ、6月23日には公開終了予定となっていました。
このドリフトアクションは、ぜひ映画館の大スクリーンで堪能して欲しいものです!
気になった方は、上映スケジュールを必ず確認して楽しんでください👍